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テラロックリポート ー熱狂、再びー

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刹那の熱狂「テラロック」を、凄腕の書き手が渾身リポート!
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讃岐うどんは小麦粉で作るって誰が決めた? 常識を壊す人、支える人、そして文化は生まれる第11回テラロック

 7月9日、第11回テラロックが高松市で開かれた。テーマは「地域に芽生える新たな文化」。ちょうど4年前、公務員の寺西康博さんが勢いに任せて始めた地域交流会の目的は「多様な価値観に触れ、挑戦する人を応援する」だった。今回登壇したのは目指す方向にぴったりの2人だ。  デザイン会社代表の村上モリローさんは、小麦粉の代わりに米粉を使う讃岐うどんの店を開く準備を進めている。だしは、いりこではなく植物が原料という。「基本」から逸脱した製造方法を選んだのは、小麦アレルギーの人や菜食主義者

障害は越えるためにある 視点変えて開いた扉 第6回テラロック

 2020年、社会は新型コロナウイルスへの対応を余儀なくされた。会合の自粛が相次ぎ、中止、先送りされたイベントは数知れない。「コロナが、チャレンジしない理由になっていないか」。感染症が人々の心理に影を落とした1年が暮れようとする12月9日、寺西康博さんは「挑戦」をテーマにオンラインで第6回テラロックを開いた。登壇したのは、自分あるいは子どもに重い障害のある3人。いずれも降りかかった災難を創造のエネルギーに転換した。「マイナスも角度を変えて見ればプラスになる」。どこまでも前向き

混迷の先に未来を描け 識者が問う地域金融の真価 第5回テラロック

 いま必要なのは、見えない未来を信じる力—。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの事業者が営業不振に陥る中、5月24日、公務員の寺西康博さんは「疾風勁草 試される金融」をテーマに第5回テラロックを開いた。オンライン形式の議論に登場したのは、日本資本主義の父と称される渋沢栄一の玄孫でコモンズ投信会長の渋澤健さんら3人の識者。危機的状況で金融の果たす役割は何か。渋澤さんは、実業界に偉大な足跡を遺した高祖父の言葉を借りながら、先の見えない状況だからこそ「できるかできないかではなく、何

「光を観る」その価値は普遍的 境界などない、動け~第4回テラロック

 4回目を迎えたテラロック。世界を股にかける「観光カリスマ」と、地元香川の観光関連キーパーソンをゲストに招いた。試みたのは、毎度おなじみ「認識のリフレーム」だ。誰もが強い固定観念を抱いている「観光」というテーマがどのように料理されるのか、主宰者寺西康博の力量が史上最も試される会になったと言っても過言ではない。このイベントレポートで、寺西の挑戦をあなたにも味わってほしい。(執筆:ジョニー田中)  なお、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、初のオンライン開催を決行した。ツ

働くことの意味を問う 女性3人の柔軟な生き方 第3回テラロック

 人は何のために働くのだろう。誰もが悩む問いに、変化に富んだキャリアを築いてきたパネリストの女性3人が答えた。2月2日に高松市で開催した第3回テラロックのテーマは「幸せに働くには」。主催者である公務員の寺西康博さんは、ベンチャー支援の色彩が強かったテラロックの在り方を転換し、より普遍的な課題に向き合った。「社会に何かを残して死にたい。その手段が働くこと」。組織という後ろ盾のない女性たちの発言は説得力があり、自分に正直に生きる姿が共感を呼んだ。(共同通信社高松支局記者 浜谷栄彦

挑戦と応援と実践、そして出会い~テラロック2nd~

 オープンイノベーション地域交流会、改め、寺西ロックフェスティバル(テラロック)。改め過ぎた感の否めない混沌としたイベントが21日、高松市内で再び開かれた。2度目の正式開催となった今回のテーマは「冷笑はいらない、熱源であれ」と、音楽性は無いものの、かなりRock調なものとなった。この抽象的なテーマのもと、多彩なゲストがどう呼応し、どのような化学反応が生まれたのか。先輩から最近もらったヘッドホンでRockを聞きまくるライター、ジョニー田中がリポートする。 opening;【挑

新たな価値は混沌から 地域を変える交流会、異端公務員が呼びかけ

異端の公務員の呼びかけに定員の2倍となる80人が集まった。7月9日、高松市のWith Café(ウィズカフェ)で、第1回「オープンイノベーション地域交流会」が開かれた。仕掛けたのは公務員の寺西康博さん。高松琴平電気鉄道(ことでん)の真鍋康正社長ら寺西さんの熱意にほだされた仲間が代わる代わる登壇し、地域の未来を良くするためのアイデアを提示した。会の通称は「寺西ロックフェスティバル」略して「テラロック」に決まる。最終的に何を創り出せるか分からない。だが、混沌としながらもエネルギー