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#47 教育課程とカリマネ

「教育課程」とは「教育の内容を子供の心身の発達に応じ,授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画」を指す。教育の内容は学習指導要領に基づく。しかし,それらを教師がバラバラに教えていたのでは,履修漏れが発生したり,保護者に対して説明責任を果たせなかったりすることになる。授業時数に基づき,総合的に教育課程を組織することで,教師が安心して教育を進めることができる。

また学習の主体は子どもである。子どもの実態を無視して教育活動を展開しても,教師の独りよがりになってしまう。その学年,その地域の子どもの実態に即して,教育課程を編成することで,子ども主体の教育活動を実現することができる。

カリキュラム・マネジメントとは「教育課程の編成,実施,評価,改善を計画的かつ組織的に進め,教育の質を高めること」を指す。その過程には3つのポイントがある。

1つ目は「教科横断的な視点で教育課程を組織的に配列すること」である。従来までは,特定の教科の学習内容はその教科内でのみ扱われていた。例えば国語科の内容は,国語科でのみ活用されるなど。しかしそれでは,真の活用力を身につけることはできない。全ての学問は有機的につながっていることを前提に,教科横断を実現していく必要がある。一例として「総合的な学習の時間を中核にした教育課程の編成」が挙げられる。総合に限らず,特定の教科を中核に、教科横断を実現した教育課程を編成していくことが重要である。

2つ目は,「PDCAサイクル」の確立である。教育課程というものは「一度編成したら終わり」ではない。計画を立て,教育活動を実施し,評価し,改善していく必要がある。学習指導要領が変わる,地域や子どもの実態が年々変化していく,保護者や社会からの学校に対するニーズが変わるなど,学校の教育活動はその時々の変化に対応していかなければならない。それらの変化に対応するとともに,教育活動実施上の課題や改善点を教員で模索し,よりよい教育課程を編成していくことが大切である。学校の課題を見つけ,その改善に全職員で取り組むことも有効である。教育の方法に「絶対解」が存在しないことと同様に,教育課程にも「絶対解」は存在しない。PDCAサイクルをもとに,時代や地域,子どもに合ったよりよい教育課程を編成していかなければならない。

最後は「地域と連携し,教育に必要な人材・資源を外部に求めること」である。学校は「学校独自の世界」で存在しているわけではなく,その地域の一部として成り立っている。学校の中には教えるプロとしての教員がいるが,それ以上に,地域には特定の分野のプロとして地域人材が存在する。または教育資源も豊富にある。それらを学校が有効活用することで,地域全体で子どもを育てていくことができる。これが「社会に開かれた教育課程」を実現することにつながる。

地域とともに子どもを育てていくという視点を忘れずに、教育課程を編成、評価、改善していく必要がある。では。

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