人は見た目が…何割かしら?
こんにちは。創作系寺嫁のゆかでございます。
みなさま、ちらっとあなたの横を通り過ぎて行ったその人が、何歳くらいか、お分かりになりますか?
私は、あまり分かりません。
とくに、今、マスクをつけておられる方が多いので、なおさらです。
実をいうと、美人とか、かっこいいとか、ハンサムとかいうのも、よく分かっていないのですが、今回は見た目年齢の話をしたいと思います。
わたくし、何の自慢にもなりませんが、かなり年齢が若く見られます。
若く見えると聞こえがよくなりますが、幼く見えると言った方がいい状態です。
大学生になったある日のこと。
ちょっと大きな男性用の傘をさして、街を歩いていました。
すると、いつもは私以外の全員が、信号無視して渡るような、小さな横断歩道で、私の後ろにいた女子高生ふたりが止まっていたのです。
「いやあ、さっきのサラリーマンは私の横をすり抜けて、赤信号を渡っていったのに、なんて感心な女子高生だろう!」
と、私は老婆心に喜んだわけでしたが、それもつかの間、後ろから、
「なんで渡らへんの?」
という声が聞こえてきたのです。
「ん?」
と思ったのもつかの間、
「だって、小学生が止まってるもん」
との答え。
なるほど、子どもを前にして、模範的な行動を取るという年長者としての自覚があるのか。
たいへん感心な女子高生だな。
ええ、周りにわたししか、いなければね!!
どうやら、彼女には、私が小学生に見えていたようで。
ごめんね、年上で……と思いながら、それでも信号無視をしない人間をふたりばかり増やすことができた、と思うことにしたのでした。
さて、またある日のこと。
私は、とある年配のマダムに誘われて、恐竜展にやってまいりました。
この年になると、こんなところに付き合ってくれる人がいなくなるの……と寂しそうなマダムに連れられて、嬉々として向かった博物館。
盛況な様子に、うきうきです。
わたくし、体力がないので諦めましたが、もともと恐竜かエジプトの発掘をする考古学者になりたかったのです。
さて、マダムが持っていた招待券を手に入場。
夏休みということもあって、小学生も多くやってきています。
この年からこうやって博物館に連れてきてもらえるという経験は、かなり得難いものですから、楽しんで帰るんだよ~と心の中で声を掛けます。
さて、雰囲気作りのために岩場を模した入口を潜り抜け……るその途中、巣タップのお姉さんから声がかかりました。
「音声案内、なくても大丈夫?」
え?と思いましたが、案内板を見ても、特別な解説があるわけではなく、展示のプレートをそのまま読んでくれるもののようです。
「あ、書かれてあるの読むので大丈夫ですー」
わたしは爽やかに断りました。するとお姉さん、困ったような顔をして、
「え、でも、結構、漢字いっぱいあるよ?」
なんと!!
どうやら、ここでも小学生か中学生に間違われたようで……。
ごめんなさい、おねえさん。私、きっとあなたよりも年上で、さらに毎日漢字しかない文献を読まなきゃいけない学科にいるので大丈夫です……。
始終、こんな調子ですから、見た目の年齢というものを、まったく信用しなくなったのでした。
しかしながら、嫁いだ後は、さらに混乱しております。
今度は、私が若く見える、という話ではありません。
お寺の同行さん(浄土真宗では、檀家さんのことをこう呼びます)の年齢が不詳なのです。
みなさん、10や20は若く見えるのが当たりまえ。
車社会ですから、80になっても細道をすいすい運転してどこまでも行くのです。
地域の何かの活動だ、こういうボランティア団体がある、スポーツクラブの帰り道……
嫁いだばかりのころこそ、「この辺にはお若い方がまだ多いのね」と思っていましたが、
どうやら「高齢者がとてもお元気なのね」が正しいようで。
少子高齢化とはよく言いますが、その「高齢」の方は、一体何歳からなのか、疑問を覚える元気な地域なのでありました。
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