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ドル円は、金融システム不安で軟調となる中、米地銀支援報道を好感し反発。

【3/16相場概況】

東京時間、ドル円は、欧米の金融システム不安によるリスク回避の円買いで、132.50円近辺まで下落となるが、クレディ・スイスがスイス中銀から最大500億スイスフランの資金を調達するオプションを行使する意向とのニュースを受け、133.50円近辺まで上昇。欧州時間、ドル円は米中長期金利の上昇を受け133円前半中心に堅調。NY時間、ECBが欧米の金融機関の経営不安が高まる中、0.50%の利上げに踏み切ると、米長期金利が低下し、ドル円は131.71円まで下落。その後、「JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーなど大手銀行は経営危機に陥っている米地銀ファースト・リパブリック・バンクへの支援策を検討。資本注入が含まれる可能性もある」「複数の銀行がファースト・リパブリックに約300億ドルを支援する」など、米地銀に対する支援報道が出ると、NYダウ平均が反発。米10年債利回りの上昇などもあり、ドル円は133.82円まで反発。

【3/17相場観】

ECBが0.50%の利上げを決定。金融不安よりインフレ抑制に舵を切った。これで来週のFOMCにおける、利上げ見送り感が後退するかもしれない。懸念点としては、欧米の金融システム不安が落ち着くかである。2008年のリーマンショック時との違いは、情報の速さであり、ネット決済の普及による出金の早さである。週末にネガティブ要因が出れば、直ぐに預金を移動できるご時世なので要警戒。
 
日足一目均衡表では、昨日時点で「三役好転」が解消となったが、本日現在で雲上限が132.69と下がっており、「三役好転」回復。フィボナッチ計測では、昨日安値131.71が127.21-137.91に対し61.8%押し(131.29円)手前まで下落となっており、133円台回復と言っても反転の決定打とは考えにくい。FOMCまでは、神経質な展開が続きそうだ。
 
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20230317執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保

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