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植田日銀総裁改めて金融緩和を表明、ドル円149.99円まで上昇。


【10/20相場概況】

東京時間、鈴木財務相による「為替相場は金利も含め様々な要因を背景に変動」「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」との円安牽制発言があったが、ドル円大きな反応はなく149円台後半で小動き。欧州時間、植田日銀総裁が国内経済や物価について「不確実性は極めて高い」として、「粘り強く金融緩和を継続していく」との方針を改めて表明するとドル円は149.99円まで上昇。その後、150円手前で政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり149.61円まで下落となるが、直ぐに149.90円台まで買い戻された。NY時間は、ドル円は149円台後半で小動き。

【10/23相場観】

円安牽制発言に量的緩和継続表明と、政府・日銀は、金融政策において相反するアクションをとっているように感じる。これら運用が苦し紛れではなく、意図的なオペレーションであることを祈るばかりである。また、日本経済新聞の22日付朝刊が、日銀内でYCC(イールドカーブコントロール:長短金利操作)の再修正論が浮上していると報じられたが、最近、土日の日経新聞におけるリークがらみの記事には、ハラハラさせられる。今のところ日経記事による大きな反応はないが、10/30-31の日銀金融政策決定会合は要注意かもしれない。
 
日足一目均衡表では、「三役好転」継続で上値方向を示唆。テクニカル的には、先週から解説している150円を水平線(レジスタンスライン)としたアセンディングトライアングル(上方三角形)形成中、150円を突破してこそ上昇のパターンであるが、なかなか150円を突破しない。150円超には、かなりの売り圧力があるようだ。上昇パターンであるのに上抜けない場合は、下振れも警戒しなくてはいけないので、変調の兆しを見逃さないようにしたい。

今のところ、ドル円上昇トレンドに、変調の兆しがなく、上値目途をフィボナッチエクスパンション(上昇拡張)で計測。昨年10月の高値151.94円が視野に入る中、150円や150.16円(10/3高値)を超えると、C=137.23-147.37-144.43の61.8%である150.69円が第一目標で、そこを超えるとD=144.43-147.87-145.89の161.8%である151.45円が第二目標となる。

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20231023執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保


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