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有意義なこととそうではないこと

「有意義なことは望ましいけど
そうでない有意義でもないことは来なくていいな。
要らないことだ。」
「でも、それは君の主観だよ。
客観的意見ではない。
それに本当に君の感覚が妥当かどうかは分からない。
だから、臆見で判断するのはやめた方がいいと思う。
判断ができているつもりでも、それが妥当かは分からない。
繰り返しになってしまったが、
カントの判断力批判はそんなことを言っていたかな。
どうだったっけな。
あまり覚えていない。」
「ともかくつまり僕が間違っているかも知れないと言いたいのだね。
でもまあそう指摘されればそうかも知れない。
本当に自分の判断力が人から見て妥当かは分からないしね。」
「また問題だよ。
人から見てどうなのかと、自分で考えてどうなのか、
それは食いちがうことがある。
だから人の意見を判断基準にするのもどうかと思う。」
「そうだね。
君の言う通りかも。
とすると僕はどうすればいいのかな。
何もかも分からなくなってしまった。
これでは自信がなくなってしまうよ。」
「そうか。
それは悪いことをしたかもな。
私の意見を振りかざして君を不信にしてしまったかも。
悪かった。」
「いや、いいんです。
そんなこと。
少し僕が傲慢だったかな。
有意義でないことなんてなければいい、
なんて言い方がよくなかったと思いました。
誤解を招いたかも。」
「そもそも何を以って有意義とするのだ?
君の判断基準か?
それとも君の感情か?
それとも世間一般の世評か?
そうなるともはや自分すら存在しているか、
分からなくならないか?」
「え?
そう言われると余計に分からないな。
自分で判断したつもりだったけど、
それすら危ういな。
どうしよう。
全然分からない。
自分としては自分で決めたつもりだった。」
「そうか。
私も分からなくなってきたよ。
君のために話しているのか。
自分のために話しているのか。」
「そう言われても僕は困るだけです。
でも、これも有意義な体験かもしれません。
だからもっと続けてください。
あ、これは傲慢だったかな。」
「いや、構わないさ。
それが正直な気持ちなら。
正直は美徳さ。
よい心がけなら喜んで付き合おう。
では、そうでない場合を考えてみようか。
その場合はさっさと終わらせたいと、
そんな動機が生じるだろうね。」
「ええ、確かに。
それでさっさと終えてしまいたいですね。
日々の繰り返しなんてつまらないものだし、
それが延々と続くことには気が滅入りますね。」
「私も正直そう思う。
だからそう思われないように気をつけたいものだ。」
「そうですか。
それはそれで傲慢な気もしますよ。」
「そりゃ私だって人間だもの。
気持ちが揺れることはあるさ。
それが正直な人間だよ。」
「はあ。
分かるような。
分からないような。」
「よし。
今日のところはここまでにしよう。
長くなったからな。
また考えるのは今度にしよう。
今回はこれでさらばだ。」

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