【2022/第八座】南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」残雪の丹渓新道はしんどかった。。。【仙丈ヶ岳】

2022年のGWは中日の祝日3連休が非常にいい天気でしたね。

他にも用事(遊び)があり長期の山行には行けませんでしたが、伊那側の南アルプスである仙丈ケ岳に仙丈小屋泊1泊2日の行程で登ってきました。

北アルプスの女王が燕岳であるのに対して、南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ヶ岳ですが、誰も入っていない丹渓新道はトラバースが多くかなり消耗しました。やっぱり3000m級登山は伊達じゃなかった。

今回登ったルート

今回は伊那側の仙流荘から歌宿まで南アルプス林道バスに乗り、歌宿から一番近い尾根沿いの丹渓新道を使って仙丈ケ岳直下の仙丈小屋で1泊、
翌日仙丈ケ岳に登ってから北沢峠に降りるというルートにしました。

丹渓新道は地図では点線ルート(一般的にあまり使われていないルート)でしたが、歌宿から一番近い登山口であること、尾根を歩くルートなので雪崩の心配がなさそうな事、積雪期は尾根沿いの点線ルートを通ることが珍しいことではないことからこの選択としましたが、これがのちに間違いであったことに気が付きます、、!

バス乗り場と今回の荷物

8時発のバスで仙流荘を出発。GW中日なので広大な仙流荘の駐車場も第一駐車場はほぼ満車で、第二駐車場にも数台車が止まっていました。

仙流荘から歌宿まで荷物込みで片道1070円。6月半ばからは北沢峠までバスで行けるようです。
仙流荘から20分ほど歩いて9時ごろ丹渓新道の登山口に到着し、登り始めます。ヤマレコのコースタイムだと3h40程度となっていたので、ちょっと早く着きすぎちゃうかな~ぐらいの気持ちで登り始めました。

丹渓新道登山口。綺麗に整備されている。

実際丹渓新道は点線ルートながらよく整備されており、赤テープも大量にあるので迷うことはないと思います。
標高2000m付近から雪が出始め、2200m付近でアイゼンを履きました。
分かりやすい登山道の割に、雪が積もってなだらかになったわかんのトレースが一つあるのみで、後続の登山者もいない模様。
静かな山行がしたくてこのルートを選んだのもあるので、むしろこんなに良い登山道に一人で登れるなんてラッキーだな、と思っていました。

伊那の街と中央アルプス
鋸岳と甲斐駒ヶ岳

歩いて2hほどでだんだんと森林限界が近くなり、岩場とハイマツからなる尾根に出ます。右側には伊那の街越しに中央アルプスが、左側には鋸岳と甲斐駒ヶ岳が見え始めて気分が高揚してきます。

が、

問題のトラバース地点

上の写真で赤色で囲った部分に小ピークが2,3個あり、この部分は尾根線上にハイマツが生い茂っているので進行方向左側(東側)を巻いて行く必要があります。

森林限界に近い高度・誰も入っていない登山道・残雪の雪が緩んでくる5月上旬、ということはもうお分かりですね。
そう、雪面トラバースです。

雪山に登り慣れている登山者の方ならいうほどではない道かもしれませんが、久々の3000m級登山で20kg近い荷物を背負っていることもあり、木々の少ない雪の斜面を非常に苦心してトラバースしました。
一つのピークを越すのに1時間近くかかり、もしかしたら日没までにつかなくて最悪救助を依頼しないといけないかも・・・・とまで思いました。

しかしそんな恥ずかしいことになったら二度と登山できないかもしれないと思い、自分を奮い立たせて何とかこの小ピークを突破し馬の背についたころには16時になっていました。

8合目写真。必死だったのでほとんど写真がなく、、

ヘロヘロになりながら馬の背から藪沢カールまでのハイマツ帯を突破し、藪沢カールの下部を直登して仙丈小屋に向かいました。

馬の背から藪沢カールと仙丈ケ岳

精神的・肉体的にも疲労しており、最後は20m進んでは足を止めて休むようなペースでしたが無事に仙丈小屋に到着。
冬季小屋にはすでに3人の登山者がいらっしゃいましたが、20人は入りそうなぐらい広い小屋なので快適にスペースを使わせていただきました。

こんな快適な小屋を無料で使わせてもらえるなんて大変ありがたい限りです。林道整備などにかかるお金も考えたら、バス代も決して高くないと思います。

とてもじゃないですが日の入りを見るために仙丈ケ岳に登る気力もなく、登ってきた馬の背と甲斐駒ヶ岳が赤く染まるのを仙丈小屋の前から見たらそのまま仮眠し、夜0時ごろに外に出ると天気予報通りの満点の星空。
仙丈小屋前で星空撮影を楽しみました。

登ってきた馬の背の後ろに鋸岳と甲斐駒ヶ岳
仙丈小屋から見る星空

翌朝はちょっと遅めの4時まで寝て、ゆっくりコーヒーを飲んで出発しました。もう5月にもなると4時半にはヘッドライトがいらなくなりますね。本当は仙丈ケ岳の頂上で日の出を見たかったのですが、間に合わず地蔵尾根との分岐当たりでのご来光となりました。

仙丈ケ岳山頂より

山頂まで登ると南側の遠景に富士山、向こうの尾根に北岳と間ノ岳が見え、日本1,2,3位の高峰をそろい踏みの風景を楽しむことができます。風も弱く山頂で30分ほど滞在したのち、元の道をたどって仙丈小屋に戻りました。

仙丈小屋に宿泊していた登山者はすでに全員出発しており、自分も準備をして7時過ぎに出発し、10時のバスに乗るのは時間的に難しそうだったためゆっくり景色を楽しみつつ小仙丈ケ岳方面から北沢峠に下りました。

こっちのルートは開けてから下山方向に甲斐駒ヶ岳、南向きには北岳と間ノ岳を見ながら登れる展望の良いルートですね。
一方馬の背からは藪沢カール越しの仙丈ヶ岳らしい姿を見ることが出来て、仙丈ヶ岳を堪能(?)するならこっちかもしれません。

ちなみに小仙丈ケ岳-北沢峠の道は丹渓新道の静けさとはうってかわって、たくさんのトレースとGWならではの多くの登山者とすれ違いました。

北沢峠についたのちこもれび山荘で休憩中に見つけたルートマップには、丹渓新道は夏道トラバースが危険なので雪山経験者以外は通行禁止、との旨の警告が、、、
それは登山口に表示しておいて欲しかった…笑


日帰り出来る南アルプスのはずが遭難するかも、とまで思ったハードな登山となりましたが、
その分登れた時の感動は大きく充実感に溢れた登山になりました!
GWの登山としては一泊二日の短い日程でしたが、久々にちゃんと山と向き合うことが出来て良かったです。


PS. 読み方は仙丈ケ岳(せんじょうがたけ)ですよね?結構「せんじゅがたけ」と呼んでいる方がいたのですがどっちなんだろう。あと途中でトレッキングポール一本落としました。もし回収していただいた方がいたらありがとうございます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?