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Ⅱ-#3 戦略の「核」 

学校づくりの「戦略」とは

 前回、組織に余裕がなくなってくると進行してくるのが、組織の「部分最適化」が進行していくるということを述べました。部分最適化の進行した学校では、組織全体の動きが見えなくなり、効果的な学校づくりができなくなってしまいます。

ただでさえ、学校が疲弊している今日、学校が必要な改革のために投入できるエネルギーは多くはありません。ならばリーダーは投入可能な資源で最大の効果を上げるにはどうしたらいいか工夫する必要があります。

その際に必要なのが組織の「戦略」です。学校の組織戦略とは、簡単に言うと特定の働きかけによって、どのように学校が改善されていくのかというシナリオのことです。

戦略論の大家、リチャード・P・ルメルトの言葉に次のようなものがあります。

戦略の基本は最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること、別の言い方をするなら、最も効果の上がりそうなところに最強の武器を投じることである」『よい戦略、悪い戦略』 日本経済新聞社 2012 p.20

戦略の「核」をどう見つけるか

学校づくりを考えるときに必要なのは、こうした戦略の核(「ツボ」と言ったりレバレッジ=[テコの原理])と言ったりもします)を持つことです。

問題は自校にとって最も効果の上がりそうなところ(核)がどこで、そこにどのような強みをぶつけたらいいかが見えにくく、したがって職員間で共有することも難しいということです。

そこで「課題対応マップ」です。
これは、自校を取り巻く課題がどのように分布しているかを俯瞰するのを助けるためのデバイスです。