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お寺によくあるアレのこと。


みなさま、こんにちは。創作系寺嫁のゆかでございます。

今日は、お寺でよく見る「あれ」についてのお話です。

さて、なんでしょう?と聞かれたところで分かるはずがありませんね(笑)
答えは「ソテツ」です。

うちの欣浄寺にも、境内右手側、本堂から見て左側に、ソテツが植わっています。
小学校やお寺などでよく見るあの植物、見た目はまるでヤシの木で、南国植物のようですが、日本の固有種で、世界的に見たら大変珍しい植物です。

桃山時代あたりから、仏教世界を模した「庭園」を造営するのが流行りになり、その日本庭園では定番中の定番となりました。

が、そこまでじっくりと日本庭園を観察する方も少ないので、あの緑生い茂る一角に、ソテツが生えている印象を持っている人も少ないと思います。

ソテツは育つのがのんびりなのですが、その分長命です。
樹齢千年を超えるソテツが、天然記念物として登録されていますし、欣浄寺にあるソテツも、百年以上は経っているだろうと言われています。

このように、日本ではおなじみの植物ですが、実はこのソテツ、なんと一億年前には生えていて、化石としても有名なんです。

どれだけ頑丈なのかがよく分かりますね。
うちのお寺でも、行事の際のお花立てにソテツの葉を使わせていただくのですが、よくよく気を付けて取り扱わないと、葉っぱの先っちょが思ったよりも尖っていてとても危険なのです。

ソテツが一億年前から生えていると知った時は、もしかしたら、恐竜もソテツを食べていたかもしれないと思って、どきどきしていたのですが、

自分でソテツを触るようになってみて、「いかな恐竜と言えど、本当に、これを食べられる動物いるのかな?」と思うようになりました。
もしかしたら、固くて、痛くて、食べられたものじゃなかったから、一億年前から生き残ってきたのかもしれませんね。

とはいえ、このソテツ、どうやら鋭意工夫すれば食べられるそうで……。
超非常食扱いで植えられている地域もあるそうですよ。

何の変哲もない、普段は意識もしない植物でも、案外詳しいことは知らなかったり、思いがけずとんでもない歴史があったりするものなのですね。

日常にありふれたもののことも、よく考えていこうと思うきっかけをもらいました。
まあ、ソテツ以上にびっくりエピソードがありそうな植物は、なさそうな気もしますけどね(笑)

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