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「もじ」つけちゃいなよ!


パラリテリジノサウルスと蓮

こんにちは。創作系寺嫁のゆかでございます。

本日は、とある晩御飯のときに、ともみさんに言ったら「面白いからそれで記事書けば?」と言われたことを書こうと思います。

突然ですが、みなさま、「しゃもじ」をお使いになったことはございますか?

はい、あのしゃもじです。ご飯が炊けたらまぜまぜするあれでございます。

勝利を祈願するお守りとして、お祭りする神社もあるそうですね。

その「しゃもじ」ですが、その名前の由来をご存じの方は、いったいどれほどおられますでしょうか?

簡単に申し上げますと、「杓子」が変形したものです。
では、どう変形したのかと言いますと、「もじ」をつけたのでございます。

さて、なぜ「もじ」を付けたのかと言いますと……

「かわいいし、つけちゃえ!」くらいのイメージで、そこまで間違いないのではないでしょうか。

え?と思われる方も多いでしょうが、実はこの「もじ」というのは、「女房言葉」もしくは「女房詞」と言いまして、室町時代あたりに流行った俗語なのです。

俗語といっても、かなり高貴な身分の女性です。いまでこそ、「女房」というのは「奥さん」の意味で使われておりますが、当時は貴族のお姫様にお仕えする「侍女」という意味でした。

清少納言や紫式部も「女房」として宮中で働いていたわけですね。
今風に言うとメイドです。

「しゃくし」の「しゃ」と「もじ」を足して「しゃもじ」

最初は宮中の女房達だけで使っていた内輪言葉でしたが、高貴な女性が使っている言葉、として下々の女性たちが好んで使うようになり、

それが数百年経った今も、ご家庭の中に残っている、ということなのです。

時代劇のセリフで、「御目文字つかまつる」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これも女房詞の「もじ」が残っているものです。

若者言葉が流行ったことで、皆が普通に使う言葉になっていくようなものですね。
難にでも「超」をつけるギャルもいましたし、ちょっと前は「鬼」が付いたそうですよ。
「超」かわいー!
「鬼」かわいー!

どちらも大変誉め言葉だそうです。うーん、伝わるけど、あんまり使わないかしら……?

でも、「しゃもじ」が当たり前に使われる世の中なのですから、
もしかしたら百年後の日本語辞典には「鬼」は、「とても、という形容詞的な意味がある」と載っているかもしれませんね。

あなたの身の回りにも、思っていたよりも謎の「もじ」の名残があるかもしれませんよ。

「ご飯はしゃもじで混ぜてね。おかずは冷蔵庫にあるから、レンジでチンしてください。足りなければ戸棚におかかのふりかけがあります。今日のお漬物は、おこうことナスの糠漬けです」

さて、この中に、いくつ隠れているか、分かりますか……?

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