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イケメンとは本当にイケてるメンズのことをさす言葉なのか

「イケメン」てなんで「イケメン」なんだろう?
そう思ったことないですか?

今回は、その謎について少しだけ迫っていこうと思う。


私はイケメンではない。
それは、サザエさんの最も人気なキャラクターが居酒屋のサブちゃんではないというくらい明らかである。

では果たしてサザエさんの人気投票をしたとして、誰が一番人気になるのかと聞かれると全くわからない。ていうか、サザエさんはそういう類の漫画じゃない。

(ちなみにサブちゃんについて調べてみると、サブちゃんは浮江さんに憧れているという記述があり、浮江って誰?と思いさらに調べてみると、伊佐坂家の長女であった。そんな人いたっけ?というか、サブちゃんが浮江さんに憧れている設定は、サザエさんに本当に必要?!)


サザエさんの話がしたいのではない、サブちゃんには引っ込んでおいてもらおう。僕は今から「イケメン」に関する話がしたいのだ。

イケメンに関する話と聞いて、「おっ」と思った女性陣の皆さん、ごめんなさい。別に今から世の中にはびこるイケメンを順に紹介していくわけではありません。(はびこるという表現にはすこぶる悪意をこめた)
それはViViの「国宝級イケメンランキング」かなんかでやっていただくとして、僕は今から「イケメン」という言葉そのものについて語りたい。


イケメンと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは誰だろう?目黒蓮?八木勇征?京本大我?(とりあえず、国宝級イケメンランキングを1〜3位まで並べてみました)

そう、イケメンと聞くと、もうこの世の全ての人がその意味を「イケてるメンズ」の略だと当然理解する。

しかし、よく考えて欲しい。
「イケてるメンズ」の略が「イケメン」であるならば
「イケてないメンズ」の略も「イケメン」なのだ。

イケてるの「イケ」の部分をとって、イケメン。なら同じ法則にのっとってイケてないメンズを略すると、同じくイケメンなのだ。

お分かりいただけただろうか?
私たちは「イケメン」と聞くと自動的にときめくみたいな思考回路に陥っているが、「イケメン」とは「イケてるメンズ」の略であることもあれば、「イケてないメンズ」の略である場合もあるということを忘れてしまっている。

本来、「イケてるメンズ」と「イケてないメンズ」の違いは「てる」と「てない」の部分にあるわけで、「イケてるメンズ」を「てるメン」と呼ぶのが正しいはずである。

ところが、なぜか私たちは「イケメン」と聞くと吉沢亮が出てくる世界線で生きている。これは由々しき事態である。

サブちゃんと聞いて、みんなは三河屋のサブちゃんだけを思い浮かべるだろうか?そこには演歌界のレジェンド「北島三郎」に思いをはせる可能性も残っているわけで、あくまで「サザエさんの」サブちゃんと言われるから僕たちは三河屋のサブちゃんを思い浮かべるのである。

私たちは本来同じ名前になりうる二つのことを、他の情報で選別しなければならない生き物なのだ。

なのに、なぜイケメンはイケてるメンズのことだけをさすのか?
もはやイケてないメンズはこの世にいないだろうか。
いや、そんなことはない。確かにここにいる。
今の発言により、自己肯定感が地面すれすれのところまで落ちてきそうになっているところをなんとか持ち堪えてこの文章を書いているが、イケてないメンズがこの世にいることは、ここにいる私が証明済みである。

そうなってくると、世の中の人々はイケてるメンズしか眼中にないということだろうか?

イケてるメンズしか眼中にないから、イケてないメンズのことは無視して「イケ」を「イケてる」人のものにしてしまったのだろうか?
「イケてない」メンズは「イケ」すら使わしてもらえないのか。なんて世知辛い世の中だ。


じゃあ「池田」さんは、みんなイケてる田んぼを持っていた祖先がいる人という認識でいいんのですね?イケてない祖先をお持ちの池田さんはこの世にはいないという認識で、本当にいいんですね?
「小池」は、小さなイケてる人という認識で今後全ての物事にあたらせていただきますが、それで構いませんね?


少し取り乱したが、冷静になって考えてみると、気持ちはわからなくもない。
ちゃんと選別するために、イケメンのことを「てるメン」と読んだとき、どうしても「イケメン」と比べて「てるメン」の方がイケてない感じが出てしまうことは否めない。

一応言っておくが、僕は別に「てる」を否定しているわけではない。あくまで「イケ」と「てる」を比べたときに「メン」にしっくりくるのは「イケ」の方であるという事実を述べているだけだ。


そう考えると、「ラーメンつけ麺僕イケメン」の狩野英考は、イケの方でなく「メン」の方に注目した時点で天才だし、彼が今のお笑い界で唯一無二の地位を確立し、その人気を不動のものにしていることも頷ける。


ところでこの文章はどこに着地するのが正解なのだろう?別に今更「イケメン」と呼ぶのをやめて「てるメン」にしろなんて主張する気もないし、イケてないメンズの呼び方を考えろみたいな話をするのもめんどくさい。

ただ、見切り発車で「イケメン」の呼び名について少し深掘りしてみただけなのに、いつの間にかいろいろと迷子になってしまった。

なんの話をしていたのだろう?サブちゃんの話だったか?ところでサブちゃんの苗字は、サザエさんの公式サイトにも載っていない。つまり彼は苗字を取られてしまっている。

彼はサザエさんが始まって以来のこの長い時間を「三郎」一本でとおしている。
きっとサザエさんの三郎も元々は「北島」という苗字だったのだが、北島は演歌界の大御所にということで、いつの間にか「北島」を譲る形になってしまったに違いない。

イケメンの「イケ」を譲った我々のように。
ただ、サブちゃんはなかなかイケてる男だ。彼にはぜひ浮江さんと幸せになって欲しい。

いささか尚早では、あるが、この話はこれで終わりにしたい。全国のイケメンの皆さん、これからもどうかよろしくお願いします。





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