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「あ」から始めない理由

今、小学1年生は学校でひらがなを「あ」から習わないらしいーと知ったのは、もう何年も前のことだ。

1画や2画のものから始めるーと聞いて、最初は、たしかに線もちゃんと書けない子どもたちに、「あ」は難易度が高いか・・・と思ったのだけれど

数年たって、「だからか・・・な」と思う子どもたちの傾向が出ていると感じるようになった。

調べものができない

五十音順、アルファベット順に並んでいる辞書や索引で調べることがどんどん下手になっている。ひらがなはバラバラに習っても、五十音は習らっているはずだけれど、自然にいつの間にか身につくわけではないらしく、英語を学校で学習する年齢までに、五十音がしっかりと身についていると感じる生徒は年々少なくなっていると感じる。

それは、アルファベットの習得も遅らせている気がする。

電子辞書で調べるから良いなんて言う人がいるのかもしれないけれど、それはまた別の話。電子辞書で調べられるものばかりではないのだし・・・。

そして、英語を教えながら、五十音がわかっていないことが顕著に表れるのが

ローマ字の規則性が認識できないとき

五十音の始まりは、あ行の母音から始まっている。そして、その母音に子音字を加えて、か行、さ行・・・と続いていくので、五十音がわかっていたら、それほど難しいことではないが、ローマ字への置き換えがなかなか進まず、ローマ字を一通り学習するのに、どんどん時間がかかるようになっている。

そして、高校生でもローマ字が読めない生徒にちょくちょく出くわす。英文の中に出てくる地名や、人名、そして日本語の言葉。イタリックで書かれたり、下線が引かれたりしているものでも、ローマ字で書かれた日本語であることにすぐに気づけないーそんな高校生も増えている。

私には、それが、五十音順に文字を教えていないことが遠因のように思えてならない。

寺子屋の小学1年生には、五十音順にひらがな、カタカナを覚えてもらうことにしている。「あ」は、難しい字だけれど、「あ」から始めれば、おそらく「あ」は一番多く書く文字になるから、気が付くと覚えていき、きれいに書けるようになっている。

文字を丁寧に覚えること、書けること、読めることは学習の基本だ。子どもたちの国語力以前の文字認識力の低下を見ていると歯がゆい。

「あ」が難しい以外に「あ」から教え始めない理由があったら、知りたいと思う。

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