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【PS5考察】ゲームの技術進歩はユーザーを本当に遠ざけてしまっているのだろうか?

ちょうど良いタイミングで超面白いゲームネタが出てきたので早速書いてみます。Twitterトレンド入りしていた「PS5 CM」へのネガティブな意見を発信する人たちに対する、とあるユーザーからの熱いメッセージ。

ツイートから4時間の8/27 15:00現在で約1100いいね600RTされるという、ゲームの話題にしてはかなりのバズりっぷりです。CSゲーマーの大多数が待ち望んでいるPS5の新情報に合わせた、素晴らしいタイミングで話題投下したなぁ〜と感心しながら見ていました。私は概ねこの方の意見に賛成ですが、かなり若々しい生き方をされてるんだなーと思いました。

確かに私の周りでも「昔のゲームのほうが面白い」とか「今のゲームはムービー多すぎてゲームじゃない」という意見がこれまでに何度も交わされてきました。果たして本当に今のゲームは面白くないのでしょうか?ちょっと私なりに考察してみようと思います。

今思えばいつからゲーム懐古厨は増えたのか

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そもそもこの「美麗グラでゲームはつまらなくなる」議論が目立つようになってきたのはPS3発売頃からだったように思いますが、なぜなのでしょうか?ファミコン→スーファミ→PS→PS2(他ハード略)の流れでは確実に「グラフィックの進歩=ゲームの面白さ」と認識していた人が大多数だったはずです。私もそう、あなたもそうでしょう?

大前提として抑えておきたいことは次世代機登場やゲームグラフィックの進歩に否定的な発言をしている人の特性です。当然ですが誰しも趣味嗜好が変わるもの。年齢を重ねるごとに、あるいは結婚などに代表されるような生活環境の変化に伴って。

もしかしたらPS2のFF10(2001年7月19日発売)が大好きで何周もプレイしていた当時25歳の方がいたとして、PS3でFF13(2009年12月17日発売)が発売された時点では33歳です。約8年の歳月が経過し、その間に大きな趣味嗜好や価値観、生活環境の変化があっても何らおかしくありません。ここでFF10とFF13を例にあげたのは順当なFFナンバリングかつハード世代の違いがあるためです。あと私の周りではFF13でゲーム離脱した友人が多いことも理由のひとつ。

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あと少し話逸れますが、この手の批判をしている人たちはFFに裏切られてきた方が多いんじゃないかなって思います。何を隠そう私もその1人で、FF4で本格的にゲームと出会い、間を飛ばして7・8・9・10・12まで順調に国産RPGの王道にハマってきたクチです。Final Fantasyこそ我が青春の一部であり、プレリュードは国歌だと思っています。

FF13も至るところに進歩が感じられ、グラフィック至上主義の方も当時は納得できたでしょう。しかし如何せん、ゲーム性自体がつまらなく感じたんですよね。よく言われるムービー一本道現象ですね。非常に多くのゲームユーザーがここで離脱した可能性は高いと思いますし、時は流れてその後PS4で発売されたFF15(2016年11月29日発売)ではFFの可能性を信じていたファンをも裏切るカタチとなり、遂にスクエニは完全にオワコンとまで評価される始末。

これだけFFをやり玉にあげるのは元々圧倒的にファン・プレイヤー数が多かったにも関わらず、ゲームソフトの売り上げ低下や「グラ=楽しさじゃない」という主張にぴったり当てはまると思うからです。往年のゲームファンならばこの話を理解できるのではと思います。もちろんFFに限らず数多くのゲームシリーズが存在しますから、それらについても例外ではありません。

本当にグラフィックが進歩したゲームは面白くないの?

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初めに私の主張を書いておくと「絶対に面白くないわけがない」と思います。私自身忖度抜きで「面白いモノは神、面白くないモノはゴミ」と言う人生を送ってきてますが、どの世代のハードでもプレイヤーを楽しませてくれる素晴らしいゲームに出会ってきました。ゲームシステム、ゲーム体験の質も格段に向上しており、期待の新作では毎回驚かされます。

実際に1年以内にプレイしたDeath Stranding、FF7 Remake、仁王2、The Last of Us Part2、Ghost of Tsushimaに関してはグラフィック、ゲームシステム、ストーリーなどあらゆる点で感動させられました。各ゲーム自体の詳細な評価についても同じことが言えますが、問題はそれをフラットな気持ちで捉えられるかどうか?という受け手の状態にあると思います。

そもそも「映像が綺麗になるにつれてゲームの面白さは減った」という文面をバカ正直に受け取ってしまうことで「あ?ただの懐古厨が偉そうに評価してんじゃねぇよ!」という反応が起きるのであり、この場合「あぁ…面白いゲームに出会えなかった人なんだなぁ」と思ってあげるのが精神衛生的に一番良いでしょう。若くて血気盛んな人は無理だと思うけど。

映画にしても同じように「今の映画は〜」という必死な主張をする方が見られますが、高画質化や映像技術の進歩によって体験の質自体がグレードアップしていることは間違いありません。目が肥えた今、昭和の白黒映画見れますか?って話。ゲームにも同じことが言える。今更アーケードのパックマンできますか?(…それはむしろやってみたい!笑)

では新しいゲームが必ず面白いのだろうか?

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これも絶対にありえません。新しいモノは技術的に進歩していることは間違いありませんが、それら全てが絶対的に面白いわけがありません。でなければレビューや評価なんてものも存在しない。

グラフィック・音質という視覚聴覚で感じられる体験や表現については時代毎の水準が相対的に存在しているので、今新しくても時間経過と共にいつかは必ず古くなります。

じゃあ古くなると面白くなくなるのかというとそうでもありませんよね。昔の映画を見て感動したり、今はもう解散してライブにも行けない昔のバンドの曲を聴いてファンになることだってあります。

作者の熱がこもった素晴らしい創作はどんな時代でも良い体験を与えてくれます。それが自分に合う合わないということがあったとしても。受け取り方ひとつで、いくらでも好きになる可能性を秘めています。

星のカービィスーパーデラックスも、アクトレイザーも、ドンキーコングも、めちゃくちゃ面白かったよね。宿題やらずにずっとゲームしててばあちゃんにコンセント抜かれるくらいハマったよね。

ただし、ゲームというエンターテイメントは特殊だと思っていて、映画・音楽よりも進歩の差が激しいんです。10〜20年前とかのゲームを今やろうとは思えないし、たぶん昔のゲームを今やってる人はレトロ好きな方か、そのゲーム自体がめちゃくちゃ好きな熱心なファン、もしくは過去の名作を探求したい冒険者の方々でしょう。

じゃあ何が問題なのか?

はっきり言って、懐古厨という存在が邪魔しちゃってるだけなんですね。綺麗な思い出は胸にしまって、どうぞ。もしくは分かり合える同世代で、どうぞ。つまり最初の反論ツイートをした人はかなり正しいと思います。ですがこの「懐古厨」という言葉がとても厄介で、懐古厨の大半はその自覚がありますし、言われると大体反感を買います。私が20代前半だったころ「ゆとり世代はこれだから」という年上から年下に対する否定的な発言が流行りましたが、これを言われているようなもの。言葉と表現は選びましょう。(逆を言うと選ばなければバズるし炎上するよ)

また私生活においても懐古厨は「昔は良かった」と言いながらどこにでも現れます。家族・親戚、近所のおじさん、会社の上司先輩。そして意地が悪い人は必ず「お前はダメだ!俺たちの頃はな〜」という表現をしてきます。とにかく若く新しい世代を否定することで自身とその世代に価値があったと信じたい哀れな人たち。

んなもん知ったこっちゃねぇし時代錯誤もいいところ。そう言いたくなる相手は世の中大量にいますし、また大半の人が懐古厨になれる素質を持っています。そう、今はまだ若いかもしれないあなたも。もちろん私も。

あー、昔はほんと良かったなぁー。

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