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どのようにスキルアップを高めていくか

何事もそうですが、1から10や100にすることよりも、0(ゼロ)から1を生み出したり踏み出すことの方が、大変であり困難を伴うかもしれません。
そう考えると、バレーで今起こっている議論(#vabotterの話)というのは、大きいかもしれません。何が大きいかというと、それまで何十年も当たり前だと思われてきたものに、風穴をあけてきていること、そして何よりもその視点に気付けたことです。

ゲーム(試合)と個別のスキル

バレーボールは、ひとつのスキルで競うものではなく、スキルとスキルの連合体、結合体として競うものですから、あるひとつのコンセプトがあると、セッター、スパイカー、ファーストタッチの返球、サーブやブロックなど、個々のものが、パズルがはまるかのように、考え方につながりが出てきて、修正点が見えてきます。
しかしバレーボールというゲームは、これら「クローズドスキル」の単なる集合体ではなく個別のスキルにともなう認知や思考判断、そして個別スキルとスキルとの間に求められる思考判断や組織性など、ゲームセンスみたいなものが重要になります。ですから、自分のような人間でも、テレビなどでのバレーの中継を観ていても観る眼が変わってきます。なるほどな、と思えることも出てきます。

一方で、考え方やコンセプトを進化させていく大事さがある一方、それを、具現化していくという作業も大変です。そこには、幾重の、何段階ものカテゴリやレベルがあって、そのコンセプトに向かわせる過程と、実現に近づけさせる過程も必要です。簡単にいうと、練習とか「できるようになる」ための過程です。

一つのプレーにたどり着くまでに

例えば、ファーストテンポの攻撃というものがあって、
セッターの練習に仮に焦点をあてた時、
動画ではいとも簡単にセットアップをしているようでも、オーバーハンドのスキルをあそこまで持って行くためには、相当な時間を要します。特に、子どもたちを預かる場合はそうですよね。

先日教えていただいた、教材の動画を見ても、セッターと言うのがいかに大事で、難しいかもわかります。ですから、こういったいろんな工夫が必要なんですね。

また、セッターは、コート上の他の5人以上に、

・自分の動きや身体の向き、ボールコントロールで「方向転換」を伴う
・状況判断の頻度、場面が多く求められる
・コート上前後の動き
・ボールコントロールのより高い精度

などが要求され、いきなりではできない部分があります。

ですから、いろんな練習の試行錯誤がいりますし、思考レベルや身体の発達レベルの違う子どもたちに、よりわかりやすく伝えることも大切になってきます。

そう考えると、ビジョンを示す、改善点を見抜く、具現化する、オピニオン、実動・・・いろんな立場、役割があって、それは何も一人の人間が持たなくても、うまく連携できればいいのであって、そのあたりがバレーではこれからなのかなと思います。

ナショナルチームレベルの人が、小中学生にオーバーハンドやスパイク助走をどうつかませるか、
それを無理に要求しなくてもいいです。でも、常に違うカテゴリの者同士が、他のカテゴリの努力や大変さ、留意点を知っておくこと、理解を示しておくことは絶対必要です。同様に、子どもたちの練習でも、そんな世界レベルのプレーは関係ないではなく、そこをひとつの念頭に置いて、それに向かうべき階段を設定し、みんなで共有することは必要なんだろうなと思います。
それぞれがバラバラにやるのではなくて。

(2013年)