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#1205 「学習問題」で独自学習と相互学習をつなぐ~独自学習は相互学習のための手段ではない~

単元学習をデザインする際は、子ども一人ひとりが個別で追究をする「独自学習」と、それをもとに集団で交流する「相互学習」を循環的に組み入れる必要がある。

それこそが「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」なのである。

では、どのように「一体化」すればいいのだろうか?

鍵は、単元を貫く「学習問題」である。

このような本質的な「学習問題」があれば、独自学習と相互学習をつなげることができる。

独自学習では、子ども一人ひとりが自分の興味・関心にあった追究活動を進める。

そのため、内容・分野・範囲が多岐に渡る。

それらを、相互学習の中で「つなげる」ことは至難の業である。

しかし、子どもたち全員に共通するような「学習問題」があれば、それを媒介として、独自学習の学びを生かしながら、相互学習を進めることができる。

各々追究したことや調べたことは異なるが、「学習問題にかかわる点」については共通しているのである。

したがって、子ども一人ひとりの独自学習の内容・分野・範囲も包括するような「学習問題」でなければならない。

逆に言えば、「学習問題」から逸脱するような独自学習が見られた場合は、教師が助言し、軌道修正しなければならないのだ。

このような工夫により、子ども一人ひとりの独自学習が、「学習問題」という共通の土台における相互学習で機能していくのである。

しかし、注意点がある。

独自学習を「相互学習のための手段」にしてはいけないことだ。

相互学習が「ゴール」ではないのである。

ゴールは「個の学びが深まる」ことである。

そのゴールを達成するための手段が、「独自学習」と「相互学習」なのである。

したがって、相互学習は「さらなる独自学習の発展のための契機」でなければならない。

最初の独自学習は、次の相互学習のためだけに行われるものではない。

独自学習は、子ども一人ひとりの興味・関心に応じて、個性的に追究されべきものなのである。

それをもとに相互学習を進めることで、他者からの刺激を受け、次の独自学習に向かう「発展の契機」となるのである。

これにより、次の独自学習がさらに深まりを増していくのだ。

「学習問題」で独自学習と相互学習をつなげること、独自学習を相互学習の手段にしないこと。

この2点を念頭に置き、「個別最適な学びと協働的な学びの一体化」を実現していきたい。

では。

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