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日経電子版「日銀がYCCの修正案を議論」報道でドル円急落。


【7/27相場概況】

ドル円は140.23円で始まると、東京時間、仲値で本邦実需の売り観測から139.38円まで下落。その後、日経平均の堅調を受け140.20円前後まで買い戻された。欧州時間、ECBは0.25%の利上げを決定。9月以降の金融政策方針について「金利据え置きもあり得る」と述べ、データ次第の姿勢を強調。ユーロ売り・ドル買いの流れから、ドル円は買いが先行。NY時間、4-6月期米国内総生産(GDP)速報値・前週分の米新規失業保険申請件数・6月米耐久財受注額・6月米住宅販売保留指数が予想を上回る強い数値となると、ドル円は141.31円まで上昇。しかし、その後、日経新聞電子版が「日銀は28日まで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」と報じると、ドル円は138.76円まで急落。

【7/28相場観】

昨日は、かなりの乱高下。深夜に日経新聞によるYCC修正案議論報道は、ドル円の買い手側の投げ売りを誘ったようだ。筆者としては、今年2/6の「日銀総裁人事の日経新聞報道」の記憶があり、若干懐疑的である。しかし、日経新聞の報道とは関係なく、YCC修正の可能性は想定内なので、正式発表まで先走る必要はない。ワンテンポ遅らせてからの仕掛けで十分間に合うとみている。
 
日足一目均衡表では、③ローソク足が雲に深く突入。本日の雲下限137.94円を割り込むと③が逆転し、「三役逆転」となる。さらに7/14の安値137.23円を割り込むようだと下降トレンドと判断する。
 
昨日の安値138.76円は、137.23円-141.95円に対し、61.8%(139.03円)を突破したレベルとなっており、売りの達成感が出てもおかしくない。
 
11時頃には日銀金融政策決定会合の発表があるが、植田日銀総裁の記者会見までは、様子見が賢明なのかもしれない。

情報・目標値段など、随時Twitter(https://twitter.com/eva_endo)で公開。
前回分はこちら
20230728執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保

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