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幼き日の北海道

私が小学校5年生の頃、ついて行ったおじいちゃんの会社の慰安旅行。

おばあちゃんやおじいちゃんと旅行に行く機会は多い方だったけど、今回の目的地は北海道。
鳥取県から北海道まで、小学生にとっては大移動だ。

両親や妹たちは参加しなかったが、
毎日のように顔を合わせる従業員さんたちとでかける旅行は、家族旅行に似た感覚だった。

そして、数ある観光名所を訪れ、大人になった今でも鮮明に思い出す景色に出会った。

「摩周湖」

バスの窓から見えるその風景に、何も考えられなくなった。
バスのエンジン音や周囲の声すら聞こえなくなり、窓の向こうから襲ってくる壮大な自然。

20年近く経った今もまだ、あの感覚の正体がわからない。

私に旅を教えてくれたのはおじいちゃんとおばあちゃん。
私に旅の魅力を取り憑かせたのは、心細し摩周湖。

私は、今もまだあの感覚を探している。

摩周湖で買ったまりもを、自分に芽生えた気持ちのように育てのも懐かしい。


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