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ジェフユナイテッド千葉2021シーズン振り返りその2(MF / FW編)

前回のつづきです。「あの選手がいると点が良く入る」や「この選手がいると守備が安心してみてられる」を数値化してみよう企画2021シーズンです。

その1はこちら。


センターハーフ


4 田口泰士 (2240分出場 / 59%)
得点率1.33 (△0.18) 失点率0.72 (▼0.13) 貢献指数 +0.32

5 小林祐介 (1492分出場 / 39%)
得点率1.09 (▼0.06) 失点率0.78 (▼0.07) 貢献指数 +0.02

18 熊谷アンドリュー (1465分出場 / 39%)
得点率1.11 (▼0.04) 失点率0.86 (△0.00) 貢献指数 -0.04

32 髙橋壱晟 (1460分出場 / 39%)
得点率1.05 (▼0.09) 失点率0.92 (△0.07) 貢献指数 -0.16

14 小島秀仁 (1205分出場 / 32%)
得点率1.12 (▼0.02) 失点率0.90 (△0.04) 貢献指数 -0.06


田口が15節に戦線にもどるとチームが攻守ともに大きく改善したのは数値的にも明らかです。2年目で完全にチームにフィットしJ1級の選手であることをあらためて証明したシーズンになりましたが、指数的にも今季は田口がチーム最高値となっています。来季はシーズンとおして中盤の柱としての活躍が見たいですね。

その田口の相棒の座を争ったのは小林と熊谷。結果的に出場時間はほぼ変わらず指数的には小林がやや優位でした。小林は最後4節で戻ると出場した185分で失点なし。やはり安定感があります。出場時間は物足りないのですが実はキャリア2番目に長く出場しています。最長は2016年柏で1506分でそれ以外は1000分を超えたシーズンもなかったので、本人にとっても悪くない一年だったかもしれません。熊谷は昨年アンチフットボールの化身みたいな魔改造を施されていましたが今季はもう少し攻撃的に。本来の持ち味を少し取り戻したように見えます。ただこの2年間出場時間的には物足りません。以前のようなタフネスぶりを見せてほしい。

髙橋壱晟は昨年CHの中でもっとも指数がよく、誰と組んでも良さを出せたのですが今季は苦しみ指数的にも振るわず。田口が戻ってくるとウィングバック・シャドー・センターバックといろいろと試された形に。34試合出場はキャリアハイですが出場時間は1年目よりも短くおそらく不完全燃焼ではないかと。ただその中でも3得点をあげ、シュート技術の高さをあらためて証明しています。前編でも触れたとおりCBとしての指数が一番高く、可能性を感じさせたことはもしかしたら今後につながる収穫かも。

小島は今年も田口の代役としての役回りでしたが今年は田口が圧倒的な存在感をみせたため出番が限られました。ただ、昨季と違い今季は共演した3試合159分で3得点1失点と良い結果がでていたのでできれば田口の相棒としても勝負させてあげたかった。

今年は田口が完全に尹ジェフの中盤の柱となった年だと思います。相棒は決まり切らなかったのですが高いレベルでの競争があったことは前向きに受け止めてよいのかなと。あとは我らのスティーブンジェラード髙橋壱晟の正しい使い方を…


シャドー


39 見木友哉 (3518分出場 / 93%)
得点率1.15 (△0.01) 失点率0.77 (▼0.09) 貢献指数 +0.10

10 船山貴之 (2005分出場 / 53%)
得点率1.35 (△0.20) 失点率0.94 (△0.09) 貢献指数 +0.12

8 岩崎悠人 (636分出場 / 17%)
得点率0.85 (▼0.29) 失点率1.27 (△0.42) 貢献指数 -0.71

37 ブワニカ啓太 (542分出場 / 14%)
得点率1.16 (△0.02) 失点率1.16 (△0.31) 貢献指数 -0.29

20 矢田旭 (529分出場 / 14%)
得点率0.68(▼0.46) 失点率1.02 (△0.16) 貢献指数 -0.63

8 檀崎竜孔 (17分出場 / 0%)
得点率0.00 (▼1.14) 失点率10.59 (△9.73) 貢献指数 -10.87


見木は全試合出場、開幕戦を除き全試合スタメン。昨季よりも2041分出場時間を増やし、鈴木大輔に続いてチーム2番目の長さでした。また指数的にも特に失点率は有意に優れていて、見木が下がるとパフォーマンスが落ちることがみてとれます。見木の交代後の時間帯で上げた得点はわずかに2点、一方で失点は6を数えました。今年のジェフは見木のチームだったといえるでしょう。

船山は今年も38試合に出場。チームで3番目に多い試合数でした。出場時間としてはチーム8番目で短い時間の出場も多い一年でした。その中で攻撃力は存分に発揮し、得点率はチーム2位。チームのパフォーマンスを引き上げる役割を果たしてくれていました。契約満了は残念。

岩崎はスピードで夢を見せてくれたがチャンスをつかめず。結局かみ合わなかったのは指数的にも明白。J1で頑張ってほしい。

ブワニカは開幕戦で得点しジェフサポに夢を見させたが、システム変更でポジションを失うと少し迷ってしまったか。とはいえ542分の出場は昨季のソロモン(438分)よりも長く、経験値は積めたはず。来季に生かしてほしいですね。

矢田は天皇杯をきっかけに右のシャドーとしてチャンスを一度つかんだが結果が出ず船山にポジションを奪い返された。指数的にも大きく見劣りしておりやむを得なかったか。システム変更で大きく割りを食った形なのは気の毒でした。

檀崎はチャンスすらあまりもらえなかったがその少ない出場時間に2失点しているのは偶然では片づけられません。全くフィットしませんでした。

左のシャドウは見木がつとめあげましたが右のシャドウが定まりませんでした。船山の代わりを探し続けましたが及第点といえたのは終盤戦主に途中交代で使われたサウダーニャのみ。来季攻撃力を上げるには見木をキープしつつサウダーニャ・ブワニカの覚醒あるいは船山以上の選手を連れてきてフィットさせるというかなり難しいタスクに挑戦しなければいけません。


センターフォワード


40 櫻川ソロモン (1665分出場 / 44%)
得点率1.19 (△0.05) 失点率0.76 (▼0.10) 貢献指数 +0.15

49 サウダーニャ (1470分出場 / 39%)
得点率1.35 (△0.20) 失点率0.92 (△0.06) 貢献指数 +0.14

19 大槻周平 (621分出場 / 16%)
得点率1.01 (▼0.13) 失点率0.72 (▼0.13) 貢献指数 +0.00


昨季のトップスコアラー2人を失ったうえに川又が戦線復帰できずすっからかんだった今季のジェフの前線を支えてくれたのはユース出身の生え抜き櫻川ソロモン。25節以降18試合連続スタメンで出場時間も昨年から+1227分増やしました。その間勝点34(1試合平均1.89)ですから後半の躍進は前線にソロモンを固定できてからといってよいです。指数も攻守ともに優れた数字で質の高さを示し、飛躍の一年となりました。
サウダーニャは11節でデビューすると12節から24節までセンターフォワードをスタメンでつとめ、前半戦の流れを変えてくれた立役者でした。シーズンとおしても特に攻撃面での貢献は高く、得点率はチーム1でした。出場時間としては短かったのですが、シャドウとして得点率1.82 失点率0.78と非常に良い数字だったのでやはりセンターフォワードではなくこっちの方が生きそうです。
大槻は失点率はチーム平均より良く、勤勉なスタイルがチームを安定させていたことは数字にもあらわれていましたが、攻撃面は振るわず山口に期限付き移籍。今のシステムだと難しそう。

ソロモンがポジションをつかんだ年として記憶される1年でしょう。とはいえまだ出場時間は2年で2,000分ちょっと。伸びしろはまだまだあるはずです。


まとめ


この得点率・失点率は当然出場時間が長くなるほどチーム平均に近づきます。逆に出場時間が短ければ異常値的に数字がよく見えたり悪く見えたりすることもおきやすくなりますので以下のように散布図で表現してみました。

横軸は出場時間数、縦軸は得点率-失点率です。数字は背番号です。ざっくりと右上の選手の方が貢献度が高いと考えてよいでしょう。


2021シーズン

具体的には2021シーズンは、見木・田口・チャン・新井章太・鈴木大輔の貢献度が高く、次いで船山・末吉・ソロモン・新井一耀、さらにはサウダーニャ・福満・小田だったというところでしょうか。

また今季がうまくいっていたのかなと感じる理由はこのグラフの形にもあります。総じて指数が良い選手は出場時間も長く、チームをうまく回せている選手が長く出ていたようです。

昨年は指数はよいが出場時間が短い選手が結構多く(下図)、かみ合わせが難しいのかなと感じたのですがそこは今季は解消されていたのかもしれません。

2020シーズン


2021シーズンお疲れ様でした。終盤戦にむけてチームがどんどんかみ合うのは見ていて大変楽しいシーズンでした。とはいえ完成度が高まるほど大事なピースが欠けるとそこを埋めるのが大変になるもの。ここから契約関連のリリースで胃が痛い日々です。
ただ、かつてなく積み上げができているのも事実。来年のさらなる進歩を期待しましょう!WIN BY ALL !!

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