変えられない、変わらないではなくて ②
今年の夏は大変だったけれど、終わってみれば、あっという間だった。そして、今まで以上に課題がたくさん浮き彫りになった夏でもあった。
「難しすぎるので、もうあの課題はしないことにした」
提出物の提出率が悪いから下手をすると数学の成績に1がつくこともありうると宣言されて夏休みを迎えた高校生。普段は、大学受験を視野に基礎をしっかりと固めることに集中していたのだけれど、下手すると1は困るので、この夏は課題をしっかり終わらせるよ!と声をかけていた。でも、しばらくして、課題のプリントが姿を消し、元の問題集に戻っていた。
「課題は終わったの?」と(当然『はい』の返事を期待して)聞くと
上のセリフが返ってきた。
「なぬ❓ いやいや、難しいなら、なおさら、ここで一緒に終わらせようよ。」
と、いうと、、、
ズドーンと音がしそうな表情を見せた彼。
その様子にふっと思いだした。
今は社会人になっている若者が高校2年生だったとき、1年半ほど提出していないものがあって、お母さんが学校に呼び出された。成績に影響はないけれど、先生たちの彼への評価には影響するであろう提出物だった。お母さんからの相談を受けて、本人に話を聞いたところ、彼の主張は理解ができるものだった。
ーあなたの言い分はもっともで、私が高校生でも同じことをしていると思う。
でも、私なら、勝手に判断して提出しないのではなく、まず先生たちの意図を聞き、自分が提出しなくてよいと思う理由などを話して交渉する。交渉もせず、意見表明もなく黙って提出をしなかったのだから、もはや非は君にあると私は思うと伝えた。
子どもたちが、勝手に自分たちで判断して何かを行ったり、しなかったりして、突然、私たち大人の目の前に問題が姿を現すことがある。
現代の大人たちは、一見、多様性を大切にする世の中に合わせようとしているようだけど、実際は旧態依然。交渉の余地などないように見える。
私は、どんなときも交渉の余地があると信じて疑わない子どもだった。そして、今でもそう信じている。だから、子どもたちには『きちんと』交渉をしろという。そのためにしっかり考えて行動の取捨選択をしてほしい。
今回の高校生は、少し深刻に見えたので親御さんとも話をして、課題が難しすぎるのも事実だから学校との交渉をお願いした。子どもへの負担が心に重くのしかかり、彼らが立ち止まってしまうなら、そのときは大人の出番だとも思う。
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