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パウエルFRB議長ハト派発言で、米金融引締め長期化観測後退。


【7/26相場概況】

ドル円は140.89円で始まると、東京時間、時間外の米10年債利回りの上昇を受け、一時141.18円まで上昇となるが、その後FOMCを控え141円を挟む小動き。欧州時間、FOMCを控えたポジション調整や欧米株価指数の下落を受けたリスク回避の円買いが先行し、ドル円は140.16円まで下落。NY時間、FRBはFOMCで0.25%の利上げを決定。声明文は、「追加の情報と金融政策への意味を引き続き評価する」「徐々にインフレ率を2%に戻すために適切とみられる追加的な金融政策の引き締めの程度を決めるに当たり、金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅れ、および経済と金融の動向を考慮する」と前回会合の表現を踏襲。パウエルFRB議長の記者会見では、「将来の利上げについてはデータを重視したアプローチをとる」「9月利上げはデータ次第」「今後も会議ごとに決定を下していく」と発言。米金融引締め長期化観測が後退しドル円は139.92円まで下落。

【7/27相場観】

FOMCでは、サプライズ感はなかった。パウエルFRB議長発言は、年内の利上げはデータ次第と匂わせたが、利上げ打ち止め感から米金融引締め長期化観測が後退。ハト派ととらえられ、ドル円は140円を割り込んだ。本日ECB理事会はあるが、明日の日銀金融政策決定会合に意識が移った。日銀の金融政策は据え置きとのコンセンサスだが、YCCの調整など、変化があるとみているアナリストも結構いる。日銀展望レポートの発表と植田日銀総裁の記者会見までは、痺れる展開が続きそうだ。
 
日足一目均衡表では、③ローソク足が雲に突入し、好転が解消。①転換線<基準線→逆転・②遅行線<26期間前ローソク→逆転となっていることを考慮すると、トレンドは下向き。昨日の安値139.92円は、フィボナッチ計測で137.23円-141.95円に対し、38.2%(140.14円)を割り込んだレベルである。目先は139.59円(50.0%)・139.03円(61.8%)がポイントとなる。買いで攻めるなら140円割れとなるが、139円を割り込むと完全に流れが下向きとなるので、撤退は早めに見切りをつけた方がよさそうだ。
 
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20230727執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保

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