ドイツ@Sars-CoV-2 コロナウィルスアップデート(25) 2020/3/31和訳)

話 ベルリンチャリテ ウィルス学教授、クリスティアン・ドロステン 聞き手 コリーナ・ヘニッヒ

 2020/3/31

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報道でも、高齢者と介護施設での感染が増えている、と警告されています。 ドロステン教授も、感染者の年齢分布もズレてくるだろう、と予測しています。  それと同時に、全体の感染状態を把握するために、抗体検査の準備が高速で進められいるところです。   感染カーブを低くする、これを目標に様々な対策が実行されてきていますが、少しずつその成果がみえてきているように思います。 ポッドキャストを始めてから5週間目に入りますが、今日も、クリスティアン・ドロステン 教授にお話を伺います。 聞き手は、コリーナ・ヘニッヒです。

昨日、先生も調査に携わった、ドイツで一番初めの感染ケースとなるミュンヘンのケースについてお話しいただきましたが、そのなかで、疫学的にも意味のある数値が出てきました。 例えば、二次感染時のattack rate、感染者との接触によって感染する確率ですが、それが10%、ということですが、この数字は、どのような意味を持つのでしょうか。

10%は、家庭内での発病率で、そのほかの、職場やプライベートの接触といった、ハイリスク接触で、5%です。  15分間話をする、などですね。このなかでの確率は5%でした。  この感染がどの位の期間中におこったのか、などということを考慮して 日常生活に当てはめるために計算し直してみると、、、ミュンヘンケースは、観察臨床調査であると共に、保健省が介在した調査でした。 単に感染者間の感染状態を観察するだけではなく、感染者のリストつくって、在宅隔離し、そのコンタクトを徹底的に調査し、割り出していく。 そのような対策をとったために、感染率低く抑える事ができたのです。 
今回の感染症では、症状が出始める2日くらい前から人に伝染し、症状発現時から4〜5日後に感染力がなくなります。  この初めの感染リスクが大きい時期のコンタクトが、保健省の管理の在宅隔離によって防がれた。 ですので、ウィルスの感染力がある期間内では感染が広がらなかった。 このような調査の数値は、そのような事情も踏まえて、計算し直さなければいけません。  そのように、日常にあてはめると、、、感染者とハイリスク接触をした場合の感染率は、、、10〜12%くらいだと思われます。

ひとつ、私が興味を持った個所があったのですが、、、詳しく検証できた感染ケースに、社員食堂内で、二人が背中あわせに座っていて、一度だけ、塩を取ってもらって、感染した、というものですが、背中あわせにに座っているのであれば、息は反対側に行くと思うのですが、、、、これはどういうことなのでしょうか。 多分、エアロゾルの問題だと思うのですが。

多分、、、、そのような事がおこったのではないか、と思うのです。 振り返って、話した訳ですから、その時に感染したかもしれませんし、たしかに、息は前に向かって吐きますし、咳も前に出ますが、周りには空気の流れ、というものもあります。  大きな粒子の飛沫は違いますが、中位の飛沫は、一定時間空気中漂いますから、そこに空気の流れがあれば、その方向に移動します。  その場合に、背中を向けていた、としてもです。  このようなシチュエーションは予測できませんし、防げません。  ですので、なぜ、マスクが感染防止、という意味での効果がないのか、を理解していただけるか、と思います。 マスクで(エアロゾルを)防げる、というエビデンスはありません。   さきほど、プレプリントが発表されて、今朝読んだものに、、、まあ、内容的にはそこまで新しい情報ではなかったので、ここでは紹介しないつもりでしたが、、マスクの公共の場での着用とその効果ついての数多くの論文のまとめです。   執筆者が行き着いたところは、、、私もこの場で何度もお話しているように、 (自分への)感染防止目的でのマスクの着用の効果を裏付けするエビデンスはない、というところです。   空気中漂っているエアロゾルを、マスクの横から吸ってしまいますから。 

マスクの布を通して、ではなく、、マスクと顔との隙間から、という事ですね。

それが、一番の理由だと思いますが、エアロゾルは布も通過します。

この場でも以前話題にしましたが、いまだに、新型コロナが、(1月中旬)以前にすでにドイツ入ってきていたのではないか、という疑惑は残ります。   そして、ドイツ初感染ケースである、ミュンヘンケースが、イタリアの感染を引き起こしたのではないか、という疑惑です。  これは、立証できますか。

これは、大変興味深い事なのですが、、、はじめは、ウィルス同士の区別がそこまで出来ていなかったのです。 初期の段階で、イタリアの配列を調べた際に、ミュンヘンのウィルス配列との類似点を指摘しました。  その後に、アメリカのウィルス配列を見た際にも、かなり似ていて、、、そのうちに、イタリアに、ミュンヘンからウィルスが入った、という話が広がって、責めるような声も聞こえ始めた。 しかし、これは、いまでは、学術研究的には、もう決着がついている問題です。 比較しなければいけないウィルスの数があまりにも多い、ということと、 様々な(場所からの)がウィルスが、似たような配列をしているのは、その大元となるウィルスがあって、その研究がまだ十分にされていないから、という結論達したからです。   その後でその調査も行われました。  武漢で多様化したウィルスなかで、上海に渡ったウィルスのバリエーションが、上海から 直接か、武漢からか入ってきた。  ミュンヘンのケースをもっと詳しく調査してみると、、、第一世代感染者、初めの感染者グループは、4名でしたが、インデックスケース(患者0)は、上海から来た中国人女性で、彼女から4人が感染しました。  この4人の感染ケースで、大変興味深い事がおこったのですが、 そのなかの1人に喉でウィルスの突然変異がおこった。  始めの感染者グループは全員肺でウィルス増幅が認められたのですが、肺の中のウィルスは4人とも同じでした。  1人だけ、喉のウィルスが違ったのです。
これは、SARS-COV-2 の科学的な証拠、喉の増殖は独立した過程である、ということを意味します。これよりも、はっきりとした検証ないでしょう。  また更に、第二世代感染者、第三世代感染者と、全員ウィルスの配列をシークエンジングしました。 この感染世代は、皆、第一世代から感染した人たちです。 喉からの感染ですが、 この世代の感染者は全員、突然変異したタイプのウィルスの感染をしていました。   ということは、第一世代の3人だけが、もともとの(上海から来た)ウィルスだった。   そして、このタイプ(オリジナルの上海型)がイタリアに入ったウィルスで、新しいミュンヘンタイプは(イタリア国内では)みつかっていません。    ミュンヘンのウィルスがイタリアに行った、ということは、、、、そのためには、第一世代の3人から直接イタリアに入らなければいけなかったわけで、、、これは、不可能なことです。

ウィルスの突然変異については、このポッドキャストでも、話題にしてきましたが、簡単なテーマではありません。 最近の報道では、、、新型コロナウィルスは、比較的安定したウィルス、とのことですが、これは正しい見解でしょうか。

そうです。 そうと言えます。 このミュンヘンケースで観察された突然変異は、ウィルス自体に影響を及ぼすものではありませんでした。   このウィルスついてわかっていることは、たくさんあります。   これが、SARSウィルスでであること。  旧型SARSウィルスについては、かなりわかっています。 タンパク質の機能についてもそうですが、新型コロナも同じタンパク質構成なのです。  ウィルスの特性にはタンパク質の構造が重要ですから、ここで、どのタンパク質部分に突然変異がおこったのか、というところをみるわけです。
突然変異によって系統群から別れた2つの種類のうち、新しい方がアグレッシブだ、というような説が出て、、、このポッドキャストでも話題にしましたが、、実際には、始め武漢で広まっていたタイプと、その後で突然変異して広まっていったタイプとを比較したわけですが、この2つのタイプが広まった時期のシチュエーションが違うわけですよね。  初めのタイプが広まっていた時期は、武漢でも、そこまで医療状態はひどくなかったのです。しかし、次のタイプが出てきた頃には、医療は崩壊していました。  これは、ウィルスタイプの違いではありません。 ただ単に感染者数が爆発してしまった、という事実です。

それでは、ウィルス学者的には興味深い突然変異でも、私達が心配する、例えば、感染率の増加であったり、重症化する確率の増加であったり、、、という変化はない、ということですね。

うーん、いつもの如く、そんなに簡単な話ではないのですが、、、この、中国の研究は、単純に、間違った方法で行われたのです。  このような研究では、標準化されなければいけないところ、それがされなかった。  2つの異なる疫学的な周期内での状況で比較がされてしまったのです。 その原因を、2つのウィルスタイプに落とし込んでしまった。  それが、外国に渡って、、、イタリアはこちら、アメリカは、違う方、と、、、アメリカには、両方、入ってしまっていますが、初期のタイプのウィルスがかなり早い段階でアメリカ入りしています。   しかし、アメリカでも、どちらのタイプが危険か、などということはありません。  いまでも、この二つのタイプの識別は可能ですが、臨床的には違いはありません。
しかし、このシークエンジングでわかった別なこと、、、これは、よくあることですし、、配列の違いが、すぐ、機能の違いや、症状の度合いに結びつく、と考えがちですが、、、そうではなくて、時間と場所の関係性、感染経路との関係性を順序だてて調査する事が可能になるのです。  初期のタイプが、アメリカに多い、となると、これは、早い段階で中国からアメリカにウィルスが持ち込まれたであろう、という証拠にもなります。 ただ、気がつかなかっただけで。 この、長い間検査せずに、気がつかなかった、という事が問題でした。 気付いた時にはもう手遅れだったのです。 かなり長い間感染が拡大していたはずなのです。

感染の移動範囲を調査する、携帯のGPSな度を使って調査する方法が検討されています。これは、政治的な判断ですので、ウィルス学的には解決策はないかもしれませんが、科学的にみて、このような方法は効果がありますか?

科学的にみると、、、、効果があるでしょう。  感染者が、感染力がある時期に、どこに行って何をしたのか。この把握ができればかなり感染経路を絞る事ができます。  いつ、症状がでたのか。 そこから数日遡って、、、、発症の2〜3日前から感染しますから、この4日間で、どこの空間にいたのか。 これは、位置確定システムだと、大雑把な確認が可能で、 Bluetoothだと、もっと正確な位置確認が出来るようです。

それが、今、議論されていることですね。

私は、そのような技術的なことはよくわからないのですが、、、位置確認出来るようですね、 このような調査方法は、科学的にみて、とても効果的です。   例えば、私の携帯に、一昨日に会った人の陽性が確認され、(会った時には)感染能力がある期間内でした、という報告があれば、、これは、まあ、基本的には携帯でこのようなニュースを受信したくはないですけれども、、、(自分も)一昨日感染してしまった、としたら、そこから計算できるわけですね、 潜伏期間が約6日だとして、、、最大14日ですが、、これは、とても少数のケースの話ですので、、、ここからの1週間、遡って、自分の症状をよく観察する事ができる。  それと、家族との食事などが計画されていたら、それを考え直す事だってできますよね。 そのような報告が来たとしたら。 じゃあ、これから1週間は、おじいちゃんおばあちゃんのところに孫を連れて行くのはやめようかな、と。 訪問を延期出来たりするかもしれない。 各自、判断の基準になります。 このマイクロマネージメントは、外部からは不可能ですから。 この各自、リスクがある可能性がある個人レベルでのマイクロマネージメントは、かなりに効果を発揮するとは思われます。 このようなことは、アジア諸国で行われています。 今、そちらに注目する気持ちもわかりますし、どのようなことをしたのか、と。   ここには、プライバシー問題など絡んで来ますが、韓国では、実行されました。 自主的に、です。 強制的ではありませんでした。 しかし、 大多数が協力する事で、大変効果がある。  いつでもどこにでも、全てを拒否する人はいます。  この決断をするには、ウィルス学者である必要はありません。 私は個人的にすぐに許可します。 これが、追加的な要素として(感染状況が)改善される、と考えるからです。

個人の行動を少しコントロールすることと、決断する基準なりますよね。

そして、安心も得られるでしょう。 国民大多数が参加しているのであれば、 あぁ、今日も警告メールが来なかった。よかった! とホッとできます。

安心、といえば、やはり、気になるのは、感染と、症状です。 軽症とは、重症とは、、、など。  今、遺伝子分野で大幅に検査が始まっています。 遺伝的に、感染しやすい、もしくは、重症化しやすい、という傾向はあるのか。  遺伝子からどれだけのことがわかるのでしょうか。 旧型SARSのころにもそのような研究はされましたか?

旧型SARSの頃には、そのような研究は出来ませんでした。 予測などはありましたが、はっきりとした結果は出ませんでした。  アジア人が、そのような素因を持っている、など、、憶測はありましたが。     今、数多くあるデータバンクからの情報、トランスクリプトームのデータバンク、重要な分子、例えば、ウィルスのレセプターなどが分析されています。 そこから出る関係性に関する論文は、数個あって、まだきちんと査読されていない段階ですが、そこに、アジア人男性の発現率が高い、という内容もあり、レセプターのS2を持っている、とありますが、どうなのだろう、思います。  遺伝子の調査はそのような、特定の集団を調べるのではなく、発現率だけではなく、メッセンジャーRNAのトランスクリプトーム、タンパク質の発現率や、遺伝子的な突然変異、、、これには、大規模な調査が必要なのです。 インフルエンザでは、このような調査に成功しています。 かなりの規模の調査がないとわからないことですが、今回の新型コロナでも多くのコホートで調査する必要はあります。 残念ながら、多くの人が感染している最中なのですが。  勿論、ここででる結果がどのくらいの意味を持つか、ということはわかりません。 インフルエンザの場合は、あまり重要な結果ではありませんでした。  しかし、このような研究は、初めから結果の予測できませんし、もしかしたら、ものすごく有益な結果がでるかもしれませんから。

レセプター、がでてきましたが、このレセプターを使ってウィルスは細胞に侵入しますが、ここの研究もされていますか。

勿論です。レセプターは、大きな研究対象です、 新型コロナが、旧型SARSウィルスと同じレセプターを使う、ということがわかったのも最近のことですし、もっと興味深いのは、レセプターに対する、 ウィルスの外膜、そこに作用する治療法、膜プロテアーゼの制御、そして、レセプター自身への治療法、レセプターの結合を阻止する方法、例えば、抗体など、、、

人工的な抗体ですか。

そうです、人工的つくられた抗体ですが、アナログですね、レセプターを模倣したものをペプチドとして吸引させて、そこでウィルスブロックする。 このようなこを臨床試験する。  旧型SARSころには、アイデアはあったものの、きちんとした臨床での研究には至りませんでした。 その前にSARSが終わってしまったので。  このような研究には何ヶ月かかります。

症状の過程では、、、インフルエンザから何か学べますか。  ウィルス性の感染症は他にもありますが、住人が何人もいる中で、全くかからない人もいれば、何回もかかるひとがいる、ここれはどうしてでしょう。

私も自明の理、的なことしかわかりません。 そこには根拠がありません。 持病があったり、免疫疾患があったり、、年齢だったり、、、子供はまだ免疫が安定していないので、感染しやすい、、、それ以外は、どうして風邪ひきやすい人と、ひきづらい人がいるのか、、、、この秘密はわかっていません。     それ加え、統計上の数と、印象とは違いますし、家族のなかで、三男が頻繁に風邪をひいている、という印象があったとしても、統計家からみると、そうではなかったり、ママが一番風邪をひいていると家族がいっても、そこまで多くなかったりします。 統計的な立証には、もっと、長期間で数多くのデータをとらなければわからないことです。  
私たちの気持ちの影響は大きくて、治療の際にも、西洋医学では説明のできないような方法で治ったりする。  もしかしたら、全く何をしなくても、同じような結果だったかもしれないのです。   これが、n=1 論文、と少し皮肉られるタイプの論文で、出ている結果は、感覚であって、科学的な根拠基づくものではないのです。

重症患者のなかで、免疫の過剰反応がみられることが報告されていますが、子供は、、、あまりそのようなケースはないでしょうか。

免疫過剰反応、と、一言でいっても、曖昧です。  サイトカインストーム、といった用語が出て来ますが、それよりも、別の事をはっきりさせなければいけません。大勢の人が見落とす点ですが、感染症の症状、というのは、感染を引き起こすウィルスの撲滅行為です。  この撲滅は、免疫機能がします。

身体が、ウィルスと戦うのですね。

その通りです。 これを免疫病原性といいますが、、、簡単に説明すると、ウィルスが、粘膜で増幅した際に、免疫は粘膜からウィルスを追い出す事は出来ません。 細胞を排除するしかない。しかも、一つだけではなくて、その部分全ての細胞が排除される。 これは、免疫的には、粘膜の一部に穴があくわけです。 その修理をするために炎症がおこり、穴の補正をする。 炎症は、修理作業です。   次に、、、ウィルスが来ました。 免疫が反応します。大体2週間目からですね、そこでウィルスが退治されます、そこから、炎症が起こって、、修理ですね、これが、常にうまくいくとは限らない。  免疫は、症状の経過に配慮はしません。 そこで、様々な症状が出てくることがあるのです。    今日、興味深い記事がニューヨークタイムスありました。 いくつかの論文のまとめと、アメリカの医師の臨床観察でしたが、いくつかの循環器学的共通点があって、武漢の論文に、武漢でも、患者の20%が心臓の症状がでた、とあります。 そのなかで、心臓発作似た症状、心筋トロポリンT検査、心臓のダメージを受けた筋肉を検査するものですが、、、そこで陽性になっています。  この数値は、心臓発作特有のものです。これは、救急外来に使われるラピッドテストです。  しかし、実際には、急性新型コロナ感染による心臓の症状です。 これを引き起こすメカニズムは様々でしょう。  サイトカインの場合もありますし、ここで周りに与える影響は、心臓に副作用を起こすことがあります。   他には、軽度の血液の凝固、が起こる、血液濃度が免疫で変化したり、、、修理ための免疫が必要ないところにいなければいけないところを血液中に漂ってしまうと、、、関係のないところ、心臓などに影響します。   炎症が起こると、心臓は、肺や循環器のサポートをしなければいけないので、かなりの負担がかかります。 ほかのウィルス性感染症でも、稀に、心臓の筋肉へのウィルスによるダメージがみられます。 このようなことが今回起こらない、という保証はありません。  このように、普通は、肺の感染症で、心臓の事は考えないかもしれませんが、心臓にも影響があることを頭に置いておく必要があります。

そこにも注意をしなければいけないのですね。

そうです。 医師が診断するときにも、気をつけなればいけません。  少し、咳はあるものの、症状自体は心臓発作のようである、というケースが少なからずあるでしょうから。  そのような場合は検査をするべきでしょう。

ハイリスク患者と高齢者の保護、ですね。 最後に、昨日、買い物の際にマスクをつけている、とおっしゃってましたが、どのようなマスクをつけているのですか。

布マスクで、肺の集中治療科の看護師がつくってくれたもので、私が、セミナーで講義をした際にプレゼントしてくれました。 チーム144と縫ってあります。 ステーション144Eだったので。 これは、スーパーに行くときだけつけます。 今は、買い物以外、接触がある場所には行きませんから。 この間の 日曜日の晩に家で料理をしたので、ベルリンの中央駅フリードリヒ通りのスーパーに行ったのですが、、、日曜日に開いてるスーパーはあまりありませんので、、、とても混んでいました。  若い人たちも沢山いて、、パーティ気分の若者たち、勿論、クラブは閉鎖してますから、そこから来たのではないのはわかりますが、プライベートのパーティでしょう、、、そのような光景をみると、、、うーん、大丈夫かな、と。感染している人がいるんじゃないか、、と。  私も24時間ウィルス学者として考えているわけではないので、、、、瞬間的に、そのように、考えてしまうこともあります。 よかった、マスクしてて。 感染防げるかも、と。笑

笑 実際には、自分から他人を守るためにあるのに、ですね

そうです、そうです。  もう一度言いますが、マスクで感染防止できる、というエビデンスはありません。 勿論、これも言っておかなければいけないと思うのですが、この新型コロナに関して言えば、このウィルスに関してのエビデンスはまだ数多くあるわけはありません。 新しいウィルスですから。 ですので、学者が、マスク予防効果に関するエビデンスはない。 自分ではなく、周りを自分から守る為のものだ、という時は、インフルエンザや、ほかの呼吸器系のウィルスの研究からの発言です。 この新型コロナウィルスに特化した発言ではありません。
この新型コロナウィルスついて、はっきりと言えることは、、、、激しく喉で増幅する事。 かなりのウィルス濃度になります。 既に、症状が出始める2日前に感染が始まる。   この事実から、 自分に感染疑惑があれば、マスクをつけることによって、周りへの感染を防ぐことができる。  例えば、スーパーの店員と話す時に、飛沫が飛ぶのを防げる。  咳をする時も、手で隠すのを忘れたりしても、、、少しでもマスク中に止まるでしょう。 そういう意味では良い配慮なのですが、、、マスクをすると息苦しくなります。 はじめは、気づかないかもしれませんが、 徐々に苦しくなります。 私は、定期的にスポーツをしていますが、それでも、20分後くらいには息苦しくなります。  呼吸によって肺に入る酸素量がへるので、肺に疾患がある人や、あまりスポーツをしないひとは、息苦しさをもっと実感するでしょう。  なので、これは、我慢しながらの周りへの配慮でしょう。 私が、スーパーに行く時、周りを守るためにマスクをします。 これは、ある種の社会貢献です。 少し疲れるかもしれませんが。 これが、マスクをした際に感じる安心感、です。 私もときどき感じてしまうような、あー、人が大勢いるからマスクをしよう、という、感染から自分が守られてる、と感じる安心感ではありません。

ここで話し合われていること全てにおいて言えることですが、すべて黒か白か、というわけではありません。 マスクの着用の賛成、反対を決めるものではなく、マスクをしたときに、もしかしたら周囲のひとを守れるかもしれませんし、しない、と決めたとしても、そのことについて別の機会に考えない、とはかぎりません。 今日も長くお話しを伺いました。明日またよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

ベルリンチャリテ
ウィルス研究所 教授 クリスチアン・ドロステン

https://virologie-ccm.charite.de/en/metas/person_detail/person/address_detail/drosten/


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