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ドル円、9月米PPI(卸売物価指数)予想上振れで149円台回復。


【10/11相場概況】

東京時間、ドル円は、時間外の米10年債利回りの低下を受け148.42円まで下落となるが、その後、本邦実需勢の買いが断続的に観測され、日経平均や中国・香港株などの上昇もあり148.97円まで上昇。欧州時間、「中東情勢を巡る地政学リスクの高まりから、米国債にリスク回避目的の買いが観測された」との報道もあり、米10年債利回りが低下すると、ドル円は148.57円まで下落。NY時間、9月米PPI(米卸売物価指数)が総合・コアともに予想を上振れると、米10年債利回りが低下幅を縮小させ、ドル円は149.32円まで上昇。

【10/12相場観】

昨日の米PPIは予想上振れ。本日の米CPI(消費者物価指数)はFRBがFOMC(10/31・11/1)で、金利を引き上げるか据え置きにするかを決定する最大要因の一つである。現時点での9月消費者物価指数(前月比)は、前回0.6%に対し予想は0.3%、(前年同月比)は、前回3.7%に対し予想は3.6%となっており、前回と比べるとやや低下となっている。経済の流れを考えると、「川上がPPIで、川下がCPI」になるので卸売物価が上がると必然的に消費物価も上がってくる。仮にCPIが予想上振れの場合、米金融引締め長期化懸念が高まり、ドル円は一段高となる。しかし、予想通り若しくは予想下振れとなれば、ドル円は大きく下振れる可能性もある。ドル円の今の水準を考えるとフライングする必要はなく、結果が出てから流れに乗っても遅くはないのではないか。
 
日足一目均衡表では、「三役好転」継続。昨日遅行線が26期間前チャートに接近と解説したが、昨日の上昇で、やや回復。しかし、149円台後半から150円の壁を上抜けてはいないので、このまま横ばいが続くと26期間チャートとクロス(逆転)となる。現在値は、転換線を上回っているが、完全に上抜けたようには見えない。総合的に判断すると、「高値で揉みあい」という感じである。このような状況で、大きな陰線が発生すると、トレンド転換につながるかもしれない。

昨日PPIが予想上振れなので、本日のCPIが予想上振れと想定し、上昇目途をフィボナッチエクスパンションで計測。(ちなみに、エクスパンションとは拡張という意味で、値段の振幅から増幅した波形をフィボナッチ数列で計算したものである。)
計測値は、A=127.21-137.91-129.63・B=129.63-145.07-137.23・C=137.23-147.37-144.43・D=144.43-147.87-145.89。大きな節目は150円と10/3の高値150.16円となるが上抜けた場合、第一目標がD161.8%の151.45円で、次がB100%の152.67円となる。

情報・目標値段など、随時X(旧Twitter)で公開。
前回分はこちら
20231012執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保


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