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事務所を借りる

今日は朝からいい雨がふっていた。
雨がふって時間がある日があったらぜひ行きたい場所があった。

このところ寺子屋計画がおもしろい方向に進んでいて、ワクワクがとまらない。
やりたいことはいろいろあるけど、処理がおいつかない。
一つずつやることを片づけるべき、でも先に心を鎮めたい・・・

思い付きを友人に話すと、たまたま空いてると言われ、とりあえずやることは放っておいて二人で出かけた。
行く道すがら、寺子屋の話を聞いてもらいながら。
小一時間、車を走らせて到着。
よかった、お客さん今日も少なそう。
コロナも悪いことばかりじゃない。

私の最も静寂なオフィスにしたいのですが・・・ということは告げないで、受付でお金を払う。
今日はそのつもりだったので、仕事着で来ました。
2年間で6000円、お安いでしょう?
今度から私と同伴で行くと、半額で入れます。
私は最高の仕事場を手に入れた。
ちょっと家から遠いのが難点だけど。

やっぱり今日もいい空気。
そして雨がいい。緑が映える。
遠くに庭仕事をしてる人がみえた。私のいちばん憧れの職業。
こういう中で働けるのは幸せだと思う。
研ぎ澄まされた庭の中で、日々何を思うのだろうか。

大きな額縁の前のソファが空いていた。
ためしにひとつ仕事を持って行っていた。
来週、小学校で語るむかしばなしの練習。
周りの人に気遣いつつ、小さな声でゆっくり朗読する。
庭を見ながらだと息が深く吸える気がする。

今日は美術品を見ることは二の次。
美術品のオーラの中に身を置くことが大切。
自分の好きな場所をさがす。
今度はあの本を持ってきてここで読もう。
頭の中のざわざわが少しずつ消えていく気がした。
休息という仕事で、自分の心を洗濯する。
自分でリセットできる方法を持っていることは、あらゆる時に役に立つ。
忙しい時ほど休息を。急がば回れ。あせらずゆっくり。一歩ずつ、着実に。
クリアになった心は、よい選択ができると思う。

売店で寺子屋のグッズを買った。
小さなメモ帳と子どもの天使の絵葉書。
これは寺子屋の玄関に飾ろう。
親御さんに伝えたいことをこれにメモして渡そう。
まだない自分の仕事場と、まだいない生徒のことを思う。

ここは面談にも使えるな。
いちばんゆっくり話を聞きたい時、一緒にここに来よう。
寺子屋の課外授業にも使える。
この空気は忙しい今の子どもたちには必要と思う。

雨が降って、なおいい景色。
心もいつも晴れとは限らない。雨の日も、くもりの日もある。
嵐の日もまた、自分の心。
ありのままに向き合うには、本当の静寂ほど助けになるものはない。
今日来て本当によかった。
さあ、次は誰と来ようか。



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