【2022年/第五座】東京から一番近い日本アルプス、残雪の鳳凰三山に登る【薬師岳】

三連休の前半で初南アルプスに行ってきました。

南アルプスの鳳凰三山は北から地蔵岳、観音岳、薬師岳からなる山塊で、南アルプスの中でも一番東側に位置しており東京から最も近い日本アルプスです。
長期連休だと北アルプスに行ってしまうことが多く、今まで一度も南アルプスに行ったことがなかったのですが、人の少なそうな残雪期に最メジャールートの夜叉神峠から登ってきました。

北アルプスに引けを取らない白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の展望と富士山の雄大な姿に感激しました!

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夜叉神峠の駐車場に6時前ぐらいに到着しスタート。
100台停められるらしい大きな駐車場です。登山届の提出が努力義務になったらしく、山岳遭難対策本部の方々が声掛けにきてました。お疲れ様です。

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登山口の写真。下山時撮影。

初めはほとんど雪が無く、駐車場を出発して1時間弱で夜叉神峠に到着。目の前に白根三山が綺麗に見えました。ここまで来るだけでも景色が楽しめると思います。

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今回はX100Vという富士フイルムのコンパクトカメラを持って登りました。ポケットに入れて登りましたが微妙に邪魔だし取り出すのも億劫なので持ち運び方は考えないといけませんね。

この夜叉神峠を過ぎてからはぼちぼち雪が出始めます。
前日、下界では雨が結構降りましたが山では雪だったようで、結構降ったみたいです。
ところどころ木々にない開けた場所に出ますが、完全に雪原となってました。まだ雪山を楽しめるとは思っていなかった。

何パーティーか抜かせていただいて、先頭に追い付いつくと学生さんと思しきソロの男性が一人でラッセルをしてくれていました。
前を見るとトレースはなく、初めてラッセルを体験しました。三月中盤+冬でもかなり人の入る山ではありますが、一歩ずつ腿の高さまで足を上げて歩かないといけなく、ちょっと踏み外すと腰まで埋まるのでかなり消耗しました。
人が入らない山では相当大変ですねこれは。良い経験でした。

さらにもう一人の方と3人で回して(とはいえ大部分を先述の学生さんがやってくれましたが)南御室小屋(みなみおむろごや)に到着。
ここまで約4時間ぐらい。上の地図では辻山のちょっと先ぐらいです。

テント場は完全に雪の中です。私は今回本館の右側にある冬期小屋に止めさせていただきました。詰めれば10人ぐらいは入れそうな非常に快適な小屋で、使いませんでしたが布団までありました。冬期小屋利用料金は1000円。

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初めは薬師岳小屋の冬期小屋まで行く算段でしたが、ここまでの工程で疲れてしまったためここを宿泊地とします。
しかしまだ11時なので、荷物を置いて昼食を済ませたら翌日の登頂に向けて薬師岳小屋までトレースをつけに行くことにしました。

先ほどの学生さんは南御室小屋のテント場でツェルト泊のようです。凄い。
そして先に登って行かれてたので、ここでもトレースをいただいて林道を登っていきます。

この夜叉神ルートはところどころ白根三山が見えますが5時間ぐらいずーっと林道歩きなので、多少の体力と精神力が必要ですね。
長い分なだらかなので初心者向けのルートではあるんだろうと思います。

南御室小屋を出て1時間ぐらいで稜線に。
あいにくの曇りですが、さらにド迫力で白根三山が目の前に現れます。

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一つピークを越えると鞍部に薬師岳小屋があり、薬師岳小屋を挟んですぐ目の前に薬師岳の岩場からなる山頂が見えます。
登頂は明日のお楽しみにして(面倒になった)、早々に南御室小屋に戻りました。

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薬師岳小屋の冬期小屋ものぞきましたが、確かに小さく5人ぐらいしか入らなさそうですが断熱材がしっかり張ってあって快適そうな小屋でした。

南御室小屋の冬期小屋に戻ると5人パーティの方々が宴会を始めていて、混ぜていただけることとなりました。
アルファ米とカップラーメンの夕飯のつもりだったのが思いがけず贅沢な夜となりました。なにもおすそ分けできるものが無く申し訳なかったです。

20時ごろに就寝し(山時間ですから)、翌朝3時に山頂で日の出を見るために起床。朝食を食べ紅茶を水筒に入れ3時40分ごろ出発します。

前日に一度歩いたおかげで暗い中でも迷いなく歩けました。
薄明が早くなり冬が終わりを告げていることを感じながら一番乗りで山頂へ。

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薬師岳山頂標識あたりより

前日は天気が悪く見えなかった富士山がはっきりと。
南アルプスは富士山の展望が最高の場所ですね。

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薬師岳の石峰と富士山

早速写真を撮り始めましたがこのあたりでよく見る構図の写真スポット(薬師岳と雲海と富士山が写った画)を探しますがどこだか分からず、さらに風が結構強く同じ場所で10枚も撮ったら指が痛くなってきます。
ロケハンって大切ですね。

仕方ないのである程度薬師岳を取ったら今回は白根三山のモルゲンロートを撮ろうと思い西側にカメラを向けて待機。満月に近い月が北岳の上に浮かんでいてこれはこれでいい風景。

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八ヶ岳の山塊感が半端じゃない。科学技術の発展によってなんでも分かった気になっている現代の我々にあっても、山に敬意や畏怖の念を感じる昔の人の気持ちがよくわかりますしそれを体験しに山へ来ているんだと思います。

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見延の街と富士山。いつの間にか日が昇っていました。

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満足に撮れたとは言い難いですが、また何度でも来たいと思える山でしたのでまた来ます。ちょっと早いですが下山開始します。

南御室小屋に戻ってくるとテントが8張りもありました。
知らない間に皆さん登ってきてたんですね。さらにこの日は快晴の日曜日ということもありかなりの登山者とすれ違いました。

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おまけ

韮崎旭温泉:大人600円。ぬるめの炭酸泉で浴槽は内湯1つだけだが無限に入っていられます。良かったです。
ワニ塚の桜はまだでした。八ヶ岳バックで。

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X100Vの色はほんとにいいよね。

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