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どうする苫小牧B級!

おはようございます。まだ今週月曜日が終わったところ…
皆さんもダルイですよね。明日も頑張りましょうの寺尾です。

さて、先般よりお伝えしておりました苫小牧B級(社会人)ホッケーの現状と問題についていよいよ重い腰を上げたわけです。

なお、この内容につきましては決して誰かを批判する意味や目的ではなく、良い事が起きている一方で全てが良い方向に向かっているわけでなく、反比例して発生している問題に対してどうするべきなのか、という情報を共有したい思いで綴っております。

『こういう事やってみてはどうだろう』とか
意見もいただけたら嬉しいです。

1.昔から今

私が苫小牧のB級に所属したのは法政大学卒業後すぐでした。
かれこれ13年も前の話です。
スーパースター選手の杉澤明人さんに社会人チームどこがいいのかわからず、行き場を無くし困っていたところ苫小牧市役所アイスホッケー部に誘っていただいたのがキッカケでした。
(役所でホッケーやりたいならインラインも強制な!と、半ば強制的にインラインホッケーも始めさせられたけどめっちゃ人生にプラスとなった話は後日。笑)

当時は
・苫小牧市役所
・トヨタセンチュリーズ
・食道園キングス
・日本製紙勇払
・苫小牧駒澤大学
・新日鉄室蘭
計6チーム
で市内大会(市長杯)を行っておりました。

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他にも小林智紀さん岩田秀樹さん荒城将文さん等、様々な先輩選手達と社会人になってから一緒にホッケーがやれて、往年選手の凄さ、ガチャガチャやらなくてもサラっとやられるのを幾度と経験し、共に笑い共に戦い共に喜びました。これはとても光栄な事であり、この思い出は私の宝物です。

そんな6チームで勝ったり負けたり、基本的にはいかにトヨタセンチュリーズに勝って優勝するか、というのがこの頃の私にとってのホッケーでした。

それからの大きな動きとしては
苫小牧駒澤大学が廃部
トヨタセンチュリーズが廃部⇒のちにダイナックスへ
新日鐵が日本製鉄へ
日本製紙勇払が廃部←New

というように実質2チームが廃部となり、今シーズンより4チームで構成される予定となりました。

2.それぞれの縛りと効果

私がB級に加入した時、チーム所属の特性と言いますか、条件と言いますか、決まりがあるチームが3チームありました。
1.トヨタセンチュリーズ
基本的にトヨタ関係の会社に勤める人間で構成(例外もありました)
2.苫小牧市役所
市役所職員と助っ人選手の割合が基本的には5:5
3.苫小牧駒澤大学
もちろん在学中の大学生に限る

これによりトヨタセンチュリーズは学生時代にホッケーをしていた有力選手が就職しやすい環境にもなり、実際にトヨタ関係に就職し、選手が集まりやすい環境となり、年々更なる強豪化が進みました。
苫小牧市役所も有力選手(助っ人)は5割を超えない範囲で加入し、チーム強化をしていったのがこれまでの動きです。
これがトヨタセンチュリーズ強さの一番の秘訣でした。


それを認めた上で有力選手達に戦いを挑む事、試合前に集中し血が冷たく感じるほどにエンドルフィン(脳内麻薬)を出してた記憶があります。

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(画像は試合前のイメージです)

一方で日本製紙勇払・食道園キングス・新日鉄室蘭は特に決まりが無く、基本的には自由に行き来できる器として存在していたように感じます。

当時は呑気に『ホッケーだけやってた人間がそれでトヨタ関係なんて大きな会社に就職面倒見てもらえて、長期遠征も問題なく行かせてもらえるなら行くわなぁ~』と思っていたのでした。

3.大きな変化

ここ数年で2つの大きな変化がありました。

一つは室蘭のパワーです。
選手達の努力とアイデアで様々な工夫をして企業に目を向けてもらい、前述のトヨタセンチュリーズ(現ダイナックス)のようなチームになりました。

日本製鉄室蘭アイスホッケー部 室蘭スティーラーズ

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会社経営陣に目を向けてもらい、力を入れてもらう。
私も仕事が総務業ですから、これって非常に大変なのがわかります。
彼らは土台作りの段階から私なんかに相談してくれ長年B級を見てきた私の話(見解)も聞きながら色々進めていったのを見て知っています。
見事に結果は実り、ホッケー選手の就職の面倒、チームの強化、地域貢献、に成功したチームと言えます。

また、ダイナックスも今まで以上にアイスホッケーへサポートしてくれている会社でもあります。社会人に留まらず女子も含め、就職の面倒・サポート、平成30年4月1日には沼ノ端アイスアリーナとネーミングライツ契約を締結しダイナックス沼ノ端アイスアリーナへとなりました。

DYNAX Ice Hockey Team

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主にこの2チームが自チームを盛り上げようと、強化しようと、今まで以上に動き、有力選手をどんどん獲得していきました。

そしてこの変化は2つ目の変化を引き起こしました。

2つ目の変化は
1つ目の変化により、入ってくる(就職する)選手のレベルが更に上がった事。
これには日本アイスホッケー、実業団に対する魅力を感じなくなっている選手が増えたのも要因の一つではありますが、十分な実力と実績を備えていてもその道を選ばず苫小牧に戻り仕事をしてホッケーを楽しむ、という新しいレールが増えました。
いよいよB級もここまで来たか!と一番思ったのはダイナックス:坂本颯の就職です。彼は中央大学で史上初の2年連続個人3冠(得点・アシスト・ポイント)のFWです。

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また、同時に明治のキャプテンDF、大場大の入社も重なります。

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やっぱりそういう時代になってきたんだなぁ。と一番変化を感じたのはこのタイミングでした。

また、苫小牧市役所アイスホッケー部も将来の安定を望んでか、東京の大学プレーヤ—が試験を受けて無事に受かり、就職~入部の流れが多くなってきてます。これについては市役所に限らず、消防などの公務員も同様です。

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4.悪変化

これらのサポート体制の変化は学生ホッケー選手からしたらとても光栄な事です。しかも3チームとも安定感のある就職先であり、日本のアイスホッケーを応援している身としては我が身の如く喜ばしい事と感じております。

しかし、・・・ここからが本題です。

これにより残された2チーム(日本製紙勇払・食道園キングス)は勝つことが非常に難しくなったのも事実であり、選手それぞれのモチベーションもかなり落ち込んだのも事実です。いかに点差を離されないか、いかに1点取るか、気が付けばそんな試合になっているのもザラです。
イコール、スポンサーからすると、冠がほど遠い我がチームの支援は必要なのか、経営に関わる出費をこのままでいいのか、等 考えるのは当たり前の事です。

そして・・・とうとう先シーズンで日本製紙勇払は洋紙事業撤退の影響もあり先シーズンで廃部となり、残された元々の社会人ホッケーとしてあり続けるチームは食道園キングスのみとなりました。

5.食道園キングスの在り方

実は私、
苫小牧市役所アイスホッケー部⇒食道園キングス⇒苫小牧市役所アイスホッケー部⇒食道園キングスという経緯で今に至ります。(現在:監督兼選手)

・最初に市役所の助っ人を抜けたのは、若手も入って強くなっている市役所は若手に任せてキングスを少しでも強くしよう!という思いです。

・キングスを抜けたのは、まだ動ける間に強いところで遠征も含めて色んなところと試合がしたい!という勝手な思いです。(身勝手で反省してます)

・また市役所から抜けたのは、このままだと食道園キングスが人員不足により廃部になり苫小牧のチームが減るかもしれない。という思いです。

この最後の思いを伝え、同じ気持ちで入部してくれた、山田佑哉小西秀学には30半ばにもなる身体に鞭を打って現在も所属してくれています。

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他にも中学時代の先輩も含む仲間でなんとかやってきました。

私自身も数年前に深部静脈血栓症(エコノミー症候群)を患い現在も治療中です。医者には衝撃により血栓が飛び、肺や脳に飛べば命に関わるというコメントをもらったのにも関わらず自身が望んでやりたくてやってます。
(俺はアイスホッケー選手、陸の上なんか走りたくないという陸トレ嫌いな思いが現実になってしまいました)

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どうしてそこまでするのか。
テラはホッケー好きだよね。
もうホッケーいいべさぁ。

色んな言葉を掛けられます。

我々世代が食道園キングスを辞めるのは簡単です。
=食道園キングスを廃部にするのも簡単です。

ですがこれはダイナックス関係にも日本製鉄関係にも市役所関係にも受からず、行き場を無くしたがB級でまだやりたいという若い子達の気持ちを間違いなく断ち切る事にもなります。

今までは日本製紙勇払があった分、他にも器はあったのですが、こうなった今、そういう選手を受け入れられるチームは食道園キングスしかありません。正直こうなった以上、苫小牧B級の最重要ポジションにいるのは食道園キングスだと思っています。

また、この話を現在キングスにいる若い選手達に話しても、「幸也さん、僕もそう思います」と同感くれる事が凄く嬉しくて、本当に良い後輩を持ったと感謝しています。
20歳半ば頃、私はそんな事も気にせず、やりたいところでホッケーをやる事しか考えていませんでした。確かに今とは状況が違った時代かもしれませんが、本当はコイツらも会長杯や全日本選手権、選ばれるならば国体なんかにも出たいんだろうな…と思うと、本当に胸が苦しくなる思いですし、めんこくて仕方のない後輩達です。(そのせいで奴らと飲みに行くといつも財布が空になります)

無題

若くしてそういう素晴らしい考えで協力してくれているメンバーがいるおかげで今のキングスは成り立っており、B級も成り立っているわけです。

6.それぞれの限界

なんとか皆の協力があってここまできた食道園キングスですが、ドンドン若い選手を就職+選手として引き入れるチームと試合をしていくのが非常に厳しい状態です。

主な理由しては
・結婚、出産、家族。家庭の時間を大切にしたい。
・シンプルに年齢的に考えて今のレベルが高く厳しい。
・年齢層的に責任ある仕事が増え、仕事が忙しい。
 仕事を休めない⇒遠征に行けない⇒試合人数が足りない

これにより存続はしているものの、いつも試合人数が規定ギリギリで、先シーズンは、事情をまるでわかっていない某機関から「いかがなものか」「どうにかしろ」と意見を言われた事もあります。

ここ数年で若い子達が入ってくれたのでだいぶフレッシュな選手が見られるようになり安心したのもつかの間、今シーズンより他チームへ数名移籍となりました。
これについて私は決して本人達を悪いと思っていません。それが普通だと思いますし、病気をして尚思いますが、身体元気でやれる間、たくさんチャレンジして熱くホッケーを楽しんでもらう事をむしろ応援してあげたい気持ちです。今後も若い世代がウチのチームから出るようでしたら一切、私は止めるつもりもありませんし、引き続き応援してあげようと思っています。

明らかに『誰かが悪い』そういう問題ではなく、これが現実に今起きており、私が伝えたかった苫小牧B級社会人ホッケーはギリギリ!であるという事実です。

連盟による何か異動の規制のようなモノがあったり、各チーム運営側も今一度苫小牧のチーム数減少と衰退に目を向け、そして未だそういう戦いをしているチームがある事を忘れずに運営してくださると、この記事を書いている意味というモノが出てくると思います。

7.これからの食道園キングス

そんな中ですが食道園キングスのスポンサーである食道園様から今シーズンも同様に支援してくれることが、この記事を書いている最中に連絡が有り決定致しました。

個人としてはB級でやりたい若い子がいる限りは何とか続けていきたいです。苫小牧の社会人ホッケーチームをこれ以上一つでも廃部となる事はC級との合併も考えられられ、C級の選手からすると「いや、社会人ホッケー楽しくやりたい」「そういうんじゃない」という人が出てきて衰退する一方でしょう。
そうならない為にもまたもう一年、それぞれの時間を費やしてもらう事になりますが同世代のオジサン達には家族・仕事を優先してもらいながら食道園キングスへの貢献をお願いしていきたいと思っています。

またB級に所属してやる以上、次世代に繋ぐまではプレーも血栓が飛ばない程度のやれる限りの全力で、何とかリレーができるように頑張りたいと思います。

ただ一つ言える事は
この問題点に何か解決できる糸口があって臨む1年ではありません。
上を向いても前を向いても今はこれが現実。
私も含め選手達の年齢は年々重ねますし、それぞれの家庭も大事です。
この問題点をどうにか解決していかなくては、前述の通りの事態になるのは時間の問題と思っています。

ここまで自分を育ててくれた苫小牧、そしてアイスホッケー。

文頭にある偉大な先輩方が提供してくれたこの楽しいB級ホッケーの環境を我々世代がベテランとなった時に知らんふりをしてこのまま崩壊の道に進めてしまっていいのか。

何か苫小牧のホッケーに恩返しができないかとホッケーに携わる事をやってきましたが、これが今の私にとって大きな問題点としてずっと彷徨っておりました。

まずは存続すること、チーム数を減らさないこと
試合メンバーを集め、試合を成立させること
若い子達の芽を摘まない為に自分ができること

その為に何をすべきなのか。これから模索していこうと思います。

もっと早くこの危機に向き合って工夫を凝らす必要があったと後悔もしています。今すぐどうにかこうにか改革できる問題ではありません。
そこには正直、日本製紙勇払というもう一つの器がまだあるという安心感に浸かっていた自分もいた・・・と反省しています。

8.最後に

本題なだけに非常に長くなってしまいましたが、以上が私の伝えたかった内容です。

食道園キングスでは市内はボコボコにされるのがほとんどですが、昨シーズンから旭川アイスホッケー連盟様からのお誘いで楽しく市外チームと接戦したり、市内だけの楽しみ方じゃない活動に目を向け、楽しいホッケーを1つでも増やせるように工夫しています。

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Sponsored by 旭川アイスホッケー連盟 様
お誘いいただきありがとうございます。

ぜひ、まだホッケーを楽しんでみたい方や、この記事を読んで何か協力してくれるような事(特に入部。笑)がありましたらお気軽に問い合わせていただければと思います。

今シーズンは新型コロナの影響で苫小牧市長杯のスタートが現在、不透明のようですが、スポンサー様のお気持ちを頂戴している以上、チーム一丸なんとか今シーズン、他チームにも迷惑をかけないように頑張ります!

また、このような状況の中、変わらぬサポートをいただいている食道園様にも大変感謝しております。

腹が減ったら食道園!
焼肉食いたきゃ食道園!
食道園!ったら食道園!

ぜひ、苫小牧在住の方も苫小牧にお越しの方も、我々のこのような活動を日頃支援くださっている食道園で焼肉を食べてください!
おすすめは味噌ホルモンです。
宜しくお願いします。

それではまた、何か書こうと思い身体を起こしたらnoteに綴ります。
シーズンが無事にスタートしましたらリンクで躍動するオジサン達をぜひ見に来てくださいね。

では。


てらを

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