見出し画像

腰痛に対する股関節トレーニング

今月の臨床+では、各週にわたりさまざまな腰部疾患について病態から実際の介入方法について解説していきました。

まだ、ご覧いただいていない方はぜひこちらからご覧ください。

局所の病態や機能不全によって腰背部の痛みにつながることも多々ありますが、実際の臨床では股関節や胸椎・胸郭の機能不全が原因であることも多く経験します。

画像3

Joint by Joint Theory

Joint by Joint Theoryとは、理学療法士のGray CockやストレングスコーチのMike Boyleが提唱した人体における各関節の役割について提唱したものです。

画像2

上記のような各関節の機能が失われた(機能不全に陥った)時に問題が起こりやすいと考えれています。

よく経験するパターンとしては、可動性が必要となる胸椎や股関節の可動性が低下することで、安定性が必要とされる腰椎にに代償が生じ、疼痛を引き起こすようなものです。

腰痛症への実際のリハビリテーション

腰痛症に対してアプローチのセオリーは可動性の役割をもつ股関節の可動性を引き出すことです。

可動性を引き出すためには、さまざまな手段があると思います。

自分がこれまで経験した中で可動性を効率よく引き出せた手段が、「股関節の単関節筋を鍛える」ことです。

画像4

実際、股関節周囲筋に対するストレッチングやリリースだけでは効果の即時性は高いですが、その持続性は低いように感じます。

「リハビリ直後は調子いいが、時間が経つと元に戻った感じになる。」

腰痛症への介入していてこのような訴えをされたセラピストの方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

自分自身もそのような経験をたくさんしてきました。

股関節の特性から考える単関節筋を鍛えるメリット

寛骨臼と大腿骨頭から構成される股関節は、本来それぞれの中心が一致する位置関係いわゆる求心位にあります。

股関節が求心位で保持され続けることによって、股関節内における転がり・滑り運動などの副運動が正常に行われるようになります。

股関節周囲筋の出力や伸張性に問題が生じると、大腿骨頭が寛骨臼に対して前方へ変位しやすくなり、股関節運動中のインピンジメントにつながります。

股関節のインピンジメントは、痛みだけでなく可動域制限の原因ともなり可動性の障害につながります。

画像9

股関節における単関節筋の中には、この求心位を保持するために機能する筋肉が複数存在すると考えられています。

可動性改善のために単関節筋を鍛えるメリットはここにあります。

これらの筋肉は、その走行上、大腿骨頭を寛骨臼に押し付ける作用があり、求心位保持のために働くと考えられています。

そのため、股関節周囲筋群のストレッチだけでなく、これらの機能を高めるための運動療法が必要となります。

求心位を保持する股関節単関節筋

股関節の求心位を保持する機能を持つ筋肉は主に以下の4つと考えられています。

|腸腰筋

画像5

|深層外旋六筋(梨状筋除く)

画像6

|小殿筋

画像8

|内転筋群

画像8

実践!股関節単関節筋トレーニング

ここからは、実際に股関節単関節筋それぞれの機能改善を目的とした運動療法をお伝えしていきます。

ここから先は

248字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?