ドイツ@Sars-CoV-2 コロナウィルスアップデート 2020/4/1(和訳)

注 教授が病欠のため、ポッドキャストのスタッフによる座談会です。このポッドキャストが誕生した舞台裏ですが、内容は、抜粋しました。(編集者注)

聞き手 コリーナ・ヘニッヒ

2020/4/1

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26回目のコロナアップデートにようこそ、と言いたいところですが、、、これは、エイプリスフールではありません。ウィルス学教授、クリスティアン・ドロステン先生から今朝、声がでなくなった、との報告をうけました。 お電話でお話しをしたところ、声が完全に出ないわけではないものの、30分間しゃべるのは無理の状態でしたので、1日、お休みをしていただくことになりました。    
ご安心ください、新型コロナの感染ではありません! Sars-CoV-2の検査は陰性です。 服鼻炎、ということですので、明日は普通通りにお話しを伺えることと思います。

今日は、特別に、このポッドキャストの舞台裏のエピソードのご紹介をしたいと思います。 はじまりは、とても例外的なものでした、、、     今日はスタジオに3名のゲストを呼んでいます。 NDRのポッドキャストのアイデアと企画を担当している、ノルベルト・グンダイ と カタリーナ・マーゲンホルツ、NDRinfoのチーフダイレクターのアードリアン・フォイアーバッハー です。 

ノルベルト、あなたが、このポッドキャストのアイデアを持ってきたんでしたよね。 どういうきっかけで、ドロステン教授とコンタクトをとって、このようなポッドキャストをはじめようと思ったのですか?  少し、その時の様子を話してもらえますか?

ノルベルト: そうですね、、ドロステン教授をいろんな番組でみる機会があって、、、、すごく、興味深いな、と。 その時には、まだ、どこまで精通した専門家なのか、ということは知らなくて。 専門家は数多くいますからね。 重要なのは、その専門家が、その分野にどれだけ特化した深い見解を持っているか、ということなので、、、それから少しリサーチをしたのです。  そこで、、、まあ、皆さんももうご存知だとは思いますが、、ドロステン教授が、旧型Sarsウィルスを発見したチームにいたこと、そして、論文の数々をみて、、、これは、すごいぞ、ということになって。  そのうちに、この新型コロナの危機が始まって、、、まだ、その時点ではドイツではそこまで深刻な状態ではなかったのですが、このような緊急時に、本物の専門家、、、連邦政府や外務省、州内閣が意見を求め、サポートを依頼する、そんな専門家の見解を、国民全員が共有することができたら、素晴らしいことではないだろうか、と思うようになったのです。 行政の決断をする政治家達と同じ情報と知識をリアルタイムに共有する重要さ。 ここが、ポイントでした。     
そこで、ある日、、、、勇気を絞って、ドロステン教授にメールを書いたのです。 今日、ここに持ってきていますが、、、長いので全部は読みませんけれど、、、「もしかしたら、このようなご提案は不適切かもしれませんし、ご無理を承知の上でお伺いしますが、、アイデアとして、毎日のポッドキャストで、短く、現時点のCovid-19についてお話しいただく、ということは可能でしょうか、、、」  はじめは5分くらいを考えていたのですが、、、とにかく、丁重な文面でメールを送ったんです。  その数時間後に、返信があって、、、とても、くだけた文章で、短く、「良いアイデアですね。月曜日はじめましょう。とりいそぎ」  そこから、どのようなかたちでやっていくのがいいのか、、というのを、いろんな部署や同僚などと相談して、、、高速でこのポッドキャストがきまったのです。

この、とても気さくなお人柄は、毎日のポッドキャストでもうおなじみですが、、、はじめは、、正直いって、ちょっと面食らいました。 すぐ、引き受けていただけるとは思っていませんでしたし。  5分インタビュー、というのも、、、これは、はじめの頃のアイデアだったのです。笑  カタリーナ、 緊急にポッドキャスト準備をしなければいけなかったんですよね。

カタリーナ: そうなんです。 普通は、、このようなポッドキャストの準備には、少なくても数日かかるのですが、、、24時間で体制を整えました。

私も、、、普段はラジオの担当をしていますから、、、ポッドキャストの経験はなくて。 どんな感じになるか、というのは、全く想像ができなかったのです。 はじめは、5〜10分くらい、ということでしたが、、、蓋を開けてみると、、、初日のインタビューが30分。 長いな。30分、という長さは初回だけかな、、と思ったのですが、リスナーからは、このように、しっかりと丁寧に、今、私たちに必要な情報を提供してほしい、というフィードバックがきて。 そのまま、今に至ります。   全体の関係性を把握するには、短くしたり、要約したり、抜粋したり、、、という、メディアの情報提供にありがちなかたちではできないと思いますし、基本的な科学的な説明をした上で、どのような対策が必要か、という説明ができる場であるならば、というのが教授からのポッドキャスト出演の条件でもありましたので。

アードリアン、 リスナーなかには、どうして、ひとりの専門家だけの意見をきくのか。他の専門家の見解も聞いた方がいいのではないか、という意見もありますが、どうして、引き続き、ドロステン教授に絞って発信するのでしょうか。

アードリアン:   このポッドキャストは、NDRの一部、NDRinfoの数多くある番組のひとつです。 他の専門家についても報道しますし、意見を伺っています。 NDRの方針としては、偏りのない報道、というのを心がけています。   ここで、教授に見解を求める、頻繁に政治的な判断に関するテーマだと、教授的にはあまりはっきりとした発言はしたくない、と思っているかもしれませんが、それでも、意見を聞く。 学術的なことで、研究者の間でも意見が分かれるようなことでも、説明を求める。 これが重要です。 他の番組ではもちろん違い専門家の意見を聞きますし、ドロステン教授の発言しかとりあげない、ということは、今後もありえません。

私もインタビューをしていて思うのですが、、、ドロステン教授には、自分だけが真実だ、という姿勢は全くありませんし、他の人は違う意見だろうけど、、とか、これは、私の感じることなのですが、、、とか、それについては、いまのところ、何も言えません。わかりません、とはっきり仰ることも多いです。   数日前のポッドキャストでも話題になったように、、、、(有名になったことで)様々な障害も発生していますし、教授的にもかなり限界、、ぎりぎりのところだと思うのです。 リスナーからも、この番組が続くように、番組で(教授を)守ってください、 とお願いのメールがきます。

私たちは、、、毎日、ポッドキャストのために時間と労力をさいてくれている、ドロステン教授に大変感謝していますし、敬意を評したくおもっています。 このポッドキャストが大きな負担になるのではないか、、、という懸念はあります。 ですので、もし、、、毎日ではなく、2日に一度、という頻度になったとしても、、それは理解できます。

私も、教授に直接お伺いしました。 大丈夫ですか? 続けれますか? と。 いまのところ、イースターまでは、いままで通りにする、というお約束は頂いています。   ドロステン教授的には、続けていきたい、という気持ちが大きいですし、(この番組が)どれだけの意味を持つのか、ということもわかっていらっしゃいます。  そして、ご自分の知識を共有することに、大きな使命を感じていらっしゃいます。

教授が不在なこの場を借りて、もう一度、感謝の意を示したく思います。 私たちのために、たくさんの情報と知識を提供していただき、そのためにお時間と労力をとってくださり、ありがとうございます。 

また、明日、お話を聞けますように。 ひきつづきよろしくお願いいたします。

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