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#22 完成!「特許願明細」

ダクト型の空調装置にここまで述べてきた。いくつかの工夫を加えて
再び弁理士さんと相談。
これでやってみようということになった。

弁理士さんの描いてくれた図面は次のもの。
一見私のイメージと大差ないが、図面の描き方にもいくつかのポイントがあるようだ。

特許の範囲は請求項という、箇条書き的に権利の範囲を限定した文章に要約に集約される。

請求項は1から順に列挙していくが、
一般には上位の請求項ほど範囲が広く、下位の請求項はより権利をせばめたものとなる。



このようにする理由は、上位の請求項に記した権利が認められなかった場合も、下位の権利を上位に持って行って細心な制できるようにするためだ。

特許明細をはじめて見る人にはきっとわけのわからない明細だが、下に出願時の請求項を挙げておこう。

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(1)請求項1の発明は、空気を通過させるダクトと、前記ダクトの周囲を覆う態様で配設される冷却部と、を備え、前記冷却部は、多孔質粒子と綿状金属とを含む冷却材と、前記冷却材を保持するための冷却材保持部とを備え、前記綿状金属の少なくとも一部が前記ダクトに接していることを特徴とする、冷却装置を提供する。
 (2)請求項2の発明は、前記冷却材保持部が、通気性を有する網状部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載の冷却装置を提供する。
 この場合、網状部材の通気性が高いことから、多孔質粒子に付着した水の揮発が促進され、冷却効果が向上する。また、気化促進用換気装置44を用いる場合に、気化促進用換気装置44の配設場所の自由度が高まるほか、冷却材の上部に限らず、側面からも風を当てることができることから、冷却効果が向上する。
 (3)請求項3の発明は、さらに、空気流入口と空気流出口とを備える筐体と、前記筐体内に空気を流通させる気化促進用換気装置と、を備え、前記網状部材が内部に多孔質粒子を収容する網状容器であり、前記網状容器は、前記筐体内部に配設され、前記網状容器の内側に前記空気流入口または前記空気流出口の一方を備え、前記網状容器の外側に前記空気流入口または前記空気流出口の他方を備え、前記網状容器は、前記空気流入口から流入する空気が、網状容器を貫通するように通過してから前記空気流出口に至るように配設されることを特徴とする、請求項2に記載の冷却装置を提供する。
 この場合、ダクトが螺旋状に配設されることで流路が長くなるため、冷却効果が向上する。また、網製容器を用いることで、上記ダクトの流路を長くしつつ、多孔質粒子の間を空気が効率よく流通し、また空気が過度の湿気を吸収して冷却効果が低下することがないため、冷却効果が向上する。
 (4)請求項4の発明は、前記多孔質粒子がパーライトまたは珪藻土焼成粒であり、かつBET比表面積が3m2/g以上50m2/g以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の冷却装置を提供する。この場合、多孔質粒子の保水量と水分蒸発量がともに高いことから、多くの水分を包含でき、一度の水分供給で長時間の冷却効果を得ることができる。また、高い含水量により高い冷却効果を得ることができるため、装置全体として冷却効果の高い冷却装置を提供することができる。さらに、吸水量の高い多孔質粒子を用いることにより、装置の小型化が可能となる。
 (5)請求項5の発明は、前記給水部が、側面に複数の散水孔を備える散水ホースを備え、前記散水ホースは前記ダクトに沿って配設されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の冷却装置を提供する。
 この場合、装置上方から給水する場合と比較し、水が冷却材全体に万遍なく行き渡らせることができるため、冷却に寄与しない乾燥部分を少なくし、装置全体として冷却効率を向上させることができる。
 (6)請求項6の発明は、前記ダクトが、内部に綿状金属を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の冷却装置を提供する。
 この場合、ダクト内部に熱伝導性の高い金属が配設されることにより、冷却効果がダクト中心軸側にも伝達するため、冷却効果が高くなるほか、ダクトに結露が生じることを軽減する効果がある。
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さて結果はいかに?

(次回に続く)