ジョージア工科大のCS修士に合格するまで(出願準備編)
2023年4月17日にジョージア工科大学のコンピューターサイエンス(以下CS)修士課程への進学が許可された。これまでの諸先輩方が残された出願準備に関する記事が存在し、それらの記事を頼りに出願準備を進めた。記事で紹介されている出願内容それぞれに違い(出身学部、GPA、英語試験の点数など)があり、自身の合格可能性や準備の優先度を検討するために一つ一つがとても貴重な情報であった。自身の出願内容も今後出願する方の参考になればと思い記しておく。特に、アカデミックからの推薦状を取得した方法についてはこれまでの日本人の方の記事にはなかったように思うので、役に立つかもしれない。(なぜ進学するのか、進学して何をしたいのか、といった話別の記事にしようと思う。)
出願要件
出願にあたり、ざっくりと以下の準備が必要。
成績証明書
英語テストの点数
推薦状
レジュメ
理解が正しければ、SoP(Statement of Purpose)は今回から廃止された。(Briefly describe your eventual career goal | Explain in ONE sentence your purpose in studying in the OMSCS programなどの短い質問項目は10個ほど存在する)
出願要件の詳細に関しては、大学から公開されている下記ページで正確な情報を確認していただきたい。
実際の出願内容
2022年7月後半から出願準備を始め、出願締め切りの2023年3月15日に下記内容で出願を行った。
国立大学 理系学部卒 GPA3.0未満
CS関連の職歴約3年半
TOEFL91点 (R23, L24, S20, W24)
推薦状3通 (Academic 1, Professional 2)
その他CSバックグラウンド強化材料
その中でも、個人的に重要だと考える、下記3つのポイントに絞って体験談をシェアしたい。
英語スコア準備
CSバックグラウンドの強化
推薦状準備
英語スコア準備(準備期間: 7月末~12月18日)
英語試験の要件については下記に示されている通り、IELTS/TOEFLが認められており、TOEFLの場合トータル100点以上(各セクション19点以上)が求められる。あまり深い考えはなかったが、多くの人がTOEFLを利用していたためTOEFLを受験することにした。
TOEFLは計3回受験し、3回目で取得した91点で出願を行った。
2022年7月30日: 70点
2022年10月23日: 81点
2022年12月18日: 91点
他の体験談でも90点台の出願が多く、特にこちらの記事を参考に90点台というだけで落とされる可能性は低いだろうと判断し、他のCS要件強化を優先した。ただし、合格発表の瞬間まで100点未満であることに対する懸念は強く残ったので、言うまでもなく100点以上取るに越したことはない。
CSバックグラウンドの強化(準備期間: 1月上旬~3月10日)
CS、もしくはそれに関連する学部でGPA3.0以上を持つことが好ましいとされている。それを満たさない場合、ケースバイケースで判断される。
これらの要件を満たさない志願者に対する救済処置として、3つのMOOCのプログラムの受講が薦められている。
非CS学部卒でGPA3.0未満で出願要件に満たない状態だったため、上記3つのプログラムを全て90点以上の成績で受講し、証明書を添付して出願を行った。1月頭から開始し、出願期限の5日前の3月10日に受講が完了した。
MOOCのプログラムは無料で視聴できるが、テストを受けて証明書を発行できる有料のプログラムを受講するためには各$537.3の費用がかかる。出願には有料のプログラムを受講した証明書が必要なため、トータル20万円以上の費用が必要になる。
入学できる可能性がかなり低いと感じている段階での高額な出費に躊躇したが、edXには奨学金制度がありこちらを活用することで大幅に費用を削減することができた。詳しくはこちらのツイートを参考にさせていただいた。ただし、年間に利用できる数に制限(各プログラム3-4のコースに分かれており、1年に5コースまで適用できた)があり、その他は通常の値段で自費や会社の研修制度を活用して受講した。
線形代数などの数学の知識も要求されているが、こちらは大学時代に履修でカバーできていたため、その点については追加の対策は行わなかった。
推薦状準備(準備期間: 1月末~3月14日)
推薦状はトータル3通必要で、出願時のガイドラインとして、最低でも1通アカデミック領域の方からいただく必要がある旨記載されている。
最終的には、現職の上司とチーフアーキテクト(直属の上司ではないが、能力を評価いただける程度に業務上の関わりがある上位役職)の2名とジョージア工科大学のDavid Joyner先生(Executive Director of OMSCS and Online Education at College of Computing at Georgia Tech / 前述のMOOC Introduction to Python Programming の指導員でもある)に書いていただけた。
プロフェッショナルの推薦状は本当にありがたいことに、2名とも快くご承諾いただき、問題なく完了することができた。1名は1月16日に依頼し翌日に、もう1名は1月19日に依頼し2月27日にご提出いただけた。
問題はアカデミックの推薦状で、卒業してから5年ほど経過している学部生にとって推薦状を取得するのは割とハードルの高い要件だった。(Twitter上でも、そのことを理由に断念する方をちらほら見かけた。)実際に学部時代の教授数名にメールを送ってみたもののやはり断られたり返事がなかったりした。
学部時代の教授からの依頼拒否を受けて途方に暮れつつも、諦めきれずRedditで何か方法はないかと漁っていたところ下記投稿を見つけた。
一縷の望みをかけて、「Introduction to Python Programmingを優秀な成績で修了できた場合、推薦状を書いていただけないか」と1月11日にメールしたところご承諾いただけた。その後、1月29日にほぼ満点でプログラムを修了し、出願期限前日の3月14日に推薦状をご提出いただけた。受験しようとしているプログラムのExecutive DirectorであるDavid Joyner先生から推薦状をいただけたことは非常に幸運だった。
参考にした記事リスト
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