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ドル円、2022年の振り返りと2023年は

こんにちは、FXエバンジェリストの遠藤です。

今年も残すところ3営業日となりました。激動の2022年は過去にないハイボラティリティーな年となりました。そこで、2022年中心に振り返ってみたいと思います。

2020年~


2020年といえば、トランプ米大統領による米中対立が激化する中、20年3月には、新型コロナウィルス(パンデミック)が世界経済に大打撃を与えます。そして2020年11月の米大統領中間選挙で、トランプ氏が敗れバイデン米大統領が就任することになります。

2021年~


2021年に入り、バイデン米大統領になったことで、米中対立が、少し和らぐのではという思惑が先行します。そして、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞に対して、世界各国中銀が行ってきた金融緩和を引締め方向に舵を切り始めます。


2022年~


2022年に入ると、2月にロシアがウクライナへ侵攻します。ロシアやウクライナは世界屈指の穀倉地帯であったことや有事による原油高騰などで、世界的にインフレが進むこととなります。インフレに対する処方箋は金融引締めとなることから米国を中心に量的緩和の縮小や金利引き上げに拍車がかかります。春先以降米国の消費者物価指数(CPI)が急上昇し、インフレが止まらなくなります。米国雇用状況も改善され、そして、米国の更なる利上げ観測から、ドル高が進行。ドル円も10月に151.94円と32年振りの上昇となります。米国は12月には年初の0.25%から4.5%と1年で4.25%の利上げとなりました。この世界的インフレは当然日本経済にも打撃を与えます。しかも輸入大国である日本において32年振りの円安は輸入する原材料が2倍以上になるものが出てくるなど、実際の販売商品も値上げラッシュとなります。そして、日銀は9月に24年振りの円買い介入を実施しますが、上昇の流れは止まらず10月に151.94円まで上昇となります。そして、同日日銀は再度円買い介入に踏み切ります。151円台後半のドル円は、日銀の円買い介入で145円台まで急落となりました。11月には、米国消費者物価指数が低下したことで、米国の利上げペースが鈍化するのではとの観測から急激なドル売りとなりドル円は、137円台まで急落となりました。そして12月、年末に向け落ち着くかと思われたドル円ですが、最後に日銀がサプライズを起こします。先進各国が金融引き締めに向かう中、日銀だけが、金融の量的緩和政策継続を貫いていたのですが、12/20の日銀金融政策決定会合で、YCCコントロールの許容幅を拡大することを決定します。この措置に対し、黒田日銀総裁は金融緩和の出口戦略が始まったのではないと繰り返しコメントしていますが、世界的にも「実質的な利上げ」であると判断され、137円台のドル円は130円台まで下落となりました。


2023年に向けて


2022年は激動となったことで、2023年を予測するのはとても難しいですが、現材料で判断すると130円を中心に120円-140円での推移と予測します。

テクニカルから判断すると、ドル円上昇の起点となったのが2021年の安値102.59円と考えており、そこから2022年10月に151.94円まで49.35円の上昇となっています。この上昇幅に対し、フィボナッチリトレースメントで、押しの目途が38.2%で133.08円(ここはすでに割り込み)・50.0%が127.26円・61.8%が121.44円となります。ドル円は長期のトレンドで、フィボナッチ50%で反転するケースが多いため、127円台まで下落してもおかしくないと思います。もし、オーバーシュートしても120円台が目いっぱいと考えます
上昇トレンドが終了したからといって、振出しまで戻るということはないのではと予測します。

ファンダメンタル的には、米国の利上げペースは鈍化しそうですが、注目は黒田日銀総裁の任期が23年4月8日となっており、23年の日銀金融政策で金融緩和をさらに調節するのかにかかっていると思います。2012年に始まったアベノミクスによる異次元の量的緩和が、ちょうど10年で終焉となります。しかし、ここから先、利上げとなると現在の日本経済では、多くの企業倒産や失業など、想像できないほどの経済ダメージで大不況に突入すると考えております。それを岸田政権で2023年に実施する確率は低いと考えますので、ドル円がクラッシュする程の円高はないと予想します。

過去日銀が政策金利を上げたのが5回となります。
1973年(第一次オイルショック)
1979年(第二次オイルショック)
1989年(平成バブル時)
2000年(ITバブル時)
2006年(サブプライムショック前)
もし、6回目の政策金利利上げとなれば、急激な円高の可能性があります。

相場全般に、あまり長期な予測は信ぴょう性が低いと考えておりますので、節々で目先の予測をTwitterかnoteに寄稿していきます。
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