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12月米消費者調査でのインフレ率低下を受け、ドル円続落。


【1/8相場概況】

東京時間は祝日で休場の中、ドル円は軟調。欧州時間、ドル円は144.40円を挟む揉みあい。NY時間、NY連銀が公表した12月の消費者調査で、1年先の期待インフレ率が3.0%と前月の3.4%から低下し、3年ぶりの低水準となると、米10年債利回りが低下し、ドル円は143.66円まで下落。その後、FOMCで2024年投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁の「FRBはインフレ抑制を確実に継続するため、引き締めの姿勢を崩していない」「現時点では勝利を宣言するのは時期尚早」とのタカ派発言を受け、米長期金利が低下幅を縮小、ドル円は144.27円まで買い戻された。


【1/9相場観】

1/5の乱高下(米雇用統計で上昇後のISM非製造業景況指数で下落)の余韻を引き継ぐ中での、米消費者調査でインフレ率低下となり、米国の利下げ観測の高まりで、ドル円のセンチメントは下向きの流れとなっている感じがする。ただ、昨日ハト派であるボスティック総裁が米利下げ観測に対する牽制のタカ派発言をしたことは、FOMC(1/30-31)に向け、ボディーブローのようにドル安抑制に効いてくると思われるので、難しい展開になってきた。
 
日足一目均衡表では、「三役逆転」点灯中。しかし、基準線と転換線の乖離が縮小・遅行線が26期間前チャートに接近となっており、「三役好転」の解消が目前となってきた。しかし、現在は実態線(ローソク足)が200SMA(単純移動平均線)を上回っているが、完全上抜という感じではないので、テクニカル的にもトレンド判断が難しい局面である。


フィボナッチ計測を更新。1/5の高値145.97がB(151.90-140.24)に対してほぼ50%(146.07)レベル到達で失速。フィボナッチ的にはB50.0%(146.07)を上抜けなかったので、方向性は下向きとなっており、D(140.24-145.97)に対しどこまで調整するかがポイントである。下押しの目途はDの50.0%(143.10)・61.8%(142.42)あたりで底堅さを見せるかどうかで、ドル売り圧力が強まれば、C(151.90-140.24-145.97)61.8%の138.76前後を狙いに来るかもしれない。


※チャート・表などは筆者作成
情報・目標数値など、随時X(旧Twitter)で公開。
前回分はこちら
20240109執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保
 


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