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「星の欠片」月本ちしほさんの展覧会。

月本ちしほ展「星の欠片」
TSUKIMOTO Chishio Exhibition
2月13日(土) 〜21日(日) 2021年


私たちの身体を構成する元素はいつかの星の爆発でできたものだという。 大昔の爆発で死んだ星の欠片が、生命誕生以降何度も生き物を構成しては地球という星に還り、また生き物を構成し、また星に還りをくりかえし、私の身体の血肉となっているらしい。
私の身体にもあなたの身体にも星の欠片が入っている。

春、新しい病の流行に私たちの生活は一変した。
「不要不急」の活動は「自粛」を要請され、私は息を潜めてひっそりと遠慮がちに生活する。やり場のない不安と憤り。そう思うことすら罪悪感を掻き立てる。自己嫌悪に下ばかり見て歩いた。
地面ではたくさんの命が星に還りまた、星から出てこようとしていた。
小石や雑草、枯葉、枯れ枝、苔と小さな蟲。 その死骸。

おそらく多くのヒトたちにとって何の意味もないであろう小さな者たち。朽ちていく落ち葉はもはや落ち葉であったと判定するには腐りすぎていて「生命の痕跡のなにか」と呼ぶ方がまだふさわしいどろどろとしたものになっていた。このどろどろが星の欠片なのだ。

樹々もそして足元で繰り返される生死も相変わらぬままで。
星の欠片の循環がそこには変わらずあった。

そうか、私もやはり星の欠片だ。

その循環を信じることだけが私の祈りだった。 月本ちしほ


・・

やわらかである地面を見つめて。

京都のギャラリーモーニングにて開催。

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