ドイツ@Sars-CoV-2 コロナウィルスアップデート(37) 2020/4/30(和訳)

話 ベルリンシャリテ ウィルス学教授、クリスティアン・ドロステン
聞き手 コリーナ・ヘニッヒ

2020/4/30

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もっと検査をしなければいけない。全ての呼吸器感染症で検査が行われるのが理想的だ、とロベルト・コッホ研究所は意向を示しています。同時に、まだ検査能力は限界に達していない、との報告もあります。 政治的には、多くの決断が発表されるものの、漠然としていることは否めません。 完治した人に渡される抗体証明書などもその一部です。この問題点については前回もとりあげました。もちろん、学校や幼稚園はどうなるのか、ということも大まかな方向性はでてきたものの、まだまだはっきりとした時期的なプランはでていませんし、基礎方針もできていません。引き続き、子供のテーマについて話いあいたく思います。それについては、まだ論文などのデータがなく、矛盾点も多いのです。しかし、数点の新しい情報について、今日も、ウィルス学教授、クリスティアン・ドロステン氏にお話を伺います。聞き手は、コリーナ・ヘニッヒです。

前回、子供についての疑問点、どうして症状が大人と違うにも関わらず、同じような確率で感染するかもしれないのか、ということの解明の困難さについては、詳しくお話を伺いましたが、ウィルスの量も少ないのか、同じなのか、感染性はどうなのか。学校や幼稚園は閉鎖している限り、子供達の感染の可能性がなく、調査することもできないからです。 参考になるデータはないのでしょうか? 例えば、スウェーデンなどでは、学校や保育施設は引き続き開いていますが、そこでなど、リアルなデータがありそうなものですが

スウェーデンのデータはみたことがありません。 かなりの感染者数なのにもかかわらず、まだ学校や保育施設が閉まっていない事には驚いていますが、たしかに、この稀有な状況での調査ができると思うのです。ドイツでは、学校も保育施設も閉鎖されていますから、不可能です。ここ数週間は、家庭内感染しかおこらない状態ですから。全員が接触制限を守っているとすれば

では、スウェーデンから、保育施設での感染爆発や感染連鎖の報告はないのですね

今のところ、報告はありません。 スウェーデンの研究チームが調査をすすめていいるのではないか、とは思います。しかし、公開された論文などはまだみたことがありません。

では、これ以上掘り下げることはしませんが、、、前回、お約束いただいたように、最新の情報を持って来てくださったようです。シャリテでの研究、子供と大人の喉のウィルス濃度の比較、年齢別の比較、です。 ベルリン市内の6万人検査されたなかから、6%陽性診断をされた患者のデータの年齢別分析ですが、どのような結果がでましたか。

まず、、、言っておかなければいけないのは、、、これは、子供から、と子供への感染経路を調べる通常の研究方式ではない、ということです。このようなデータ分析は、どちらかというと、ラボでのデータ分析であって、間接的に参考にする位置付けです。この論文からは、子供がこのくらい感染する確率がある、このくらいの割合で周りに感染させる、という断定はできません。 これは、緊急解決案であって、前回もお話しましたが、今、必要なデータを接触制限下では集めることができないのです。 学校と保育施設のデータは全く集まりません。閉鎖していますから。 保育施設の緊急託児は、ありますが、人数が足りません。しかも、預けられる子供が頻繁に入れ替わったり、、、と状況も普段とは違います。 家庭内でも、2つ問題点があります。 今、学校や保育施設に行っていない子供がどこからウィルスを家に持って帰るか、ということです。家族内では子供は隔離されていて、外との接触もありませんから、外から家庭に持ち帰る、ということもないのです。 もう一つは、ドイツは他のヨーロッパの国々と同じように、パンデミックの初期の段階です。外から国内へウィルスが持ち込まれましたが、持ち込んだのは観光から帰ってきた人たちと仕事で出張に行っていた人たちです。この年齢層は、同年代の交流、家族以外の同年代の交流が多い。他のところの子供や、おじいちゃん、おばあちゃんとの交流はほとんどなく、職場の同僚や、同年代の友人達、です。 ですから、家庭にウィルスを持ち込んだ場合、感染源はこの同年代のグループなのです。これが、調査データを偏らせてしまいます。 その点についてはここでもお話しましたし、同僚とも、今の状況でこのような調査をすることの困難さを確認していました。やらないほうが良い、と言っているのではありません。しかし、問題の解決には違う方法が必要だ、ということ。 そこで、陽性患者の喉のウィルス濃度を測ることにしたのです。この興味深いところは、ある一定のウィルス濃度になった際に感染し、ウィルスを放出することがわかっているからです。
これで条件は整いましたが、まずは、大人や子供の喉からウィルスは放出されるのか、ということです。 これは、事実で、相関関係にある、と思われます。 では、次に検討する点は、この分析をする意味はあるのか。 その次に、子供は無症状か大変軽症ですが、様々な理由から検査がほとんどされません。 理由の一つは、通常の検査は症状がある場合にされる、ということ。過去のデータを使って分析する、ということは、そのように症状があって検査された患者のデータ、ということですから、そこには子供のデータはあまりないだろう、ということ。 子供にはほとんど症状がでませんから、ラボで検査されることは稀なのです。
さて、ここベルリンでは、2月中旬から3月下旬まで、テスト会場をシャリテ内に設けていました。

中央検査センターですね

そうです。ここでは、診療所や病院の救急に行くよりも気軽に検査がしてもらえたのですが、もし、そこに検査をしに行く時に子供を連れていくでしょうか。子供には症状はありません。 そして、待合室にはたくさんの感染の疑いがある人がいるのです。そのようなところに自分の子供は連れていきません。

感染してしまったら困ります。

そうです。このような要因から、普通のラボには、そこまで子供のデータがないのです。規模的には、3月頭から多くのラボで検査がはじめられて、、場所によっては、2月中旬から3月はじめ、でしょうか。そのあたりからはじまりましたが、1万〜2万人くらい検査したと思います。このなかで、5〜7%くらいが陽性でした。 そのなかで、子供は一握りです。 そのようなことから、多くのラボでは分析する意味がないのです。

しかし、今、証拠を集めているのですよね? そして、子供のデータも分析できた、と

そうです。 どうして、今の時点でこのデータをだしてきた、ということを、説明したくてここまでお話しましたが、、、ちょっと、前置きが長くなりすぎてしまいました。 私たちの研究所、ラボ・ベルリンは、大きな中央研究所です。たぶん、ヨーロッパで最大の病床数を持つラボだと思います。そして、テストセンターもあります。今は他のラボの協力もありますので、どのくらいの検査規模になっているのか、私自身が把握していなかったのです。 正確にいうと、数の把握はしていましたが、子供のデータ分析に十分な量がある、ということまでは把握していなかったのです。 今週の月曜日に、この間のポッドキャストの日、ですね、そこで、いやいや、ここを確認しないとダメだろ、と思い立ち、至急に始めたのです。収録の後で、スタッフに全てのデータを用意することを指示しました。私は、研究所の数学者、テリー・ジョーンズと一緒に火曜日の午後と水曜日を使ってその計算をし、水曜日の午後に、原稿を書き終えこれを発表しました。シャリテのHP上ですが、これは正式な学術的原稿です。 晩に英語で告知ツイッターして、世界中の学者が読んで意見を述べることができるようにしたのです。数時間で書き上げられましたが、分析、結果などのラボ側の数値は、正確な統計分析です。 大人と比べてのウィルス濃度は調べることはできませんでしたが、分析結果をみてみると、少しだけ子供のほうがウィルスの量が少ない印象をうけます。平均値を表でみてみても、、、ここでは詳細は割愛しますが、子供は平均的に、ウィルス負荷が少ない。しかしこれも、信頼区間で大きくなります。

信頼区間、とはなんでしょうか

結局、ばらつきの範囲のことです。データの領域でばらつきを計算し、測定の不確かな部分、各データの分布とデータ領域、でみると、95%のデータ範囲、信頼がおける範囲、と言えるでしょうか。確かな、平均値である、ということです。 様々な年代別に分析しました。10歳まで、20歳まで、30歳まで、といった感じで。 違う分析では、幼稚園児と保育園児、就学前の子供達、小学生、中高生、大学生、中高年、この年代では子供が成人して家にいない世代、に分けて、これを全て分析しました。 重要な点は、ここでは、年代別の違いは見らなかった、ということです。この結果が学術的に公開されています。

子供の年代別でも、でしょうか? 例えば、幼稚園児と小学校の高学年を比較しても

決定的な違いはありません。小さな違いの解釈をしようと思えばできますが。これも、本来ならば、統計的にはこの10倍の子供のデータが必要ですが、、それが、現時点ではありません。

どのくらいの人数の分析だったのですが? まだ教えていただいてなかったと思うのですが。

分析カテゴリーでそれぞれ違いますが、、、例えば、49人陽性患者の10歳未満の子供のウィルス濃度を分析しました。20歳未満は、もうほとんど大人ですが、、

青少年、ですね

青少年では78名。 ここはそこまで少なくはありません。0歳〜6歳は、37名、7歳〜11歳は、16名、これは、小さいグループでした。中高生は、74名。 大学生267名。成人で45歳までは1247名。 45歳以上は、2000名以上。 聞いてる皆さんに理解していただきたいのは、このような規模の陽性データをもつラボは、少なくとも6万件以上の検査をしていなければいけない、ということです。 これは、莫大な数です。 この論文では、3712件の陽性データを分析しました。

子供のデータ分析は、、とても、手間もかかり困難な作業だったのですね

そうです。陽性が確認された子供を探すが一苦労でしたから。この結果から、違う発見もできるかもしれません。この、陽性の子供がなかなかみつからない、というのは、偶然ではないのかもしれない。はじめにも言いましたが、子供が検査に来ない理由はあります。 感染の危険があるところには連れて行きたくない、というのと、症状がない、ということ。 症状がないと検査しませんから。

子供に症状が出るのは稀、ということが言えるでしょうか。

そうですね、稀です。症状があることも勿論あるのです。ここの分析には症状がある子供のデータが主ですが、なかには無症状の子供もはいっています。子供にも、大人の場合と同じように症状がある場合と無症状の場合があるのです。しかし、症状があるほうが多数です。

しかし、子供の無症状の割合が、大人よりも高い、ということであれば、この分析結果はそのまま参考にはできないのではないでしょうか。全体の状況的にはどうでしょうか

データは慎重に、客観的にみていかなければいけません。先ほどの指摘は正しくて、症状と無症状の関係は変数なのではないか。年代間でもそうかもしれません。 症状がある患者のほうが、無症状よりも、ウィルス濃度が高いのか。そのような疑問もでますが、通常は、発症している場合は、常にウィルスの数も多い

それは、わかっていることでしょうか

子供で確かめました。他のグループでは困難でしたのでしませんでしたが、ラボの検査データのみではなく、どのような患者なのか。診断内容を、カルテでみていきました。 これはもちろん、シャリテの患者でしかできないことです。 シャリテ以外の患者のデータは匿名データです。名前すらわかりません。 子供の場合だけ、例外的な分析を行うことが許可されました。重要な調査でしたので。 幼稚園と学校ではどうなのか? 子供はウィルスを放出するのか? ここが知りたかったのです。 そこで、詳しいデータがとれる別のグループを使って調査したところ、、、意外な結果、、私にとっては意外ではなかったのですが、、普通に考えると意外な、、つまり、症状があって病院で検査をうけた陽性患者の喉のウィルス濃度のほうが、家庭内接触調査で陽性確認された無症状の子供のウィルス濃度よりも、、、、少なかったのです。 ですので、この疑念、症状がある子供達しか調べていないのでは参考にならない、という点では、まさに、反対の結果がでたのです。 病気の子供のほうが、健康(無症状)の子供よりウィルス濃度が低い。どうしてそうなのか、という説明はつきます。私たちがもうわかっているように、発病2週間目には喉のウィルスの数は少ない、もしくは全くいません。 症状がでてから検査に来るひとは発病から数日たってるわけなので、ウィルスの量的には下降にむかっています。

病症が進行している、ということですね。 ものすごく速く仕上げられた論文ですが、そのなかにかなりはっきりとした結論が断言されています。 保育施設と学校の完全な再開には注意が必要なこと。まだ、警告解除ができるデータはない、と。もう一つの質問は、どのくらいのウィルスが喉にあるのか、ということだけではなく、どくらいの確率で子供同士が感染しあうのか、ということで、これについての上海の論文がサイエンスに掲載されました。

そうです。その前に私たちの研究の話を締めくくると、、、論文の最後の文は、„Children may be as infectious as adults“.です。

大人と同じ感染力 

また新聞では切り取られて報道されていました。ドイツの新聞に、「子供の感染力は大人と同じ、と論文発表」

原文には、may be、となってますよね

そうです。そして、この文のこの部分を強調して言いたいのは、そうだろう、ということです。そうであるだろう、なぜならば、大人と同じ量のウィルス濃度、違いがない量を子供が持っているからです。正確に言うと、統計的に違いがない。もっとみていかなければいけませんが、生きているウィルスを隔離したところ、相関することがわかっています。時間的に相関する。1週間目には、、、アメリカの論文にもありますが、(生きた)ウィルスを隔離できますが、その後は難しくなります。これは、疫学的に反映された感染期間、ここでもお話しましたが、感染力は4日後に急激に落ち、1週間後にはなくなります。 これは、私たちの研究でも一致していて、数多くの論文をみても、一つの証拠として動かないものと考えます。 子供も大人と同じでしょう。そうであろう、と思われます。 質問は、子供が大人と同じ量のウィルスを放出するかどうか、同じように感染するか、でした。 それについての新しい良い論文がありますので、最後の10分間でお話したいと思います。前もって言うと、、この論文については以前にプレプリントだった段階でお話しています。それが、今、きちんとした論文としてランセット誌で発表されました。 査読をクリアして、科学的に認定されたものです。そこでは、世帯内調査、1200〜1300件だったと思います、正確な数は忘れましたが、感染者がいる世帯内での子供の確率は大人と同じでした。大人と同じ、12〜15%の子供が感染します。 そして、また新しい論文が、上海と武漢からでています。 基本的には同じ内容ですが、そこにダウンロードできる脚注があって、それを副論文、これは以前サイエンスに掲載されたものですが、、とともに読むことができます。ここでも内容の共通点は明確です。昨日、私たちが猛烈な速度で論文を書いていた最中に、さらに新しい論文が発表されていて、、、時間がなくて昨日は読めませんでしたが、こちらもとても興味深い内容です。ここの脚注にも似たような調査結果がのっています。少し違うデータと少し異なる結論ですが、基本的には似ています。ここでも、接触状態が調査されましたが、5名の、15歳以下、0〜15歳まで、15〜64歳、64歳以上の年金者、ハイリスクグループですが、そこのグループを調査しました。ここでは、PCRをつかって、何人感染しているか、を調べたのですが、子供で6、2%、大人で8、6%でした。因みに、高齢者は16、3%で高い確率はでています。目安にするには興味深い数値です。一人の世帯内感染者から、6、2%の確率で子供が感染し、8、6%の確率で大人が感染した。

そこまで、大きな差はありませんね。

ほとんど、かわりません。サイエンスに掲載された本体の論文で行われた調査は少し違います。ここでは、接触のパターンを、行動分析とアンケートによって調査されています。まずは、分析です。誰が、世帯内の誰と接触し、日常生活はどうなのか。どの年齢層が、どのくらい、誰と接触しているのか。同じ年齢層なのか、違う層なのか。掘り下げることはここではしませんが、、、言いたいことは、、、ここから、世帯内の接触状況をまた新しい視点で分析し、修正することが可能です。もし、子供の世帯内での罹患率が出た場合、感染しづらいからなのか、それとも、感染者が多い年代との接触が少ないからのか。つまり、感染の機会が少ないだけなのか。この辺りでの修正が可能になってきます。

今現時点では、子供は同年代との接触はないですよね

そうです。はっきりとしない点は、できるだけ統計から抜いて修正されています。今とても大切なテーマですので、サイエンスにも掲載されたのです。とても興味深いですが、このポッドキャストではさわりだけをまとめて紹介します、、0歳〜14歳までの子供の接触確率を修正して予測すると、、大人の約3分の1の感染確率になる計算です。大人と比べて、3分の1のリスク、というのは、ちょっと簡単にしすぎたかもしれませんが、、、それと同時に、65歳以上の年金生活者のリスクは、1、5倍です。

子供と比べるよりもはっきりしていますね

子供は、大人の3分の1のリスク、高齢者は、1、5倍のリスク。 これが正しければ、です。これは論文ですから。少し小さな欠点もあります。例えば、少し疑問を持つ点は、この世帯内のインデックスケースの年齢です。

第一感染者ですね

世帯内の第一感染者です。ここでは116名の成人が分析されました。19名が高齢者、子供は1名です。これでは、結果にブレがでる可能性が大きいでしょう。そして、数値が本当に正しいのか。まあ、そうだとしておきましょう。 はっきりしたことがわからない場合は、とりあえず、科学的に注意深く分析しながら、あるデータと結果を信じるしかありません。しかし、これは、私的には、、、これは、この論文を読んで以来の新しい仮説ですが、、子供は大人の3分の1の確率で感染する。 これがこの論文のメッセージで、私たちの論文では、そして、子供達が感染したら、大人と同じ量のウィルスを呼吸器内に持つだろう、ということ。 もし、子供が別の子供に感染させたとしたら、同じ量のウィルスを放出したとしても、感染確率は3分の1。 そうかもしれません。そのような可能性は十分考えられます。 そうだと良いな、とも思います。しかし、これも考慮なければいけないのは、保育施設や学校での子供同士の接触は、大人と比べて3倍くらいではないか、と。 そのようなこともきちんと考えた上で、日常の対策に反映させていかなければいけないのです。

この間もお話いただきましたが、無症状の子供はあまり咳をしない、と。しかし、自分の4歳の息子をみていると、、、一日中歌っています。喋る声もとても大きいですし、常に大声を出しながら走り回って息も荒いのです。

そのような行動の違いももちろんありますね。あと、もう一つ。 今、学校と幼稚園の話が頻繁に議論されていますが、とても興味深い、分析がサイエンスにのっています。ここでは、学校の閉鎖、休み中と通常時との比較を、パンデミックの前の段階の上海で調査されました。もし、学校を閉鎖して、、夏休みのような状態、つまり、学校だけなくて、その他の生活は通常に行われる、というシチュエーションです、部活や午後の行事もありません。

サッカーとかですね。

学校関連の活動です。学校の休み期間に何があるのか。どこが違うのか。もし、学校の休み中に感染のピークがきたとしたら。どんな影響があるのか。これを、接触データから割り出しています。結果は興味深いです。著者はここではっきりと言っていますが、、、、これによって、感染を止めることはできません。医療の負担のピークを、ブレーキがかかっていない拡大状態と比較して、64%に抑えることはできます。つまり、約3分の2までへの減少は、学校と学校関連の活動をやめることで減少は可能ですが、それだけでは足りない、ということがこの論文から読み取れます。 もう一つは、もし、基本再生産数が1、5だったとしたら、学校の閉鎖で感染を封じ込めることができる、ともありますが、残念ながら、今回の感染症の基本際生産数は1、5ではなくて、2、5辺りなのです。

再生産数は、簡単にいうと、感染させる確率ですね

そうです。

先生は、今日はあまりお時間がない、とのことですので、最後にもう一つ、このテーマについての質問を。 かなり前のポッドキャストで、妊婦と新生児のリスクについてお話いただいたことがありますが、最近、中国でうまれた新生児が陽性反応をしめしまたが、無症状だった、と。 今の時点でも、妊婦の特別なリスクない、という認識でよいのでしょうか?

科学的にはそのような認識です。 それを覆すような論文もデータも、ありません。インフルエンザでは、妊婦はハイリスクグループに属しますが、新型コロナはそうではない、というのが現時点での所見です。

今日もありがとうございました。このポッドキャストのために、様々な犠牲を払っていただいていることと思います。またよろしくお願いいたします。


ベルリンシャリテ
ウィルス研究所 教授 クリスチアン・ドロステン

https://virologie-ccm.charite.de/en/metas/person_detail/person/address_detail/drosten/


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