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美術をからだで鑑賞すると、子どもも大人も盛り上がる。何通りものアプローチで、身体感覚と感性を同期させていくワークショップをやってみました。#セレオ国分寺オープンスタジオ

2021年12月11日(土)〜26日(日)まで東京国分寺駅ビル・セレオ国分寺で開催中の、アートイベント「オープンスタジオ」。アート・絵本・ワークショップで交流の場づくりをするこの試みに、私は絵本展示ディレクションとワークショップで参加しています。

12月11日(土)、12(日)には「からだと遊ぶ絵本づくり」と題して、初公開のオリジナルワークショップを行いました。11日の〈モチモチ編〉には2名、12日の〈シュワシュワ編〉にはなんと15名もの子どもと大人が遊びに来てくれて、特に2日目はとても盛り上がりました。

美術鑑賞して、最後に一人一冊の絵本をつくるという、一見なんでもない取り組みです。が、企画者としてはそこに「美術にあまり親しみのない人でも自然に入り込める」しかけを配置し、入り込んだ先で「美術や絵本の本来的な楽しみを体感できる」よう目指しました。

最初のアプローチは、からだをほぐすこと。まずは準備体操です。

子どもの動き、やわらかい! 冬の寒さでこわばった体を、大人もググッとほぐす

2番目のアプローチは「目で見る鑑賞」と「からだでの再現」。アーティスト・栗山由加さんによる抽象的な油画を前にして、子どもたちからは「霧…?」「花火みたい」などの声が次々にあがります。

「花火?」「花火みたい」と小さな声が口々に聞こえる

花火の「パチパチ」「シュワシュワ」した感じを、みんなでからだを動かして受け取っていきます。

子どもの「パチパチ」の動きを、大人にも真似てもらう

3番目のアプローチには別の作品をつかい、やはり「目で見る鑑賞」と「からだでの再現」を行いました。子どもが何人か来てくれるのが事前にわかっていた12日の回では、とっつきやすさやゲーム性があるといいなあと考えて、アーティスト・中村コロモチさんの動物をモチーフにした連作で「からだあてっこクイズ」をしてみました。

アーティスト・中村コロモチさんの12枚の絵

あてっこクイズは、思った以上の盛り上がり! 自分の選んだ絵の中の動物に、からだをつかってなりきって、他の参加者にあててもらう遊びです。全員で同じ1匹を演じてくれるご家族があるかと思えば、渾身の変顔で笑わせてくれた子や、動きを想像して見せてくれる親子もありました。

冒頭では「何をするんだろう?」という顔だったみんなが、この頃には、からだを媒介にしてアートとつながることにだいぶ慣れてきた様子です。

4番目のアプローチは、「からだ遊び」と「絵本づくり」という異質な2つの行為をつなぐ役割もあります。もう一度、さっきのクイズで選んだ動物に一斉になってもらい、今度はそのまま会場中を歩きまわってもらいました。

目的は「絵本のジャケ買い」です。

会場のあちこちに絵本が置かれている

会場には今回、30冊ほどの絵本が配置されています。それを「動物がからだの中にいる」状態で品定めして、表紙にインスピレーションを感じた一冊を選ぶのです。中身は見ません。

絵本探しから戻ったら、いよいよ絵本制作へ

そして、表紙からイメージをふくらませて、最後に一冊ずつの絵本づくりをしました。

身体感覚と感性って、プリミティブな部分で意外とガッチリつながっているなあと、今年は私自身が体感理解した年でした。そんなところから生まれてきたアイデアを、たくさんの人に遊んでもらえてよかったなと思います。

セレオ国分寺「オープンスタジオ」

#セレオ国分寺オープンスタジオ  #東京学芸大学 #こくぶんじアートラボプロジェクト #とうきょうアートラボプロジェクト

てらしまちはる[寺島知春]プロフィール情報
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