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育成とチャンピオンシップに関連性は

「春高バレー」でみえるものとは。

テレビで春の高校バレーなんかを観ていると、ひとつの攻撃に対し、何人の選手が攻撃に「絡む」かが気になるようになりました。クイックとアウトサイド、クイックと時間差、その3つの組み合わせ、さらには、バックアタックが加わる、さらにはテンポの意識が感じられる場面も・・・。いずれにしても、「攻撃にからむ枚数」がより多く確保できる展開のチームが強いように思えます。

ただこれは、「コンビバレー」という言葉では集約したくはない気がします。

ファーストテンポやセカンドテンポを多用するということがすべてではありません。そもそも、あれこれ多用しても、その選手に決定力がなかったり、相手ブロックに通用していなければ、攻める意味がありません。
そうではなくて、それぞれのテンポで攻撃をしかけようとする選手が、どれだけ参加できているかということです。その中で、決定力ある選手が打数が増えることがあるのだと思います。

これが一本調子になり、自チームの攻撃の選択がひとつになってしまうと相手ブロッカーに心理的ゆとりが出てきて、ディフェンスも含めた、相手のバレーに噛み合ってしまうことになります。もちろん、攻撃側も特定のスパイカーに負担がかかりますから、決定力が落ちたり、ミスが増えてくるわけです。

それらをうまく調整するのがセッターです。使う位置の選択だけではなく、スパイカーの特性に合わせる、スパイカーの攻撃参加で生み出されるオフェンスの展開を具現化する、攻撃の高さを生み出す、それが見えてきます。

春の高校バレーで日本一になったチームのバレーボールが何かトレンド化するも、毎年それがめまぐるしく違ったものとなっているような気がします。拾いまくる粘りのバレー、コンビバレー、チェーンブロック、高速バレー・・・ですが度のバレーも一時的なトレンドになっているだけです。

だから「コンビバレー」、「速いバレー」などという言葉で勝負を見ようとは思いません。

育成年代(アンダーカテゴリ)の環境について

この「春高バレー」も、もう有名な大会です。高校生バレーの大会です。中学では、全中やJOCと呼ばれるものが有名です。小学生にもファミマ杯など大きな全国大会があります。みんなそれに向けて、日々の練習やトレーニングに励んでいます。

こういった環境は、世界と比べてどうなのでしょうか?私が外国に行ってみたいと思うのは、例えば海外リーグのプロ選手の試合やナショナルチームの試合をみるということよりも、こうした小中高校生(アンダーカテゴリ)の、バレーの環境や取り組みが見たいです。そして、ひょっとしたら日本でやっていることが、
決して劣っているのではなく、かなり恵まれた状況なのではと思うことがあるのですが、如何せん定かではありません。
よく日本のバレーでは、部活動の課題点や育成方法に、課題が指摘されることがあります。故障者、燃え尽き、モチベーションの低下・・・それはなくはありません。でも大会を減らせば解決するとも思えません。でもそれでも選手はたくさんいますし、こうして全国大会しのぎを削っている世界があることは事実です。
では、海外ではこれと同じような環境、またはそれ以上のものがあるのでしょうか?

日本では、指導者の指導力がどうだとか、競技人口の低下、サッカーなどに追いつけていないジレンマ・・・などいろいろ言われています。では、他の国は・・・バレーの強い国は、他種目よりもバレーが一番ポピュラーになっているのでしょうか?または経済力はどうでしょうか?日本のバレー界でも「お金がない」という話をよく聞きますが、日本よりもバレーが強い・・・ブラジルやイタリア・・・そういった国々は日本よりも経済規模が大きいのでしょうか?そうではありません。

そう考えると、ナショナルチームレベルの差には、戦術の違いや、体格の違い、または競技人口底辺の減少・・・だけでは片付けられない、やるべきことがたくさんあるように思えます。


(2012年)