いろいろいっぺんに収穫で
この夏は日照りで雨がとても少ない。庭の花や野菜には水を撒いているが木々や芝生すべてには水やりをしていない。芝は褐色になり、水が足りていない灌木の葉はだらりと下がっている。そんな過酷な天候でも桃の木に実がすずなりになった。ひとつひとつの果物のサイズは小さいが、先々週あたりから明るい薄緑だった実が、黄色と紅の混ざった美しい色に変化した。実の重さで地面につきそうなほどしなっている枝もあり、木ももうヘトヘトですという風情なので、完熟するのを待たずに収穫した。
5ガロンのバケツが小さな桃でいっぱいになる。いい大人になっていても果物の収穫はうきうきする。と、同時にせっかく採れた桃をどう保存するかを考えるのに忙しい。実が若いこともあり、桃の酢漬けというのに挑戦してみようかと思うと夫に相談すると、困ったような顔をして、ジャムも作ってもらえないだろうかと言う。桃のジャムが好きなのだそうで、それは、知らなかった。バケツをもって友達の家に行き、少し、もらってもらう。友達は紙袋に入れて2,3日保存すると完熟するからピーチパイかコブラーを焼くと言う。紙袋に入れて保存できると聞いて、自分もほっとする。というのも、桃の保存処理にかかるまえに前日収穫したエルダーベリーの実をジェリーにする予定で、こちらの方は一刻の猶予もないので、ベリーの後に桃に取り掛かると深夜作業になりそうで気が重かったから。家に帰ってさっそく前に食料品店でもらった大きな手提げ紙袋2つにわけて靴箱のそばに置いた。
エルダーベリーの実は昨年に比べて三分の一ほどの収穫量で、最終的に20オンスほどのジェリーになった。若い頃は実がゴロゴロ入っているジャムが好きだったが、年をとって最近はどの果物も透明なジェリーのほうが好きになってきた。エルダーベリーは特に細かい種が多くて雑味が出るので、種と皮を取り除いたジェリーのほうが格別においしい。