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『食人族4Kリマスター無修正完全版』公開

今年(2023年)突如発表された『食人族』公開のニュース。
日本公開40周年、しかも「4Kリマスター無修正完全版」とのことで、早速SNS界隈も大盛り上がりになりました。
これまで幾度となくソフト化され、近年では「Amazonで取り扱わない」問題でも賛否両論が沸き起こり、いつまで経っても話題に事欠かない正真正銘の問題作です。
しかし、日本公開から40年経った今でもゲテモノ扱いしかされない不遇な一面もあり、当然、配給や宣伝がショッキングなイメージで煽るのは問題ないのですが、あまりにもそっち方面ばかりが取り沙汰されるのは如何なものかと思うのです。

やはり、公開当時のイメージがあまりにも強烈で、僕もテレビCMを見てはショックを受け、親戚一同で映画を観に行けば弥が上にも看板が目に入り、街中にも広告が溢れるといった状況でした。
このイメージが相当強いのでしょう。

「あなた、食べる、食べられる」とナレーションをバックに「えぐる!」「食べる!」「串刺し!」「超・残酷ドキュメント」と続くCMは、とてもショッキングで、クラスでも話題の的でした。
まだ、ホラー耐性のなかった僕(小学6年)は劇場に観に行くこともなく、実際に観たのは、数年後のレンタルビデオ全盛期、すっかりホラー映画ばかり観るようになった時期でした。

これでもか! これでもか! 目を覆うショック・シーンの連続!!
■男性を食いちぎられ切断されるカメラマン。
■食人族に集団レイプされ断首のうえ肉をきざまれる白人女性。
■白人による集団火あぶり大虐殺。
■姦通妻を石オノでえぐり殺す夫。
■散乱するガイ骨、おそらく彼等もこの中に・・・。
■毒蛇に噛まれた足をナタで切断。
■赤子を手掴みで掻き出して泥沼に埋める。
■原地民の処女をカメラマンが輪姦。

まだ、この時も「ショック・ドキュメント」ということは疑いもせず、映画好きが集って「あれ、フェイクらしい」となったのは、それから数年後のことだったと思います。

しかし、観直す度に映画の残酷性は勿論のことですが、オープニングから流れるリズ・オルトラーニによる「CANNIBAL HOLOCAUST (Main Theme)」の美しさ、巨匠リズ・オルトラーニの旋律が全て帳消しどころか、大袈裟ではなく感動すらしてしまうシーンがあるのです。何という音楽の持つ力!

いくら何も言っても怒る人は怒るでしょうし、無理な人には絶対に無理な演出、表現があるのは事実ですが、決して看過できない描写、演出があるとはいえ、スキャンダラスな先入観だけで判断してほしくない唯一無二の傑作です。

食人族4Kリマスター無修正完全版』の公開を記念して、テロファクトリーより『食人族』Tシャツが数量・期間限定でリリース。


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