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お盆の時期ですね。


みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁のゆかでございます。

お盆の時期がやってまいりました。
この時期になると、あちこちのお墓が綺麗になり、仏花が生けられます。

さて、この仏花。みなさまはどんなものを想像されるでしょうか。

私の実家では、父母のどちらの宗派でも、仏さまの花瓶に生けるのは「樒(しきみ・しきび)」だけでした。

深い緑の葉が、強い日差しを照りかえして白く光っていたのをよく覚えています。

しかしながら、この欣浄寺周辺の地域では、樒は見当たりません。
お寺でも、「びしゃこ」を緑の色味として生けることはありますが、樒を使わないそうなのです。

では何を、と思えば、ほおずきでした。

ほおずきの他にも、菊や竜胆などを使って5色ほどの仏花を作ります。
カラフルな仏花がお墓にあるのを見て、「あれっ?」と思ったものでした。

どうやらここら辺は、ずっと樒ではなくカラフルな仏花を飾って来たようです。お花屋さんに行っても、仏花のコーナーに樒はめったに見かけません。

そして、このお盆の時期にだけ、ほおずきが出回るのです。

実はこのほおずきが、お盆に帰ってくるご先祖様をお迎えする灯の代わりをしているそう。

浄土真宗はそもそも「ご先祖様が帰ってくる」という考え方がなく、
送り火・迎え火の風習もないのです。

なのですが、民間信仰レベルでは信じられているために、迎え火のかわりとしてほおずきが飾られるようになったのではないか、ということでした。

たしかに、キュウリと割りばしで作った精霊馬は馬に見えませんが、
単なるほおずきは、それだけで提灯に見えるような気がしますよね。

浄土真宗には、お盆の間にご先祖様が帰ってくる、という考え方がありませんから、お盆の三日間にお霊供をお供えして、ご飯を召し上がっていただく、という風習もありません。

しかし、たまにですが、してもいいですか、どのようにすればいいですか、とお尋ねいただきます。

宗派の教義になくとも、やってはいけない、ということはありません。
残された遺族の方が、お供えしたいと思うならば、その気持ちが大事ですので、ぜひこのお盆という時期だけでも、お仏壇にお供えしたいと思うものをお供えしていただければと思います。

私にはなじみがなかった仏花だって、
いつもは寂しい色合いのお墓が、子孫の手によって綺麗にされ、お花とほおずきを生けられることで、見る人も明るい気分になったような気がしますから、こういう風習がずっと続けばいいのにな、と思うのですから。


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