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「ハウツー」の実行だけでは絶対そうならない

練習や指導の在り方については、「何をやるか」というハウツー的な話題より、「どう考えていくか」というものへの話題が、情報としては、焦点化されていくことは、バレーボールの現状ではみんなで考えていくべきだと思います。

例えば、こんな話題はどうでしょうか?・・・
「オーバーハンドパスの練習」というテーマだとすると、
その練習やドリルの「メニュー」とか「やり方」ではなくて、どのように練習の視点を持つか?とか、
どのようなポイントで「練習を構成」できるのか、ただ形づくられたものを提示してやってもらうというものではなく、「考え方」「視点」を共有し、その先のメニュー作りや練習方法のバリエーションの生産は、それぞれで試行錯誤でやってもらうことを提唱するっていうのは個人的には、これまでにはない情報の提示かな、と思います。

具体的に言うと、
人数の設定でどのように、難易度や思考の必要性を設定できるか、
1人でやる、2人でやる、3人でやる、4人でやる・・・
それに伴って、養うことができるものとできにくくなること・・・
そういったものを共有し、具体的なアイディアは、共有した各々で開発してみようというものです。
ネットを挟んだ、ゲームライク的な練習についても、どのようなプレー条件のバリエーションがあって、その条件によってどのようなものが養われるのか・・・そういったものを共有し、
あとは人数設定や配置などは、それぞれで考えてみましょう。
などなど・・・
敢えて限定的なメニューの提示を避け、枠組みのヒントや方向性を提案し、それをもとに、みんなが議論したり思考錯誤が展開されるようなはたらきかけがあると面白いのかななんて思います。
「思考の幅」というのも意識して練習の構築の生かすと面白いと思います。
プレーすべき選択肢が1つから2つ、3つ・・・・
増えれば増えるほど、判断力や対応力、臨機応変さが求められています。
また、「今すること」、「今することの理由」、「次すること」、「次することの理由」、「相手の状況の把握」など、こういった側面も一つだけ取り出すのか、二つを要求するのか、三つなのか・・・こういった、調節をしていくことが、難易度の設定や、練習バリエーションの広がりをもたらすと思います。

そろそろ練習のハウツーや特効薬を求めることを指導者は少しやめて、思考錯誤やみなさんでの議論を大事にしていくこともあっていいかなと思います。
「ハウツー」のコピーでは、その通りにいかない事が多いということです。
よく、何とか高校の練習とか、何とか先生の練習などというものをそのままやったとしても、絶対そうなることはないと思います。なぜなら、見た目の形態だけやらせても、指導者の視点や声かけの質、場の雰囲気や空気、選手のモティベーションやメンタルの状態など、ライブ場面まではコピーできないからです。
まして、その継続性となれば、なおさらその通りにならないことが多いです。
しかし、練習やゲーム、プレーに対する「考え方」は、伝えればどこでも同じように具現化できます。
浸透には時間がかかるかもしれませんが、確実にその通りのものに近づくと思います。

これからの指導で求められるのは、やる事のハウツーよりも、考え方のハウツーだと思います。


(2013年)