ゆるゆる旅行記「憧れの地へ行ったらえらい目にあった話」
慣れないおしゃれなことや格好つけたことをすると、何かしら事件が起きる。
まるで神様が人生のつじつまを合わせようとしてくるかのように。
普段行き慣れていない高級レストランへデートに行くと、ほろほろの牛肉が着慣れていない白いシャツに落ちて染みをつくったりする。
前回の記事では、オーストラリアで慣れないビーチライフをおしゃれに満喫しようとしたら、海がスーパードライエクストラコールドと同じ水温だった事件のことを書いた。
今回も、オーストラリアで慣れないことをしようとしてみたら、またもや事件が起きた。その一部始終を書こうと思う。
突然ですが、バイロンベイという場所をご存知ですか?
オーストラリア最東端の海沿いの町。ファーストフード店がなく、高い建物もない。その代わりに、素敵なオーガニックレストランがあったり、町の雰囲気と調和したおしゃれなカフェがあったりするところ。
海沿いの町で、ヒッピーやサーファーもやってくる。
他の町と一線を画す、洗練された雰囲気の町。それがバイロンベイだ。
そんなことを聞くと、人工甘味料的で、添加物増し増しみたいな生活をしているような僕でも、どうしても行ってみたくなる。
ちなみに、二郎系は僕の大好物だ。ナチュラルライフとは程遠い。何事も、摂取しすぎる生活をしている。
一度でいいから見てみたい、女房がへそくり隠すとこ(by歌丸師匠)
と似たように
一度は体験してみたい、自分がナチュラルライフ送るとこ
ってなもんである。
ゴールドコースト空港からバスで約1時間。
行ってみると、そこは確かに、前評判通りの店だった。
おしゃれなカフェがあったり。
メインのビーチの海辺にある芝生で、みんなが思い思いの時間を過ごしていたり。
いい波にのるため、サーフボード片手に海へ向かう人がたくさんいる。いい波をつかまえた彼らは、カフェにやってきてコーヒー片手に談笑していたりする。
そして、裸足で出歩く人がたくさんいた。
石田純一は裸足に革靴だけど、バイロンベイの人は革靴さえ脱ぎ捨てているわけだ。ナチュラルー!!(石田純一という単語からは全くナチュラルな雰囲気を感じられませんが、バイロンベイは間違いなくナチュラルな場所です。ご安心を。)
そんな洗練された雰囲気を味わいまくり、頭がだいぶナチュラルになったところで、事件は起きた。
ちなみにこの時僕の頭の中は、ケインコスギのセンチュリー21の発音くらいナチュラルだったと思う。
そう。神様が人生のつじつまを合わせにかかってきたのだ。「おい、思い出せ。お前はいつも添加物ゴリゴリの生活な、石原さとみと井浦新もびっくりのスーパーアンナチュラル野郎だろ?」と語りかけてくるかのようだ。
事件は宿で起きた。というか、宿自体が事件だった。
その宿は、頭がナチュラル状態になった僕たち夫婦が、観光案内所で最初に紹介されたバックパッカー宿を「めっちゃラブアンドピースじゃん。もうここでいけるっしょ」とEXITの漫才くらい軽いテンポとノリで決めた。
チェックインは昼間だったので、その時は全く気にならなかった。しかし、バイロンベイの洗練された空気を全身に浴びて、ナチュラルハイ状態で宿に戻ると、そこは完全なパーティー宿だった。
説明しよう。
パーティー宿とは、旅人の中でも特にパリピな人たちが集う宿で、連日キッチン周りでパーティーが平均5〜10個くらいひらかれる宿のことなのである。
サイトや観光案内所で、パーティー宿と紹介されているわけではないのだが、なぜかパリピ達はその独特の嗅覚でパーティー宿に集う。まるで竈門炭治郎くらいの嗅覚である。そして、連日アルコールをあおり、鬼となり雄叫びをあげていたりする。そこには、鬼殺隊はいない。
ちなみにパーティー宿は、世界中に存在する。
さて、説明はここまでにして。舞台はバイロンベイに戻る。
ホテル全体に色濃く漂うパーティー感。
手越祐也が界王拳20倍を使ったくらいのパーティー感がムンムン漂っている。さすがの竈門炭治郎でなくても、匂いでわかる。
彼らは連日、夜になるとスーパーサイヤ人4になり、朝になるとメディカルマシーンに入ったかのように静かに眠る。
おかしい。さっきまで確かに、洗練されていて落ち着いた場所にいたはずなのに。
キッチンでは外国人たちが酒片手にビアポンを始め、その結果に狂喜乱舞している。狂喜乱舞とは、この光景を言い表すために生まれた言葉なのかもしれないと思わせるほど、そこは狂喜と乱舞が入り混じっていた。
キッチンでその光景を目の当たりにした僕と妻は、とりあえず部屋に戻ることにした。
そして、共用のドミトリーに戻ると、そこには緑の髪の女と、2人のドイツ人がいた。
続く
たいした話ではないですが、長くなりそうなので続きます。
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