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ファッション業界の展示会ってどんな?

こんにちは。
前回の記事では、TERMINALはファッション業界の展示会の受発注をデジタルシフトしていくんだ!ということを書きました。

ただ、そもそも「ファッション業界の展示会って何なんだ?」という方も多いと思うので、今回はそこを掘り下げていきます。

だいぶ昔に弊社のメディアでも紹介をしていましたが、今の時代背景も踏まえアップデートします。

はじめに

まず、ファッション業界では世界中で開催される「ファッション・ウィーク」というものがあります。
ニューヨーク・ミラノ・パリ・ロンドンなど「ファッションの都」と言われる都市での開催が有名ですが、最近では上海やドバイなどの都市でも開催されています。
東京では「Rakuten Fashion Week TOKYO」として年に2回開催されています。

ファッションブランド(以下、ブランド)はこのファッションウィークのタイミングに合わせて「ファッションショー」をおこないます。
このあたりの詳細はWikipediaからどうぞ。

ファッションウィークの時期には各都市に世界中のバイヤーと呼ばれる小売店の仕入れ担当者が訪れているため、ブランドはこの時期に合わせて次のシーズンの新作の発表と商談、受注をおこなう「展示会」を開催します。

これがいわゆるファッション業界の「展示会」というものです。

ただし、インターネットやSNSの普及によって、情報収集や発信の手法が変わったこと、またコロナの影響により、ファッション・ウィーク自体が開催できなくなったことなどの時代背景により、今はこれまで当たり前のようにおこなってきた慣習や慣例を見直していく考えが広がっていると言えます。

では、今の日本のファッション業界でおこなわれている展示会って具体的にどんなものなのかということをまとめていきます。

- TERMINALではこれから紹介する様々なパターンの展示会の支援をしていますので、1年を通して多くのブランドさんが展示会を公開しています。

卸先向けに開催される展示会

百貨店、大手小売企業(ユナイテッドアローズ、ビームスなど)、全国のセレクトショップの仕入れ担当者であるバイヤーを対象にした、新作コレクションの発表および受注会です。

多くのブランドが年に2回(春夏・秋冬)、イベントスペースや小売店舗、プレスルームなどで開催しています。
基本的には招待されたバイヤーのみが来場可能で、アポイント制というケースが多いです。

東京で開催される展示会の開催時期
春夏商品:毎シーズン 1月〜4月に開催・受注、7月〜10月にデリバリー
秋冬商品:毎シーズン 7月〜11月に開催・受注、1月〜4月にデリバリー
※パリ、ミラノなどではさらに1ヶ月ほど早く開催されています。

受注会といっても、招待されたバイヤーが展示会場で注文完了するというケースは少ないです。ブランドのデザイナー、ディレクターや営業スタッフから新作コレクションのコンセプトや商品の説明を受けたり、業界内での情報交換をおこなったり、がっつり商談というよりはコミュニケーションの場という意味合いが強いかなと思います。

配布されるラインシートやカタログなどの資料に気になる商品のチェックやメモ書きをしたりしています。
後日、仕入れの予算に合わせて注文を完了するというのが一般的な流れです。

また、この展示会では友人や家族など関係者も割引価格(販売価格の30%〜40%オフが中心)で新作商品の注文ができるというブランドも多いです。
これを業界では「個人オーダー」や「関係者向けオーダー」と呼んだりしています。

卸売の割合が多いブランドにとっては、この年に2回(主に春夏・秋冬)の展示会で半年分の売上を生み出すこともあり、非常に重要なイベントとなります。

プレス関係者向けに開催される展示会

卸売に限らず毎シーズン新作を発表しているブランドが、雑誌やWEBメディア、インフルエンサーなど、プレス関係者を招いて、新作のお披露目をおこなう発表会です。
芸能人やモデル、インフルエンサーがSNSなどに投稿する展示会はこれに当たるものですね。

主にプレス担当者が来場者の招待やケータリングの手配など、イベントの取りまとめをおこない、消費者向けにメディアやSNSの露出を促進するために開催しています。

開催時期としては、各シーズンのデリバリーが開始される直前(6月や12月)が多いですが、卸先向けの展示会と同じ時期に開催されるというケースも多いです。

このプレス向け展示会でも前述の「個人オーダー」の受注を実施しているブランドも多く、TERMINALではTHE NORTH FACEさんにご利用いただいています。

顧客向けに開催される展示会

これはいわゆる顧客向け受注会と呼ばれる、小売店舗やECの顧客を対象とした予約受注会です。

ブランドの店舗やショッピングモール、ファッションビルなどのポップアップスペースで開催されることが多く、ブランドのデザイナーやディレクターも会場に来場し、顧客のみなさんとコミュニケーションをしたりしながら、新作商品の予約注文や、店頭商品の販売をおこないます。

最近ではSNSでの発信力の強いブランドなどがオフラインで体験できる場所として開催するケースも多く、ブランドと顧客(=ファン)との交流の場のような位置づけかなと思います。

TERMINALでは黒石奈央子さんがディレクターを務めるAmeri VINTAGEさんにもご利用をいただいています。

複数のブランドで開催される展示会 - 合同展示会

複数のブランドが合同で開催するケースは、大きく2種類あります。

1つ目は合同展示会です。
大きなイベントスペースで、数十〜数百のブランドが一同に介す大規模の展示会です。
こういった展示会は他の業界でも多く開催されているので、ファッション業界以外の方もイメージしやすいと思います。

ファッションブランド向けの合同展示会の一例
・ファッション ワールド 東京
・PROJECT TOKYO
・JUMBLE TOKYO
・PLUG IN
・MaG.
・PR01.TRADE SHOW
・PASSAGE
・INTERSTYLE
※順不同

ブランドは新規取引の拡大のため、自らがブースに立ち新しいバイヤーとの出会い(取引)や新たなビジネスを生み出すことを目標に出展します。

- 合同展示会「PASSAGE」の様子

主催者は「集客」「ビジネスマッチング」を促進するために、業界著名人のセミナー開催や、海外リテーラーの誘致、SNSでの発信などをおこない、ブランドビジネスの拡大を支援しています。

複数のブランドで開催される展示会 - ショールーム・セールスエージェント

デビューしたばかりのブランドは、素晴らしいデザインやセンス、技術でモノづくりをすることはできるが、一方で営業活動が不得意であったり、リソースを割けないというケースも少なくないです。

そういったブランドはショールームやセールスエージェント(以下、SA)と提携し、営業活動を委託しています。
SAは個人として活躍する方も多いですし、すでに市場評価の高いブランドもセールスはSAに委託しているというケースも多いです。

展示会の際には各社が取り扱う複数のブランドをショールームやイベントスペースに展示し、全国のバイヤーを招待し、商談をしています。

ショールームやSAとバイヤーとの信頼関係が高いことから、デビュー間もないブランドでも多くのバイヤーに紹介され、新規取引の拡大にもつながります。
また、取引開始以降の納品や請求のやりとりを代行してくれるケースもあります。

TERMINALではWEBサイトにて提携をしているパートナーとして、ショールームやSAをご紹介しています。

まとめ

以上、ファッション業界の「展示会」といっても色々な種類があるということを紹介させてもらいましたが、いかがでしたか?

新型コロナウイルスの影響によりこれらの展示会の開催が困難な状況となり、ファッションショーや展示会のデジタルシフトが世界中で進行している昨今ですが、TERMINALではオフラインでの展示会の体験ということも非常に重要と捉えています。

アフターコロナの時代では「オンライン展示会」が当たり前ということではなく、フィジカルな体験とデジタルの体験が重なり合って、ファッション業界が回復していくような世界であってほしいし、そのためにTERMINALとして最大限の価値を提供していきたいと思っています。

こんな私たちに興味がある方、ぜひご連絡ください!


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