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パウエルFRB議長講演受け、ドル円149.96円まで上昇。


【10/19相場概況】

東京時間、ドル円は日本の9月貿易統計が予想外の黒字となったことで149.66円まで下押しとなるが、本邦実需の買い観測もあり、149.60円台から149.80円台の揉みあい。欧州時間、ドル円は149円台後半で小動き。NY時間、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演で、「リスクや累積利上げを踏まえ、FOMCは進んでいる」「地政学的緊張は非常に高まっており、主要なリスクに」「インフレは依然として高すぎる、さらなる進展が必要」などと述べると、ドル円は149.93円まで上昇。その後、米10年債利回りの低下を受けドル円は149.68円近辺まで失速。その後、パウエルFRB議長の質疑応答で「金利の高さ、期間が十分でない可能性がある」「現在の政策が引き締め過ぎでないことは明らか」と述べると、ドル円は買い戻され、「利回りの上昇は利上げの必要性低下を意味し得る」との発言で下押しとなった。

【10/20相場観】

昨日のパウエルFRB議長講演では、質疑応答で為替・債券・米株が激しく上下したが、為替にとっては総じてタカ派的ととらえられたようだ。これだけの上攻めなので150円到達は時間の問題とみる。注目は150円を超えたところでの政府・日銀がどのように円安牽制を仕掛けるかである。日銀金融政策決定会合(10/30-31)まで時間があるが、緩い牽制内容の場合は、一気に151円台までの反発があっても不思議ではない。ただ、レートチェックや実際に円買い介入が行われると、数日間ドル円は急落となりそうなので、慎重に対応したい。
 
テクニカル的には、150円を水平線にしたアセンディングトライアングル(上方三角形)形成にみえる。このパターンは、水平線150円を超えると上に跳ねるパターンである。日足一目均衡表では、「三役好転」継続で上値方向を示唆。レンジが継続しているため転換線と基準線が更に接近しているのが気になる。テクニカル的見解では買い方針となる。

ドル円上振れの可能性が高いと見るが、週末という事もあり「リスクシナリオ」(想定外予想)として、フィボナッチリトレースメントで下値目途を計測。大きな抵抗帯が2つある(①②)とみており、①が6/30の高値145.07円と9/1の安値144.43円。144.43円-150.16円の波形から押しどころを計測すると、押し38.2%が147.97円・50.0%が147.29円・61.8%が146.61円となる。円買い介入が入った場合、一瞬で5円超の下落もあるので、焦らないように参考にしてほしい。

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20231020執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保

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