なぜリアル店舗が苦境に立たされている

なぜリアル店舗が苦境に立たされているのか

 リアル店舗が年々苦しくなっているというのは、様々な場所で言われている。
以下に挙げるその理由というのも一般的に言われていることになるが、改めて現況をまとめていきたいと思う。
 また、ここでいうリアル店舗というのは、広く実際に店舗を構えているお店を指しており、百貨店、スーパー、量販店、商店などはもちろん、レストランやカフェなどの飲食店にも該当するような、広く影響を与えている要因を考えていきたい。

<要因その1:ECサイト>

 まず筆頭に挙がるものだろうというのがアマゾンや楽天などのECサイトだ。
誰でも想像がつくところだとは思うが、やはりダイレクトに市場を取られる要因であり、正直リアル店舗に比べてECサイトの方が顧客から見た利点が多すぎる。
リアル店舗はECの方が有利な部分では絶対に戦わないという戦略に出る以外に勝ち目はない、圧倒的に。

<要因その2:IT娯楽の進化>

 実は、喫茶店やファミレスの最大のライバルは、Youtubeやネットフリックスなどのコンテンツと、SNSなのではないかと思っている。
あまり正しい表現ではないかもしれないが、この記事ではそれらのサービスをIT娯楽と括って、話を進めていきたい。
 近頃、24時間営業をうたっていたレストランが軒並み深夜営業を中止している。
それは、郊外の人気のなさそうな地域だけではなく、都内の住宅街なんかも同様だ。
つまり、利用人数が減っている。
とりわけ深夜帯なんてスカスカで、明らかに人件費分マイナスということだろう。
なぜか。
それは、外に出る理由が減り、家に籠りたいと思える理由ばかりが増えていっているからであり、その中心に立っているのがIT娯楽だ。
 SNSが現れる前は、ゆっくりと友達と交流する手段がレストランや喫茶店に行くしかなかった。
しかし、今ではSNSで四六時中どこでも繋がることができるので、基本的に交流に関してはお腹一杯だ。
「わざわざレストランに行って会話をするって何?」って素直に思う人は結構いることだろう。
家でパソコンを開くと消費しきれないコンテンツがいくらでも無料で配布されており、どうしようもなく何もすることがないという現代人は、実質絶滅したと考えて良い。
 これまで、「本当に暇!」っという人々の受け皿にもなっていたリアル店舗だったが、IT娯楽によりそんな種族が絶滅したため、当然利用者が減ったという具合だ。

<要因その3:経済の停滞>

 日本経済に関しては、様々な見方があるが、簡単にいうと緩やかに下り坂を転がっていったというのが大方の感想だろう。
バブル期を頂点にガーンと下がり、失われた●●年だとか、アベノミクスで過去最長の経済成長期間を迎えたとかいろいろと言われているが、投資だとかに手を付けていない大半の人のイメージは前述のようになるのではないだろうか。
 経済で大事なのは、実際にどうあったかよりも、大衆がどんな気分かということだったりする。
特に、一般の人の生活圏に組み込まれることが利益につながるリアル店舗では重要だといえるだろう。
なんとなく家計に余裕がない気がしていて、優先順位の下の方にあるものは切り捨てられていく。
そうして、個人が行く店は厳選されていき、リアル店舗全体としての客足はやはり少なくなってしまう。

 そんなわけで、悪い要因ばかりが目立つリアル店舗である。
一概に、作るべきではないとは言わないが、無策で突っ込む世界ではないと思うし、今後その傾向は益々強くなっていくと考えている。

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