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#1727 一人が変わるだけでは何も変わらない

私は大学院での2年間の武者修行を終えて、自分の授業スタイルを変容させてきた。

「子どもに任せる授業」「ICT機器の活用」「パフォーマンス課題の導入」など、先進的な教育研究に基づき、自己の授業実践をアップデートした。

画一的な一斉授業からの脱却を図ったのである。

この改革が功を奏し、子どもたちの様子や意識が変容していくのを目の当たりにした。

しかし、一人の教師が変わっても「あまり意味がない」ことに気づく。

私が受け持つ子どもが次の学年に進級し、新しい教師のもとで学ぶ。

しかし、その新担任が、「画一的な一斉授業信者」であれば、逆戻りとなってしまうのだ。

もし、小学校段階で、子どもの主体的な学びが重視されても、中学校に進学したときに、「画一的な一斉授業」が蔓延していれば、これまた逆戻りとなってしまう。

つまり、何が言いたいかというと、「一人が変わるだけでは何も変わらない」ということだ。

いくら文部科学省が声高に「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を叫んでも、自治体レベル・学校レベルで変わらなければ、無意味なのである。

現場の一教師が変わっても仕方ないのである。

なので、必要なことは「自治体レベル・学校レベルで変わる」ということだ。

そうしなければ、学びのスタイルが連続せず、その時々の教師の個性に埋没されてしまうのである。

自治体レベル・国レベルで、学びを「子どもの主体性を中心としたもの」に変容させる必要があるのだ。

そして、そのような「学びの構造転換」を果たすために必要なことを以下に示していく。

・常に「学びの本質」に立ち戻り、関係者同士の「対話」によって進めること

・目指したい子ども像を明確にすること
 ①ゆるやかな協働を重視する
 ②自律して学ぶことを重視する

・目指すべき学びの姿
 ①自分に合ったペースや方法で学ぶ(個別化)
 ②多様な人と学び合う(協同化)
 ③夢中で探究する(探究化)

・大切にする子ども観・教師観
 ➀子どもは有能な学び手である
 ②教師は子どもの学びに伴走する

・最上位目標を対話によって設定し、実践し、振り返ること

以上が、自治体レベル・学校レベルで「学びの構造転換」を果たすために重要な要素である。

これらを意識した教育改革を切に願う。

そして、学校レベルで自分にできることを模索していきたい。

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