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FOMC政策金利据置、パウエルFRB議長発言ややハト派。


【11/1相場概況】

東京時間、神田財務官が「一方的で急激な動きに懸念」「(為替介入)スタンバイです」等と発言すると政府・日銀による介入警戒感が高まり、ドル円は一時151.15円まで下落。しかし、日銀が臨時の指値オペを通知するとドル円は151.30円台に回復し、その後は151円台前半で膠着。欧州時間、FOMCを控えドル円は151円台前半で小動き。NY時間、10月ADP全米雇用報告・10月米ISM製造業景気指数が予想下振れとなり、米10年債利回りが低下すると、ドル円は151円を割り込み150.82円まで下落。米財務省が発表した四半期定例入札の規模が予想を下回ったことも金利低下につながった。FOMCは、市場予想通りFFレート誘導目標を5.25-5.50%に据え置きと発表。声明では「委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」との姿勢を維持。パウエルFRB議長の定例記者会見では、「政策スタンスは制限的、引き締めの完全な影響はまだ感じられない」「これまでの進展を考慮し、FOMCは慎重に進んでいる」「FOMCは次回会合の行動についてまだ決定していない」「(利上げ)サイクルの終わりに近づいている」などと発言。ドル円は売りで反応し150.66円まで下落。

【11/2相場観】

パウエルFRB議長発言は想定程タカ派ではなく、ややハト派と解釈されたようだ。今回利上げを見送ったことで、次回も据え置きとなると「利上げサイクルの終わり」となるかもしれない。ただ、直ぐに利下げサイクルに入るという考えは早すぎると思っている。理由としては、現在のインフレは粘着性が高く長引きそうである事や高金利でも米経済にリセッションが発生していない事などである。
あとは、週末の米国雇用統計であるが、NFP(非農業部門雇用者数)は前回33.6万人増に対し予想が18.3万人増と雇用の過熱感後退となっているが、ADPやJOLTSがマチマチな結果となっていることから、予想と乖離する可能性もあり気を付けたい。
 
日足一目均衡表では、「三役好転」継続。転換線・基準線は横ばい。昨日の下落で遅行線が26期間前チャートに接近しており、150円を割り込むと逆転の可能性がある。しかし、日米金利差を考えると、ドル買い需要があると思われるので、上昇基調に変化が出る程の下落はないと予想する。

151.72円到達後、下落となっているが上昇基調は変わらずと見ているので、上値目途をフィボナッチエクスパンションで計測更新。計測値はA=127.21-137.91-129.63・B=129.63-145.07-137.23・C=137.23-147.37-144.43。第一目標は昨年10/21の高値151.94。第二目標はBの100%である152.67。

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20231102執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保

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