見出し画像

「そこから全てが始まった」Sick of It All 物語①

2024年1月に7年ぶりの来日ツアーを開催するNew York Hardcoreの重鎮”Sick of It All”。来日直前のこのタイミングで、彼らがコロナ禍に出版した洋書、メンバーのKoller兄弟による正にSOIA物語な『The Blood and the Sweat: The Story of Sick of It All's Koller Brothers』をGETした、現在は通訳の仕事などをしている元nimベースのハヤトが、良かったらコレ和訳してみない?と話をくれたのが今回のキッカケです。

今回の来日ツアーを主催するBloodaxekobaさんを通じてSOIAメンバーに確認してもらったところ、快くOKの返事をいただいたので和訳/転載していこうとなりました。いきなりパート3から始まるところなどはご愛嬌、といったところですが、なんせこちらの本かなりのボリュームでして・・・(笑)、内容抜粋して載せていきますので悪しからず。ちなみに本はAmazonなどで購入可能です。では宜しくお願い致します!

和訳:Hayato(PMA ENGLISH LAB)
編集・校正:Erolin


Part III
Sick of It All:That's The Name! "始まり"

Lou(兄、Vo.)
Sick of It Allの始まり方はすごくテキトーだったよ。Pete(弟、Gt.)と僕が高校生になったくらいの頃かな、毎年親と行っていた夏の家族旅行をサボるようになってね、もういい歳だし、行きたくなくなってきてさ。

僕は新聞配達かその類のバイトがあったし、Peteも何かしらやる事があって。で、いつの間にか友達を呼び出して、家のベースメント(地下室)でたむろし出して、何時間も音楽をやり始めたんだ。といってもクソみたいな曲をその場で作って延々やっていただけだけど、メチャクチャ楽しかったよ。

確か"Life of Riley"(古い曲か、もしくは昔のラジオ番組?)みたいな曲をやっていたな。そこでRichie(当時のSOIAのBa.)が"Jamming on the G"(=Gでジャムる)って曲を持ってきたんだけど、それは"Life of Riley"そのもので、ただ「Jamming on the G!」って叫ぶだけのものだった。スローなモッシュスタイルから入ってドンドン速くしていって「Jamming on the G!」って叫ぶんだ。今から思えばまるで馬鹿みたいだけど、でも何だかしっくりきてね。それで「お、バンド始めようぜ」ってなったんだ。

Pete(Gt.)
Louと話しあって「お前が歌って、俺がギターをやる」ってことになったんだ。ちなみに俺はSlayerやMetallicaとかをコピーしてギターを覚えたんじゃない。初めてギターを触った時から"Friends like You"と、"My life"を既に作っていったんだ。そうやってギターを覚えていった。

当時、赤のモヒカンをしている他校の奴も家のスタジオに出入りし始めていて、そいつと俺がギターでLouがベース、ドラムはそいつの友達のコロンビア人のパンクスがやってね。毎日、試行錯誤してどうにか曲を作ろうとしていた。

そのうちやる気のない奴は辞めていって、入ったのがMark McNeelyって奴と、オリジナルドラマーのDavid Lambだった。端的に言うと楽器ができる知り合いは全員ベースメントで溜まって馬鹿みたいに爆音を鳴らしてたわけ。酒も馬鹿みたいに飲んでたよ。

Louis Koller Senior (Lou/Peteの父親)
私と母親は、彼等が問題を起こさず居場所が把握できていたから、とりあえず安心していたと思う。彼等がベースメントにいる時は、床から埃が噴き上がっていることも度々あったな。

隣人衆からのクレームはさほど無かったと認識しているけれど、一度だけ母さんとフランス旅行(母親の母国)から帰って来たら、“素敵な”隣人の何方かに騒音で警察を呼ばれていたことはあったなぁ。

Pete
俺たちがそのベースメントで歴史的なことをしているなんてつゆ知らずにな!

その頃に初めてギターを買った。Hondo Flying V。一生チューニングが合わないオンボロさ。ブリッジや調音が何かも全く理解していなかったね。それから、お金を貯めてちゃんとした本当の一本目のギターのGibson SG Specialを買ったんだ。

未だにCraig(SOIA 現Ba.)に「高い方のAを弾いてくれ」とか言われても、俺は「どこのフレットのどの点のところかを教えてくれよ!6フレット?点の前のところか後ろか、どこのことを言ってるんだ!?」って感じだけど、それをしながら回転したり飛び蹴りしたりできているから、まぁ問題はないだろう(笑)

Lou
僕がなぜベースからボーカルに代わったかって?ベースがクソ下手だったからだよ。

曲を作るようになって、そんなに速くお前らみたいに指を動かせるかよ!分かった、僕が歌う。未だに僕がやっていることが"歌う"ってことなのかは分からないけれどね。

それから、Staright Ahead(Craigが在籍したNYHCバンド)が使っているからってことで、マンハッタンにあるGiant Studioでバンド練習をする様になったんだ。ちょうど彼らが前身のNYC MayhemからStraight Aheadに変わった頃かな。練習にはCraigとArmand(SOIA 現Dr.)も遊びに来たりして、超楽しかったよ。

Pete
バンド練習に入る時は、いつも地元のクイーンズとマンハッタンから全員知り合いを連れて行って、死ぬほどビールを用意してバカ騒ぎしていて、ずっと笑っていたよ。リハーサルの後はビリヤードとかやってさ。

Lou
その頃に、バンド名が必要だって事になってPeteと一緒に"Sick of It All"(和訳:全てにうんざり)に辿り着いたんだ。

とにかく当時は色んな事に嫌気がさしていた怒れるキッズだったからね。若くて、フラストレーションも溜まっていて、周りの偉そうだったり、勘違いしている奴等にもとにかく腹が立っていたんだ。まだ人と違う髪型や服装をしているだけでカス扱いされる時代だったからね。

面白かったのは当時のドラムはアジア人の奴で、"Sick of All”にしようぜって言っていたんだ。3文字が良かったみたいだけど、S.O.A(State of Alert)は既に存在してたよね、Henry Rollinsを知らないのか?ってね。

ちなみに、未だにラジオだったりライブハウスの看板だったりで、よくバンド名を間違えて表記されるけど、あまり気にしていないよ。

Sick of It All、未だにこのバンド名を愛している。

周りの人間の閉鎖的な考えには、いつも違和感と驚きを感じていた。まだ外の世界を知らない時期だったのにそう感じられていたのは、母親がフランス人で第二次世界大戦を経験していたからかもしれない。色んなクソみたいな話を聞いていたから、自然とそういうマインドセットになったのかもしれないね。

Pete
そんな風にバンド練習に明け暮れていた時に、Craigが来て、ロングアイランドでYouth of TodayCrippled YouthとStraight Aheadが一緒にやることになったって話をされて。

Lou
お前らも出ろよ、ギャラ無しで出れるバンドを探してるんだ、ってCraigに言われたんだ。僕等はまだ準備ができていないって思っていたんだけど「いま準備ができていないと言うのなら、いつまでも準備なんてできないぞ」って言われて、フライヤーに名前を載せられたんだ。

Craig Setari(Ba.)
そのときは完全に無理矢理に初ライブをやらせたよ。準備ができていないって言われたから、万が一キャンセルをしても大丈夫なように、"スペシャルゲスト"ってフライヤーに表記しておいた。

でもそれから2週間くらいはまだウジウジしてやがって、終いには「でも俺等のバンド名をフライヤーに書いてねぇじゃん」とか言い出すから、次に作ったフライヤーにはバンド名を載せて、出演しないといけない状況にしたんだ。

確かその夜は、Armandもステージに上がって"My Revenge"を歌ったんじゃなかったかな。

Lou
それが僕等の人生初ステージで、そこから全てが始まったんだ。

▼パート2はこちら!


■SICK OF IT ALL JAPAN TOUR 2024

::1/18 (THU) TOKYO DAIKANYAMA @ UNIT::
w/ NUMB / COCOBAT
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://www.unit-tokyo.com | 03-5459-8630

::1/19 (FRI) NAGOYA @ RAD HALL::
w/ FACECARZ / BEYOND HATE
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: http://rad.radcreation.jp/hall/radhall | 052-253-5936

::1/20 (SAT) OSAKA @ YOGIBO HOLY MOUNTAIN::
w/ T.J.MAXX / NODAYSOFF
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://selebro.co.jp/holymountain

::1/21 (SUN) TOKYO SHINJUKU @ ANTIKNOCK::
w/ LOYAL TO THE GRAVE / ETERNAL B
OPEN 17:30 / START 18:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://www.antiknock.net | 03-3350-5670

■Total Info
https://bloodaxefest.jp/baxetour/sick-of-it-all-japan-tour-2024/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?