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Ⅲ-#4 シートの作成方法(1)

キャリアデザインシートの全体構成


「キャリアデザインシート」は、教員育成指標のような積み上げ発想では作られていません。反対にキャリアの理想を自分で見定め、そこから逆算するかたちで現在の課題を見つけて実行に移していくバックキャスティングの発想で作られているのが特徴です。
 筆者の経験によれば、校内研修などで活用する場合には、解説・演習込みでも大体2時間くらいで一通り作成してみることができます。

キャリアデザインシートは左側の1)現状分析、中央の2)目標設定、右側の3)成長手段の3つのセクションに分かれています。
以下でシートの作成方法について説明してみますので、記載例とともに読んでください。

キャリアデザインシート・現状分析の記載例

1)現状を分析する


 左側は現状分析の欄です。筆者自身もそうですが、日々の仕事はこなしていても、今後もその状態がずっと続くと考えると「果たしてこれでいいのか」と思うものです。そうした思いを自覚し、少し長期的な視野で自己の成長課題を振り返るためのものです。

①キャリア・プラトー

「高原状態にあるスキル」の欄は自身のキャリア・プラトー(キャリアの高原状態)がどこで生じているのかを自覚するためのものです。スポーツでも語学でも何でもそうですが、スキルを習得しはじめてすぐの時期は急速に成長しますが、次第に成長は鈍化し頭打ちとなる時が来ます。
 プラトー状態にある職能については、ただ頑張ってもなかなか高原状態を脱することはできません。
 そこで下図のようにちょっと視点を変えることが必要になります。努力のアプローチを変えることで、自分の能力に新たなそこからブレークスルーを果たしていくことが考えられます。

「キャリア・プラトー」のイメージ

例えば少し経験を積んだ教員であれば

といったことは頭打ちになっているかもしれません。

②「過去2・3年で大幅に向上したスキル」

この欄は、このキャリア・プラトーからのブレイクスルーを果たすための手がかりを探るためのものです。直近で力が伸びてきているように実感できるような力量を活用することで、教員としての力量の飛躍が目指せるかもしれません。
 
例えば、

といったことがあげられます。

③「自己の成長上の課題」

この欄には上で述べてきた2点を踏まえ、現在感じている不安や行き詰まり感について記入します。
例えば

といったことが考えられます。