高校時代バンドをやっていた男がぼっち・ざ・ろっくの感想を書く

ぼっち・ざ・ろっく、というアニメを見た。

主人公は後藤ひとり(通称ぼっちちゃん)という女の子。中学時代にギターを始めるが、友達ができないまま中学生活が終わる。
今度の高校こそ…! と意気込むが。

楽器やってるやつはみんなぼっちちゃんだよ

自分もちょうど中学~高校で楽器をはじめ、バンドをやっていた。バンドをやっていてコミュ強なんていねぇー(偏見)と思ってしまった。
楽器の上達にはそれなりの時間が必要となる。孤独な時間だ。そしてその孤独を楽しむ性格が必要だ。つまり、楽器をやる人はみんなぼっちちゃんなのである。
もしくはりょう先輩。孤独を愛する人だけが楽器と語らうのである...。

異分子としての虹夏ちゃん

「虹夏ちゃんだけ異分子じゃね?」と思った? 思ったがこういうタイプも実存した。バンドの潤滑油になるようなタイプ。リーダー気質。いろんなバンドとつながりがあり、メンバーをさらっと集めてくるようなタイプ。
たいてい1つのバンドに1人はいる。というか、虹夏ちゃんタイプがいなければ孤独孤立孤高の楽器オタたちが集まって演奏しようなんてことになるはずがない(偏見)
面倒見がよく、人当たりが柔らかい。けれど楽器上達のためにも虹夏ちゃんも陰にこもるタイプだろう。

余談だが僕も高校生当時ドラムをやっていた。ドラムに必要なのはリズムキープだ。ひたすらメトロノームに合わせてスティックを叩くのだ。それを2時間とか3時間とかやる。誰もいない部屋で。
虹夏ちゃんはあんなに明るくてかわいいのに、部屋にこもりドラムの基礎練をしているのかと思うと、胸が熱くなるものがある。

喜多ちゃんはバンドなんかやらない

非実在性が高いのは、陽キャとして位置づけられている喜多ちゃんである。
楽器を始めるような人間には鬱屈した思いが必ずある。人より目立ちたい。けれど運動も勉強も目立てない。せめてこれなら!!!!
そんな鬱屈した精神がぼっちちゃんのようにギターを上達させるのだ。
喜多ちゃんのようにリアルが充実してかわいくて、承認欲求が満たされている人間はバンドなぞやらずに青春を謳歌する。

つけたし。
ギターを練習してると最初の壁があり(Fコードとかを抑えられない)、それを超える前にだいたい辞めてしまう。指が痛くなり、マメができてくるからだ。
アニメの終盤でぼっちにギターの上達を褒められた喜多ちゃんが「バッキングだけだけどね」と謙遜する場面があるが、立派なものだ。
もしかしたら喜多ちゃんも、表面には見えないが鬱屈した思いを抱えているのだろうか?


劇中曲の完成度が高い

さて、劇中で使われるオリジナル曲の完成度が高い。
正直、高校生でこのレベルの演奏をするのはかなり難易度が高いのでは? と個人的に思う。
難しいと思う理由に、キメる部分の多さがある。
リズム隊と楽器が、バチっばちっと音を切る箇所が多い。
これは譜面で演奏する以上に、バンド全体で演奏する難易度を上げている。(喜多ちゃんがバッキングだけ、と謙遜しているが、キメを合わせられるだけですごい)
合わせない、ソロで、という意味では、逆にぼっちちゃんのパートは練習しやすく楽しいのではないだろうか?

逆に喜多ちゃんのギターを決めながら、独特なリズムのボーカルはだいぶ難易度が高いと思われる。


みんな、ぼっちちゃんになろう

楽器を上達するためにはどうしたらいい?
とにかく練習だ。
心の中にぼっちちゃんを生もう。
ギターヒーローを目指そう。

つないだ線解かないよ
どんなに君がまぶしくても…(「星座になれたら」より引用)


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ザ・偏見シリーズ

登場人物について、「ああきっとこの人はこうだろうな」という、現場を見てきた人間が偏見を述べていく。あくまで主観的な妄想だから、キャラを汚そうなどとは思っていない。「ああ~!! なんとなくわかる!!」という反応が欲しいのであって、リアルを押し付けたいわけではない。

・星歌(虹夏ちゃんの姉)はきっとヘビースモーカー。
バンドの運営側に回った人はなんとなくヘビースモーカーなイメージがある。あとは声が酒やけしてそう。

・ぼっちちゃんは大学にいくと開花する。
高校までぼっちちゃん的ふるまいをしていた人、なぜか大学になると増える。高校までは「同級生という単位」での団体行動が多いから、友達が作りやすいのだろうか。
大学に行くと部屋に引きこもりギターを弾き、留年する人は激増する。1サークルに20%は居る(高校まで何をしてたのだ?)
なので大学にいく陰キャコミュ障はデメリットではなくなり、ギターのテクニックと見た目の良さだけが残るわけで、華々しく大学デビュー可能。

・PAさんはぜったいタトゥー入れてるかゴツイピアスしてる。
これも偏見。音楽周りの人は人体改造が好きそうな人が多いイメージ。

・廣井さんはバンドクラッシャーである
廣井さんのバンドが女性だけで構成されているのを見て、「ああ、リアルだな」と思った。多くのバンドを壊してきたのだろうな...と妄想する。


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