上司への報告・相談―6つのAIに聞く効果的な伝え方【ChatGPTからGoogle Geminiまで】
よく使うものから、たまに使うものまで。数えると6つのAIツールを漫然と使っていましたので、比較してみました。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
生成系AIツールと言えばChatGPTが有名ですが、次々と新しいツールが現れています。しかも、ChatGPTを含む多くのツールが進化のペースを緩めず、かなりカオスな状態になっています。
私はまだまだ初心者ですが、よく使うものから使ったことがあるものまで、数え上げると6つもあることに気づきました。
今回のてりたまnoteでは、この6つのAIツールを比較します。
💫6つのAIツールとは?
まず、6つのAIツールの顔ぶれを簡単にご紹介します。
ChatGPT 4o
大規模言語モデルブームの火付け役となったOpenAI社のChatGPT。
どんどん賢くなり続け、絵を描いたりプログラムを書いたりできるようにもなり、生成系AIのフロントランナーであり続けています。
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Gemini 1.5 Pro Experimental 0801
Googleの生成系AIで、ChatGPTより優秀という調査結果もあるようです。
「Google AI Studio」という、Googleが提供する環境で動くとのことですが、普通のブラウザでChatGPTと同じようにアクセスすることができます。
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Copilotプレビュー版
Microsoftが提供する生成系AI。ExcelやWordなどとの連携を強化したAIとのことですが、私はうまく使えていません。
ChatGPTと同じGPT-4がベースになっているはずなのですが、ChatGPTの方がよい回答をしてくれるように思います。
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Claude 3.5 Sonnet
生成する日本語がとても自然なので、文章を書く人を中心として広くファンがいる生成系AIです。Claudeが書いた文章は、ChatGPTのような「いかにも」というAI臭が少ない、と言われています。
Anthropicという会社が提供しています。
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Perplexity Pro
ここでご紹介しているほかのAIツールとはかなり毛色の違うAIです。
Perplexityに質問すると、Webを検索して閲覧し、その内容をまとめて提供してくれます。
Googleで検索すると、検索結果の冒頭でWikipediaの記事などを抜粋し、それで用事が足りることがありますが、そのような機能を大幅に強化したものと言えます。
もうGoogleで検索することはなくなった、と言っている人もいます。
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Grok 2
これを高く評価する声を聞かないので、おまけです。
X(旧Twitter)でプレミアムを契約すると、使えるようになるAIです。Xの投稿データから学習しているため、即時性にすぐれているとの触れ込み。
私もあまり使ったことがないので、どうなるのか楽しみです。
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💫6つのAIツールに投げるお題
前回のてりたまnoteで、上司に相談するときの注意点について書きました。
この記事の中で挙げた「相談はこうしてほしい」6項目は私のオリジナルですが、これを各AIツールに考えてもらいましょう。
6つのAIツールに同じプロンプト(指示文)を投げて、回答を比べてみます。
次のような簡単なプロンプトにしました。(各AIツールの紹介とともに示した画像は、このプロンプトを投げたときの画面です)
6つのAIツールは、いずれも箇条書きで回答してくれました。
回答に含まれる箇条書きの項目数は、次のようになっています。
まあまあ、ばらついていますね。
数が多ければよいわけではないので、内容を見ていきましょう。
💫AIツールは、てりたまnoteの6項目を挙げているのか?
まず、私が前回のてりたまnoteで挙げた6項目は、AIツールも取り上げてくれているのかを見てみましょう。
何を相談したいのか、会話やメールのはじめの方で明確に伝える
何を相談したいのか分からないと困る、という話をしました。
AIツール6つ中2つしか取り上げていません。
相談はコンパクトにまとめる
だらだら伝えず、コンパクトに。
これはほとんどのAIツールが挙げています。
Geminiも✖にはしましたが、ほかの項目の中には「簡潔に」と触れているものがありました。
事実か意見か分かるように伝える
事実と意見を区別して伝える。
これも結構大事だと思うのですが、取り上げたAIツールは半分だけでした。
回答がほしい期限とその理由を明示する
上司からの回答をいつまでにほしいか明示する、というものでしたが、全滅です。
できるだけ早いタイミングで相談する
長期間一人で抱えず、早いタイミングで相談。
これも全滅。
情報が不十分であれば「一報」として伝え、情報が入った段階で改めて相談する
情報が十分にそろうのを待つのではなく、まずは一報入れましょう、ということでしたが…
これもまた全滅ですね。
「AIはまだまだ俺のレベルにはほど遠いな」と自信を持つべきなのか、私の感覚がおかしいのか……
💫6つのAIツールが挙げたそのほかの留意事項
6つのAIツールは、上記以外の項目もたくさん挙げています。
事前準備をしっかり
当たり前のことではあるのですが、相談する場で右往左往して、上司を混乱させてしまわないように、事前準備をしっかりしよう、ということです。
ほとんどのAIツールが取り上げました。
上司の状況に配慮する
上司の忙しいときに相談するのはやめよう、ということ。
唯一、これだけは全勝でしたね。
取り上げなかったのは私だけでした😭
解決策も提示する
情報を伝えるだけでなく、自分の意見として解決策も上司に伝えましょう、ということです。
上司が判断しやすくなる(Grok)、相談が建設的になる(Perplexity)、上司から評価される(ChatGPT)などの理由が挙げられています。
私も迷いましたが、どちらかと言うと部下の育成目的のように思って外しました。
相談する態度に注意する
相談するときの態度、姿勢、言葉遣いなどに気をつけましょう、と言っているAIツールが4つありました。
具体的には、次のような内容です。
常に誠実な態度で接する(Gemini)
ポジティブな態度を持つ(Copilot)
謙虚な姿勢を保つ(Claude)
敬語と礼儀、感情的にならない、聞く姿勢(Grok)
あとでフォローアップする
一度報告したら終わるのではなく、あとでフォローアップとして進捗を報告することを求めています。
その他の留意事項
上記のほかに挙げられている項目をご紹介します。
上司からのフォードバックを求める(Copilot、Grok)
上司の指示やアドバイスに従う(Gemini)
上司の性格やコミュニケーションスタイルに合わせて伝える(Gemini)
質問には明確に答える(Gemini)
上司と一対一で話すなど情報の機密性に注意する(Grok)
💫総評
6つのAIツールを比較したところ、どれか1つが突出して優秀というものもなければ、特にダメというものもありませんでした。
このようなアイデア出しには、どのAIツールもそこそこ役に立ちそうです。
結論としては、回答に網羅性を求めるのであれば、複数のAIツールを走らせてみることがよさそうに思います。
🐣おわりに
前述のように、前回のてりたまnoteで挙げた項目は自分で考えたのですが、ChatGPTとClaudeに聞いてみて、重要なものを漏らしていないかチェックしました。
ChatGPTとClaudeの回答が異なり、私の書いた項目とも異なりましたので、対象のAIツールを増やして比較してみよう、と思い立って書いたのが、この記事です。
今回は「複数使ってみましょう」という月並みな結論になってしまいましたが、AIを使ってみた感想は、これからもときどき記事にしようと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま
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