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ドル円、米雇用統計で下落後、好調ISM製造業景況指数で反発。


【9/1相場概況】

東京時間、ドル円は本邦実需の買い観測で145.76円まで上昇となるが、「中国人民銀行(PBOC)が外貨預金準備率を6%から4%へ2%引き下げる」と伝わると人民元高・ドル安となり失速。欧州時間、米国雇用統計を控えドル円は145円台半ばで小動き。NY時間、8月米雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が18.7万人と予想の17.0万人を上振れたが、6・7月分の数値が下方修正。また、失業率は3.8%と予想以上に悪化(昨年2月以来の高水準)。平均時給は前月0.2%と予想を下振れ。FRBによる追加利上げ観測後退となり、米長期金利の低下とともにドル円は144.43円まで下落。しかし、その後発表の8月米製造業PMI改定値・8月米ISM製造業景況指数・7月米建設支出が軒並み予想を上振れると、米長期金利の上昇とともに、ドル円は146.29円まで反発。

【9/4相場観】

米雇用統計は、NFPの予想こそ上振れとなったが、6月・7月の数値が下方修正。失業率の悪化から、利上げ観測が後退し144.43円まで下落。しかし、ISM製造業景況指数などの経済指標が強く、昨年来の米国の急激な利上げにも拘わらず底堅い米国経済が改めて意識され、ドル円は反発したと推測する。あとは、9/13の米国CPIが注目となる。雇用指数と同時に、インフレ指数が低下となれば、ドル円の上値余地は限られるかもしれない。

 
日足一目均衡表では、「三役好転」継続。基準線が上昇し転換線との乖離が縮小。まだ逆転する程の状況ではないが、今後の基準線の推移に注目したい。9/13の雲のネジレまで、雲の層が薄い。売り買いのバランスが拮抗しているので、上下のブレに警戒。
 
下押しをフィボナッチで計測。先週末の安値144.43円で、サポートレベル①145.07-144.97を割り込んだが、そこから追随する売りはなく146円台に反発し下髭を形成。まだ天井形成の波形ではないとみるが、高水準ではあると思われるので、リスクシナリオとして、②142.13-141.98・③139.47-139.27・④137.91-136.97レベル(200SMA前後)は認識しておきたい。

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20230904執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保


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